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命尾学園潜入
3話 免許皆伝と交戦
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辺りを見回す。
チラホラ人が集まってきた。
外からではなく、校舎の中からだ。
おそらく全員生徒。
みんな私服姿の男女が10数人。
「聞こえないのか? 俺の靴を拾って来いよ転校生」
皮ジャケットにシルバーのアクセサリーの男は言葉を重ねる。
「誰? あいつ?」
「さあ? マルトが転校生って言ってるけど」
「珍しいね。あいつが誰かに絡むなんて」
「・・・・・・」
男と見物人の発言。
いろいろと違和感がある。
改めてマルトという男を観察する。
金髪に染めたツンツン頭、大柄かつ筋肉質な肉体・・・・・・そして無駄のない、肩の力が抜けた立ち方。
まるでマリモを初めて見たときの印象だ。
「あんたデカいな。それに体が締まってる」
探りを入れてみた。
「ああ? いいから拾ってこい」
「スポーツでもやってんの?」
「はあ? ここはスポーツ禁止だぞ」
「え?」
カマをかけたつもりが、こっちが驚くことに。
スポーツ禁止?
この学園が?
「私立名門校、よくわかんねえな」
「よっし、拾ってくる気無しな。今からお前をボコる」
「やってみろ」
・・・・・・結局『悪手』を選んだ。
相手を刺激してフォロー無しという、不良やチンピラ相手には最悪の一手。
しかし、今回に限ってはこれで良かった気がする。
「マルトって言ったな。お前なんで俺が転校生って知ってるんだ?」
構えながらも質問した。
「ああ? お前なんか見たことないから転校生だろ?」
「ふーん」
一触即発の状態になる。
互いの距離、約5メートル。
お互いに肩と膝の力が抜けてる古武術の構え。
†††††
呼吸法を変える。
さっき車内で飲んだ缶コーヒーの後味がやけに鮮明になる。
「行くぜ! 鏡宮次郎!」
「・・・・・・!」
俺の名前を呼んできた。
ツッコミ所満載だったが、今はそれどころじゃない。
「そぅらぁ!」
地面を蹴る音が聞こえない。
やはり古武術の膝の力を抜いて前に倒れる動き。
マルトは荒々しく叫びながら、俺の襟を掴もうとしてきた。
鋭く、速い。
「・・・・・・」
次の瞬間、俺は少しだけ下がって回避し、マルトの腕を逆に掴もうとした。
しかし振り払われる。
「・・・・・・!?」
お互いまた距離を取る。
そしてお互いまた同じ構えで膠着状態に。
「マルトお前・・・・・・命尾流護身術の使い手じゃねえか」
「お? もうバレた? まあ俺は護身術のほうは少ししかやってねえがな」
「なに? とにかく、おまえ俺の素性知ってるな?」
構えをとかないで言葉で牽制しあう。
会話を聞いていたギャラリーがざわつき出した。
「命尾流古武術?」
「部外者でマスタークラスは一人しかいないはずだ」
「まさかあのチビ・・・・・・鏡宮次郎?」
「マルトくんがそう呼んでたろ」
「・・・・・・?」
どういう事だ?
ギャラリーまで俺の素性を知ってるっぽい。
「ストーップ! そこまでよ」
「・・・・・・!?」
「誰だ? あんた?」
そこで制止が入った。
百子さんの声だ。
「そこの次郎くんの身内の者よ。今日は付き添いで来たわ」
カツカツとハイヒールの音を立てながら歩いてくる。
「円戸《まると》隆二くん。今は君も一般で問題を起こすのはまずいんじゃない?」
「はあ? 関係ねえよ」
今度は百子さんともめ始めた。
止めるべきか。
「マルトくん、やべえって。この女、確かこの学園のVIPだぜ」
「なに?」
マルトの取り巻きらしき男の一人が語りだした。
「あら、そっちの君は私の事を知ってるの?」
「あんたさ、ライフテールロジティクスの社長だろ? 就職先の一つに検討してたから、サイトの写真見たことある」
「そうよ」
「なに?」
「マジかよ? 命尾グループ傘下の会社社長・・・・・・命尾百子?」
「や、やばっ」
ギャラリーたちも騒ぎ始める。
何人かは顔を隠して逃げた。
こいつらの価値観で、このケンカ見物は大人にバレるとまずいのか。
「命尾百子ォ? 確か会長の弟の孫娘で総帥の従兄弟の子で・・・・・・そんな感じの奴だっけ?」
マルトは構えを解いて語る。
「やっぱりかよ」
ギャラリーの何人かは未だに残ってる。
「そうだけど。今は私は鏡宮百子ね。そこの次郎くんの兄と結婚したの」
「・・・・・・!?」
その発言に、ギャラリーや取り巻きはさらに驚く。
しかしマルトはさほどリアクションがない。
「で? だからなに? チクって退学にでもするか?」
「あら、そんなことする気はないわ」
「・・・・・・」
「あなた。次郎くんの実力に興味があってちょっかいかけたんでしょ?」
「まあな」
そういうことか。
さっきギャラリーの一人がマルトが一般人に因縁付けるのが珍しいって言ってたし。
「なら、続きはエーテルランドストーリーで。それでいいでしょ?」
「・・・・・・ふん」
マルトは完全に構えを解いた。
百子さんの説得に応じたか。
そのままこちらに背を向ける。
「そうするとするか。行くぞ、お前ら」
「はいはい」
立ち去ってくれるようだ。
良かった。
と、思ったら。
「シュトー!」
振り返って今度は別の名前で俺を呼んできた。
中2病?
