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いろいろ種類があるんです
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翌朝である。
今日は目が覚めて一番最初にやることがあるので二度寝はしない。
ある程度目が覚めたことを確認すると、さっそく行動に移る。
もちろんそれは……、パンツの中の確認だ。
ゆっくりと起き上り、恐る恐るパジャマのズボンとパンツに手をかけると、ちらりと中を覗き込む。
「……ん?」
パッと見ただけじゃ特に何もないように見える。
俺は思い切ってベッドから降りると、勢いよくズボンとパンツを一緒に下ろした。
――が。
「別に何もなってねーし」
パンツは昨日見た時と同様に真っ白い色をしていた。特に変わったところはない。
拍子抜けと共にベッドへと倒れこむとため息をつき、そのままの姿勢でもぞもぞとパンツとズボンを穿きなおす。
相変わらずゴワゴワとしていてパンツの中が気持ち悪いが、さすがにこれは一日や二日で慣れるわけがなかった。
昨日風呂上りに穿いてみた時に比べれば慣れたと言えるかもしれないが……。
だけど相変わらず体調が悪いのは継続中だ。
下腹部に感じる重さが、俺に生理なんぞ来るわけねぇと楽観視させてくれない。
何もなかったからと言って二度寝する気も起きないので、そのまま起きることにする。
時計を見ると八時を回ったところだ。平日であればとっくに家を出ている時間だが、今日は土曜日なので何も問題はない。
……なのだが、佳織が今日も来ると言っていたので、恐らく朝早くに来るんだろう。
ずっと寝たままでインターホンを鳴らされてからでも起きられるだろうが、出てくるのが遅いと文句を言われるのが予想出来てしまう。
であればもう起きるしかない。
動きやすいワンピースに着替えてカーディガンを羽織ると、一階のキッチンへと向かう。
朝食の用意をして「いただきます」をした直後に、家のインターホンが鳴った。
「……タイミング悪ぃな」
聞こえないことをいいことに、盛大に舌打ちをしつつ玄関へと向かうと、ドアホンのモニタに佳織が映っていることを確認して、玄関のカギを開けた。
「開いてるぞー」
一声かけてから扉は開けずにキッチンへと引っ込んで、朝食を食べることにする。
でないとせっかく用意したカップスープが冷めるし。
スプーンでスープを啜っていると、玄関の開く音がして佳織が入ってきた。
「ちょっと、せっかく来てあげたんだから出迎えくらいしなさいよ!」
「なんでだよ。微妙なタイミングで来たのはそっちだろ」
「……知らないわよそんなこと!」
「スープが冷めるだろ」
「あ、あたしはスープ以下!?」
わなわなと震えながら拳を握りこみながらもショックを受けた様子の佳織。
朝食を抜いてまで俺の家に来るのを優先するはずのない佳織は置いておき、とりあえず食べることに集中する。
「……まぁいいわ」
いつもの扱いには慣れているらしい。勝手にダイニングテーブルに着くと、片肘をついて手の上に顎を乗せる。
「で、どうだったの?」
憮然とした表情でこちらを覗き込む佳織に一瞥を返すと、カップに残ったスープを全て喉へと流し込む。
「別に何もなかったよ」
「……あらそう」
食べ終わった食器を片付けると、拍子抜けした様子の佳織を置いて自分の部屋へと戻る。
買い物に行くので出かける準備だ。
身だしなみを整えて、髪型をツインテールにしてみる。
鏡で確認してみるがなかなか様になってきた気がする。
左右のバランスを取るのが難しいこの髪型だが、そこそこ慣れてきたぞ。
「よし」
財布とショルダーバッグが一体化したポシェットを肩にかけると、佳織の待つリビングダイニングへと降りていく。
何気にこの財布が便利なのだ。ショルダーバッグから財布部分だけ取り外せる構造になっていて、普段は通学鞄に入っているが外出の際はこの通り。
「お待たせ」
「……へぇ」
待たせている佳織に声を掛けると、なぜか感心したような呟きと共にこちらに近づいてくる。
