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第一章
モンスターズワールド -王女-
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「あなたは……、魔術師ではないのですか……?」
フィアリーシス王女様の口から問いかけが漏れる。
えっ!? ちょっ、どういうこと?
辺りをキョロキョロするが、近くには誰もいない。やっぱり俺への質問だろう。
つかこれはどう答えるべきなんだ……。わからんぞ!
「あ、えっと……。魔術師ではないですよ」
とりあえずステータスに記載されている通りに答える。マジシャンの記載はあるが、魔術師の記載はないので嘘ではないぞ。
しかし王女様の後ろに控える護衛騎士の二人の威圧感が半端ねぇ。って、あ、ここは跪いたほうがいいんだっけか? いやでも質問に答えたあとだし今更かな……。
「えっ? そんなに魔力をお持ちなのに……?」
全く関係ないことで冷や汗をかいているところに予想外の答えが返ってくる。
えーっと、それはマジシャンの職業にも就いてるからってことなのかな? でもまだレベル6だしな。
「……うーん、自分がそんなに魔力を持っている実感はないのですが……」
正直言って本当に実感がない。そりゃ多少は同レベルの人と比べたらステータスが多い自覚はあるが、単純に強さだけで見ればまだまだだ。
この世界にだってベテランとか一流と呼ばれる人種もいるだろうし、そういう人にはまだまだ敵わないだろうと思う。
「……そう、ですか。でも――」
何か言いたそうに言葉を途切れさせるが、王女様との対面と後ろの護衛騎士の威圧感で冷静になりきれていない俺は、まったく疑問に思うことなくスルーだ。
「いえ、なぜ剣士になられたのか気になったもので……」
「はあ……、特に理由はないですね……」
マジシャンの職業はすでに就いているので、とは口が裂けても言えない。
「そうですか……。お時間を取らせてしまいました。では私はこれで……」
歯切れ悪く退室する王女様。何がなんだかわからない俺は呆けた顔で見送ることしかできない。一体なんだったんだろう。
ゲームでは最初からこんなイベントはなかったはずだ。
うーむ。決められたプログラム通りに動くわけではないのか。現実世界として考えた方がいいのか……。ま、危なくなったらすぐ帰ればいいか。
「おいおい、王女様に声を掛けられるなんてラッキーだな!」
考え込んでいると後ろから背中をバンバンと叩かれた。
振り返るとさっきまでカウンターにいた受付の男だった。
「あ、はい。……運がよかったですね。ははは」
若干乾いた笑いになっていたような気はするが、気にしないでおく。
「はっはっは! まあがんばれよ!」
「……がんばります」
受付の男に送り出されて詰め所を出る。気が付けばもう昼前だ。腹へったなーと思いながら通りを歩くと、近くの露店からいい匂いが漂ってくる。
チラッと覗き込んでみるが、値札を見たところで無一文だったことに愕然とした。
「しょうがない。持ち込んだ弁当でも食うか」
日本で準備した物資の中には弁当も含まれる。ただまあ、こんな人目につくような街中では目立つので、街の外に出てからだな。そのあとでスキルを色々と試してみることにしよう。
さっそく街の外、東門へと来てみた。ちらほらと駆け出しが魔物を探してうろうろしているのが見える。
さて、俺が目指すのは人のいないところだ。確か向こうのほうに雑木林があったはず。入り口から外れたところなら人は来ないだろう。
入り口から回り込んで見えないところまで来たが、ちょうどいい切り株を発見。弁当食うか。
食ったあとは実験だ。
「ではさっそく。――フレアアロー!」
かざした指先から二十センチほどの炎の矢が、プラスチックの弁当ケースへと向かって飛んでいく。ぼふっという音がしたかと思うと、ゴミは真っ黒の灰となった。
「……出た」
ついでにゴミ処分できたことなんてどうでもいい。魔法が発動しちゃったよ。これなんてチート?
まあ、ステータス画面に出てる時点で使える気はしてたけど、やばいねコレ。職業をコロコロ変えられるゲームもあるけど、ロードライフオンラインとモンスターズワールドではできない芸当だ。
っとそこまで考えて、そのゲームに入ったらどうなるんだ? という疑問が湧く。すごくやばくね? すでになんでもありな状態になってる気がしないでもないが、これはもう際限がないな。
うーむ。まあ未来のスキルより現在の実験だな。とりあえずまだ使ってない魔法を試すか。だいたいは名前で効果はわかるが、実体験しないとね。
さっきまで座っていた切り株に意識を向ける。
「――エアハンマー!」
ズンっという地響きと共に切り株が地面にめり込む。圧縮された空気の塊をハンマーのようにして振り下ろすイメージだろうか。
「――アーススパイク!」
地面から岩の塊が勢い良く飛び出して来たかと思うと、地面にめり込んでいた切り株を砕きながら吹き飛ばす。
「――身体強化!」
……何も起こらない。
ああ、そりゃそうだ。強化だもんね。上から順番にと思ってたけど適当すぎたな。
うーん、強化されたのかな? いまいち実感が湧かないけど。とりあえず走ってみるか。
「…………」
うん、さっぱりわからん。十分ほど走ったが軽く息が切れる程度だし。そういえば剣士になって筋力体力が大幅に上がったんだった。
慣れてきてから試してみよう。
フィアリーシス王女様の口から問いかけが漏れる。
えっ!? ちょっ、どういうこと?
