モーニングコーヒーはぬるめで

慶野るちる

文字の大きさ
7 / 49
本編

しおりを挟む
 公園の近くの地下駐車場に停めてあった車に乗り込み、樫木の家とやらに向かう。
 どんな車に乗ってんのだろうと興味もあったが、見れば多分少し背が高めのファミリータイプのシルバーの軽自動車。超普通。こだわりはないらしい。俺もどうでもいいが。
 十五分ほど走って着いた先はアパート。暗がりではっきりは分からないが四階建てだろうか。集合ポストを抜けてすぐそばが部屋だったらしく、前を歩く樫木が突然止まる。
 ポケットから鍵を取り出し鍵穴に挿すのを見て、思わず視線を爪先に落としてしまった。
 ……俺はこの部屋に入るのか。一つ学年が上の先輩と寝るのとは違う。教師で担任で。歳が十も離れていて。
 ドアを開けて中に入った樫木が振り返る。
「今更怖気づいても遅いぞ」
 !
 樫木の声がさっきまでと違うことに気付いて顔を上げた瞬間に腕を取られ、中へ引っ張り込まれた。
 ドアを荒く閉めたと思ったら、そのまま背中をドアに押し付けられ。その勢いに肩にかけていた鞄が落ちる。
「うっ……」
 噛みつかれるように樫木に唇を塞がれていた。言葉もなく、目も合わせず。無防備に薄く開いたままだった歯列を舌が強引に開いて中へ入ってくる。
「んんんっ!」
 抵抗も、拒否も、何もできずに樫木に押さえつけられていいように口の中を蹂躙されて。両足の間に割って入った樫木の片足が制服のズボン越しに内腿を擦る。刺激の先にあるものを当然知っているから勝手に身体がざわつき始めて力が抜けていく。立っているのが辛くなってくる。
 でもこれはレイプだろ、俺はまだ、何も言ってない。言葉を交わしてない。セフレっていうのはもっと快楽を求めて少しは会話を……。こういうのを望んでいたのか、俺は。こっちの意思なんか関係なく一方的に奪われる、圧倒的な力で空っぽにされてようやく北見の横に立てるのか。そこまでしないと駄目なのか。
 だけど、嫌だ。こんなのは。……いや、都合のいいことを言ってるのかもしれない。ゆきずりならこんなこともあるのかもしれない。だったら仕方ないのか。自分で選んだことだ……。
 樫木の指がノットにかかりネクタイが解かれていく。ワイシャツが開いて樫木の唇が首を滑り、鎖骨のあたりに結構強く歯を立てられた。
「っつ!」
 あやふやになっていた意識が強制的に戻されるとインナーの下にある乳首を指の腹で捏ねられ。ずんと脳天まで快感が走った。
「も……無理……」
 立ってられない。
 樫木は一切をやめて自分の上着を脱いで背後の狭く短い廊下に投げると、俺をそこへ無言で押し倒した。バックルを外され、革靴を脱がされ、下着とズボンを一度に抜かれる。先走りに濡れた俺のペニスで湿らせた樫木の指が後ろのすぼみに躊躇なく当てられる。かきまぜるようにそろそろと指が動き、ペニスはペニスでびちゃびちゃと水音を立てながら扱かれた。
「ん……ぅ……」
 声は出したくない。自分の手の甲を噛んでなんとか凌ぐ。口から漏れる息は苦さと甘さが混じっていて。
 やがて指が抜かれて樫木が中に入ってきて、言葉一つないまま果てた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

処理中です...