そしておもむろに両手で俺のツインテールに触れると、出来を確かめるようにいろんな角度から覗き込んでくる。
「なかなか女の子らしくなってきたじゃない」
何から目線なのかはよくわからないが、静や千亜季のような女の子に言われるのならともかく、佳織に言われてもあまり嬉しくない。
「まぁ俺にかかればこんなもんだな」
「……『黙ってれば』ってつけ足さないといけないみたいね」
「うるせー」
単純に見た目に違和感を覚えないような服装や言動を心掛けているだけだ。……まぁ口調だけはどうにもなってないところはあるのは事実だが。
「じゃあ行くわよ」
そうして今日も二人でモールへと出かけるのだった。
「こんなにあるのか」
夜用や昼用、多い日用といった種類があるのはテレビCMで見ていて知っていたが、他にも羽なしやスリムタイプなど様々なものがあったのだ。
「最初はどれがいいかわかんないでしょ」
じっくり見ようと思ったが、言われてみればその通りだ。さらに言えば俺はまだ未経験なのだ。どのタイプが合うなんぞわかるわけがない。
「だから、はい。これくらいあれば大丈夫でしょ」
適当に何種類か詰め込まれたカゴを渡される。
そして次は下着だ。
生理用下着になれば同じく薬局に売っているらしく、わざわざ別の店に行かなくていいのは楽だ。
「スタンダードとか、ボクサータイプとか……。夜用になると三分丈くらいのものまでいろいろね」
「ふーん……。何が違うんだろ」
わざわざ生理用とあるので何か違いがあるんだろう。
見本を手に取って見てみるが、パッと見て違いが判らない。……穿いてみればわかるんだろうか。
「……お?」
と思ったら二重構造になっていた。
「羽が仕舞えるのよ」
「なるほど。……パンチラしても安心だな」
「……んなわけないでしょ」
俺のボケに対して返ってきたのは鋭いツッコミではなく、胡散臭いモノでもみるかのような視線だった。
……まぁそんなこともあるだろうと思い、俺は肩をすくめるだけに留める。
とりあえずパンツについても穿いてみないことにはわからないので、いくつか購入することにしたのだった。
今日は目が覚めて一番最初にやることがあるので二度寝はしない。
ある程度目が覚めたことを確認すると、さっそく行動に移る。
もちろんそれは……、パンツの中の確認だ。
ゆっくりと起き上り、恐る恐るパジャマのズボンとパンツに手をかけると、ちらりと中を覗き込む。
「……ん?」
パッと見ただけじゃ特に何もないように見える。
俺は思い切ってベッドから降りると、勢いよくズボンとパンツを一緒に下ろした。
――が。
「別に何もなってねーし」
パンツは昨日見た時と同様に真っ白い色をしていた。特に変わったところはない。
拍子抜けと共にベッドへと倒れこむとため息をつき、そのままの姿勢でもぞもぞとパンツとズボンを穿きなおす。
相変わらずゴワゴワとしていてパンツの中が気持ち悪いが、さすがにこれは一日や二日で慣れるわけがなかった。
昨日風呂上りに穿いてみた時に比べれば慣れたと言えるかもしれないが……。
だけど相変わらず体調が悪いのは継続中だ。
下腹部に感じる重さが、俺に生理なんぞ来るわけねぇと楽観視させてくれない。
何もなかったからと言って二度寝する気も起きないので、そのまま起きることにする。
時計を見ると八時を回ったところだ。平日であればとっくに家を出ている時間だが、今日は土曜日なので何も問題はない。
……なのだが、佳織が今日も来ると言っていたので、恐らく朝早くに来るんだろう。
ずっと寝たままでインターホンを鳴らされてからでも起きられるだろうが、出てくるのが遅いと文句を言われるのが予想出来てしまう。
であればもう起きるしかない。
動きやすいワンピースに着替えてカーディガンを羽織ると、一階のキッチンへと向かう。
朝食の用意をして「いただきます」をした直後に、家のインターホンが鳴った。
「……タイミング悪ぃな」
聞こえないことをいいことに、盛大に舌打ちをしつつ玄関へと向かうと、ドアホンのモニタに佳織が映っていることを確認して、玄関のカギを開けた。