辺りをキョロキョロするが、近くには誰もいない。やっぱり俺への質問だろう。
つかこれはどう答えるべきなんだ……。わからんぞ!
「あ、えっと……。魔術師ではないですよ」
とりあえずステータスに記載されている通りに答える。マジシャンの記載はあるが、魔術師の記載はないので嘘ではないぞ。
しかし王女様の後ろに控える護衛騎士の二人の威圧感が半端ねぇ。って、あ、ここは跪いたほうがいいんだっけか? いやでも質問に答えたあとだし今更かな……。
「えっ? そんなに魔力をお持ちなのに……?」
全く関係ないことで冷や汗をかいているところに予想外の答えが返ってくる。
えーっと、それはマジシャンの職業にも就いてるからってことなのかな? でもまだレベル6だしな。
「……うーん、自分がそんなに魔力を持っている実感はないのですが……」
正直言って本当に実感がない。そりゃ多少は同レベルの人と比べたらステータスが多い自覚はあるが、単純に強さだけで見ればまだまだだ。
この世界にだってベテランとか一流と呼ばれる人種もいるだろうし、そういう人にはまだまだ敵わないだろうと思う。
「……そう、ですか。でも――」
何か言いたそうに言葉を途切れさせるが、王女様との対面と後ろの護衛騎士の威圧感で冷静になりきれていない俺は、まったく疑問に思うことなくスルーだ。
「いえ、なぜ剣士になられたのか気になったもので……」
「はあ……、特に理由はないですね……」
マジシャンの職業はすでに就いているので、とは口が裂けても言えない。
「そうですか……。お時間を取らせてしまいました。では私はこれで……」
歯切れ悪く退室する王女様。何がなんだかわからない俺は呆けた顔で見送ることしかできない。一体なんだったんだろう。
ゲームでは最初からこんなイベントはなかったはずだ。
うーむ。決められたプログラム通りに動くわけではないのか。現実世界として考えた方がいいのか……。ま、危なくなったらすぐ帰ればいいか。
「おいおい、王女様に声を掛けられるなんてラッキーだな!」
考え込んでいると後ろから背中をバンバンと叩かれた。
振り返るとさっきまでカウンターにいた受付の男だった。
「あ、はい。……運がよかったですね。ははは」
若干乾いた笑いになっていたような気はするが、気にしないでおく。
「はっはっは! まあがんばれよ!」
「……がんばります」
受付の男に送り出されて詰め所を出る。気が付けばもう昼前だ。腹へったなーと思いながら通りを歩くと、近くの露店からいい匂いが漂ってくる。
チラッと覗き込んでみるが、値札を見たところで無一文だったことに愕然とした。
「しょうがない。持ち込んだ弁当でも食うか」
日本で準備した物資の中には弁当も含まれる。ただまあ、こんな人目につくような街中では目立つので、街の外に出てからだな。そのあとでスキルを色々と試してみることにしよう。
さっそく街の外、東門へと来てみた。ちらほらと駆け出しが魔物を探してうろうろしているのが見える。
さて、俺が目指すのは人のいないところだ。確か向こうのほうに雑木林があったはず。入り口から外れたところなら人は来ないだろう。
入り口から回り込んで見えないところまで来たが、ちょうどいい切り株を発見。弁当食うか。
食ったあとは実験だ。
「ではさっそく。――フレアアロー!」
かざした指先から二十センチほどの炎の矢が、プラスチックの弁当ケースへと向かって飛んでいく。ぼふっという音がしたかと思うと、ゴミは真っ黒の灰となった。
「……出た」
ついでにゴミ処分できたことなんてどうでもいい。魔法が発動しちゃったよ。これなんてチート?
まあ、ステータス画面に出てる時点で使える気はしてたけど、やばいねコレ。職業をコロコロ変えられるゲームもあるけど、ロードライフオンラインとモンスターズワールドではできない芸当だ。
っとそこまで考えて、そのゲームに入ったらどうなるんだ? という疑問が湧く。すごくやばくね? すでになんでもありな状態になってる気がしないでもないが、これはもう際限がないな。
うーむ。まあ未来のスキルより現在の実験だな。とりあえずまだ使ってない魔法を試すか。だいたいは名前で効果はわかるが、実体験しないとね。
さっきまで座っていた切り株に意識を向ける。
「――エアハンマー!」
ズンっという地響きと共に切り株が地面にめり込む。圧縮された空気の塊をハンマーのようにして振り下ろすイメージだろうか。
「――アーススパイク!」
地面から岩の塊が勢い良く飛び出して来たかと思うと、地面にめり込んでいた切り株を砕きながら吹き飛ばす。
「――身体強化!」
……何も起こらない。
ああ、そりゃそうだ。強化だもんね。上から順番にと思ってたけど適当すぎたな。
うーん、強化されたのかな? いまいち実感が湧かないけど。とりあえず走ってみるか。
「…………」
うん、さっぱりわからん。十分ほど走ったが軽く息が切れる程度だし。そういえば剣士になって筋力体力が大幅に上がったんだった。
慣れてきてから試してみよう。
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