神社の女の子×白いぱんつ×間違いSMS

m-kawa

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第2話 第一印象は最悪!?

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「おっす、どこ行ってたんだ?」

 教室に戻って席に着くと、さっそく空閑から声がかかる。もしかして裏から帰ってきたのがばれてたんだろうか。

「別にどこにも……。体育館裏を通ったほうが人がいないから」

「へぇ、なるほどね」

 たいして面白い答えじゃなかったからか、深くは追求してこない。俺だってパンツを目撃したとか話すつもりはないのでありがたいことだ。
 これ幸いとばかりに他愛のない話を振っていると、どうやら担任の先生が教室に来たようだ。

 結構若そうな女の先生だ。パンツスーツ姿をある程度着崩している。髪は肩口で切りそろえられているが、若干ぼさぼさでなんとなく全体的にボーっとしたイメージがある。

「えー、全員席に着いたかー」

 投げやりな感じの言葉でホームルームが始まった。まずは担任の自己紹介からだ。
 名前は狛谷《こまたに》彩夏《さやか》。年齢は秘密らしい。社会科を担当しているがメインは日本史とのこと。次に生徒の点呼が行われる。立って返事するのは面倒だが、自分で自己紹介しなくていいのは助かった。
 自分の席は一番後ろなので全員の様子がよくわかる。といっても後ろ姿だが、やっぱり見覚えのない生徒ばっかりだ。たまに聞いたことのある名前が呼ばれるが、とくにしゃべったことのある生徒というわけでもない。

「……夕凪ゆうなぎはるか

「はい」

 と、一人の女子生徒の名前が呼ばれたので、返事が聞こえた方へと視線を向けると。

「……げっ」

 廊下側の席で起立する女子生徒の横顔に気が付いて、思わず声が出てしまった。どこかで見たことあると思ったら、さっき白いパンツを見せていた女子じゃねぇか……。まさか同じクラスだったとは。……気が付かないふりして立ち去って正解だったか。

 目を合わせられないようにして窓方面へと視線を向けると、挙動不審になった俺に気が付いた空閑が訝しげな表情を向けてきた。……と思ったら急にニヤリとしたものに変化する。
 空閑の性格をつかみ切れていない俺としては、なんとなく不安な気分のままホームルームを過ごすしかなかった。



「で、さっきの女の子とは何かあったのか?」

 ホームルームが終わり解散となった後、空閑がニヤニヤとした笑みを張り付けて尋ねてきた。まさに予感的中だ。知り合いがいないクラスに、話ができる友達ができたと安心していたが、こういう側面もあるのはしょうがないだろう。

「ん? ……さっきの女の子って?」

「いやいや……、さっき彼女を見て『げっ』って言ってただろ」

 とぼけてみたけど無駄だった。まったく、細かいところに気が付く奴だ。

「別に……、始業式の時に体育館から戻るときにちょっとね……」

「ふーん、なるほどね」

 言葉を濁してみたら何か勝手に納得してくれたようだ。一人で違う方向へ行った俺を咎めたとでも思ったんだろうか。そんな奴と同じクラスになったと思えば、思わず漏れた俺の声も理解できるというものだ。
 ……実際は全然違うんだが。

「でもまぁ、いいんじゃないかな」

「……何が?」

 何のことかわからずに空閑を見ると、何か納得顔でうんうんと一人でうなずいている。

「いやいや、そういう立ち位置から始まる関係というのも悪くないと思うぜ」

「どういう関係だよ……」

「はっはっは、まぁ高校生活を楽しもうってことだよ」

 カバンを肩からぶら下げつつ、ニヤニヤしながらバシバシと背中をたたいてくる。悪いやつではなさそうだが、どうにも苦手なタイプかもしれない。

「あ、そうだ。ライン交換しとこうぜ」

 教室を出るなりそう切り出しす空閑。しかし言葉とは違ってスマホを取り出すそぶりは見せない。

「……別にいいけど」

 眉をひそめながらもスマホを取り出すが、続く空閑の言葉で納得する。

「と言っておきながら、実はスマホ持ってくるの忘れたんだよね」

「なんだよそれ」

 あははと笑いながら肩をすくめている。

「番号教えるから、ラインの招待よろ。帰ったら返事するから」

「へいへい」

 呆れながらも言われた番号を打ち込んで、ラインの招待をSMS経由でしておいた。もちろんすぐに返事が来ないことはわかっているので、スマホはすぐにポケットへと仕舞った。
 空閑のいう高校生活がどういうものかはわからないが、少なくとも今日はもう家に帰るだけだ。……と思ったのがフラグになってしまったのだろうか。
 昇降口で運動靴へと履き替え、屋外へと出たところでそいつと目が合ってしまったのだ。

 ――白いパンツの女の子。夕凪遥。

 険しい表情でこちらを見つめながらゆっくりと近づいてくる。
 思わず立ち止まってしまった俺としては、今更視線を外して気づかなかった振りもできない。
 いや待て、まだ焦るんじゃない。きっと気づかれていないはずだ。険しい表情なのもパンツを見てしまったからとかじゃなく、きっと別の理由なはずだ。

 異様にゆっくりと近づいてくる彼女に何もできないでいると、俺の前で立ち止まることなく素通りしていった。
 だがしかし、ほっとしたのもつかの間にぼそりと聞こえてきた言葉に俺の頭は真っ白になる。

 ――そう、確かに聞こえたのだ。

 『変態』と。
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