「開いてるぞー」
一声かけてから扉は開けずにキッチンへと引っ込んで、朝食を食べることにする。
でないとせっかく用意したカップスープが冷めるし。
スプーンでスープを啜っていると、玄関の開く音がして佳織が入ってきた。
「ちょっと、せっかく来てあげたんだから出迎えくらいしなさいよ!」
「なんでだよ。微妙なタイミングで来たのはそっちだろ」
「……知らないわよそんなこと!」
「スープが冷めるだろ」
「あ、あたしはスープ以下!?」
わなわなと震えながら拳を握りこみながらもショックを受けた様子の佳織。
朝食を抜いてまで俺の家に来るのを優先するはずのない佳織は置いておき、とりあえず食べることに集中する。
「……まぁいいわ」
いつもの扱いには慣れているらしい。勝手にダイニングテーブルに着くと、片肘をついて手の上に顎を乗せる。
「で、どうだったの?」
憮然とした表情でこちらを覗き込む佳織に一瞥を返すと、カップに残ったスープを全て喉へと流し込む。
「別に何もなかったよ」
「……あらそう」
食べ終わった食器を片付けると、拍子抜けした様子の佳織を置いて自分の部屋へと戻る。
買い物に行くので出かける準備だ。
身だしなみを整えて、髪型をツインテールにしてみる。
鏡で確認してみるがなかなか様になってきた気がする。
左右のバランスを取るのが難しいこの髪型だが、そこそこ慣れてきたぞ。
「よし」
財布とショルダーバッグが一体化したポシェットを肩にかけると、佳織の待つリビングダイニングへと降りていく。
何気にこの財布が便利なのだ。ショルダーバッグから財布部分だけ取り外せる構造になっていて、普段は通学鞄に入っているが外出の際はこの通り。
「お待たせ」
「……へぇ」
待たせている佳織に声を掛けると、なぜか感心したような呟きと共にこちらに近づいてくる。
そしておもむろに両手で俺のツインテールに触れると、出来を確かめるようにいろんな角度から覗き込んでくる。
「なかなか女の子らしくなってきたじゃない」
何から目線なのかはよくわからないが、静や千亜季のような女の子に言われるのならともかく、佳織に言われてもあまり嬉しくない。
「まぁ俺にかかればこんなもんだな」
「……『黙ってれば』ってつけ足さないといけないみたいね」
「うるせー」
単純に見た目に違和感を覚えないような服装や言動を心掛けているだけだ。……まぁ口調だけはどうにもなってないところはあるのは事実だが。
「じゃあ行くわよ」
そうして今日も二人でモールへと出かけるのだった。
「こんなにあるのか」
夜用や昼用、多い日用といった種類があるのはテレビCMで見ていて知っていたが、他にも羽なしやスリムタイプなど様々なものがあったのだ。
「最初はどれがいいかわかんないでしょ」
じっくり見ようと思ったが、言われてみればその通りだ。さらに言えば俺はまだ未経験なのだ。どのタイプが合うなんぞわかるわけがない。
「だから、はい。これくらいあれば大丈夫でしょ」
適当に何種類か詰め込まれたカゴを渡される。
そして次は下着だ。
生理用下着になれば同じく薬局に売っているらしく、わざわざ別の店に行かなくていいのは楽だ。
「スタンダードとか、ボクサータイプとか……。夜用になると三分丈くらいのものまでいろいろね」
「ふーん……。何が違うんだろ」
わざわざ生理用とあるので何か違いがあるんだろう。
見本を手に取って見てみるが、パッと見て違いが判らない。……穿いてみればわかるんだろうか。
「……お?」
と思ったら二重構造になっていた。
「羽が仕舞えるのよ」
「なるほど。……パンチラしても安心だな」
「……んなわけないでしょ」
俺のボケに対して返ってきたのは鋭いツッコミではなく、胡散臭いモノでもみるかのような視線だった。
……まぁそんなこともあるだろうと思い、俺は肩をすくめるだけに留める。
とりあえずパンツについても穿いてみないことにはわからないので、いくつか購入することにしたのだった。
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