「お前のエーテルランドのハンドルネーム、シュトー。これにちなんだんだろ?」
「え?」
マルトはこちらを振り返り、手刀のポーズを取る。
え? 違うけど。
「素手にこだわりがあるのかもしれないがな。このままだと、お前ゲーム内で雑魚だぜ」
「どういうこと?」
「俺は命尾流剣術の免許皆伝だ。お前やマリモより頭1つ抜けてるんだぜ」
「・・・・・・マジ?」
「マジ。本来命尾流古武術の護身術は・・・・・・素手じゃないだろ」
そこまで言うと、マルトは再びヒラヒラと手を振りながら背を向けた。
「8月半ばのイベント。このままじゃ俺たちチームが無双でつまんねえからな。少しは楽しませてくれよ」
「てかお前。俺の事ほとんど知ってるんじゃねえか」
「はっ、じゃあな」
そのままマルトは取り巻きと一緒に行ってしまった。
本当、何だったのか。
チラホラ人が集まってきた。
外からではなく、校舎の中からだ。
おそらく全員生徒。
みんな私服姿の男女が10数人。
「聞こえないのか? 俺の靴を拾って来いよ転校生」
皮ジャケットにシルバーのアクセサリーの男は言葉を重ねる。
「誰? あいつ?」
「さあ? マルトが転校生って言ってるけど」
「珍しいね。あいつが誰かに絡むなんて」
「・・・・・・」
男と見物人の発言。
いろいろと違和感がある。
改めてマルトという男を観察する。
金髪に染めたツンツン頭、大柄かつ筋肉質な肉体・・・・・・そして無駄のない、肩の力が抜けた立ち方。
まるでマリモを初めて見たときの印象だ。
「あんたデカいな。それに体が締まってる」
探りを入れてみた。
「ああ? いいから拾ってこい」
「スポーツでもやってんの?」
「はあ? ここはスポーツ禁止だぞ」
「え?」
カマをかけたつもりが、こっちが驚くことに。
スポーツ禁止?
この学園が?
「私立名門校、よくわかんねえな」
「よっし、拾ってくる気無しな。今からお前をボコる」
「やってみろ」
・・・・・・結局『悪手』を選んだ。
相手を刺激してフォロー無しという、不良やチンピラ相手には最悪の一手。
しかし、今回に限ってはこれで良かった気がする。
「マルトって言ったな。お前なんで俺が転校生って知ってるんだ?」
構えながらも質問した。
「ああ? お前なんか見たことないから転校生だろ?」
「ふーん」
一触即発の状態になる。
互いの距離、約5メートル。
お互いに肩と膝の力が抜けてる古武術の構え。
†††††
呼吸法を変える。
さっき車内で飲んだ缶コーヒーの後味がやけに鮮明になる。
「行くぜ! 鏡宮次郎!」
「・・・・・・!」
俺の名前を呼んできた。
ツッコミ所満載だったが、今はそれどころじゃない。
「そぅらぁ!」
地面を蹴る音が聞こえない。
やはり古武術の膝の力を抜いて前に倒れる動き。
マルトは荒々しく叫びながら、俺の襟を掴もうとしてきた。
鋭く、速い。
「・・・・・・」
次の瞬間、俺は少しだけ下がって回避し、マルトの腕を逆に掴もうとした。
しかし振り払われる。
「・・・・・・!?」
お互いまた距離を取る。
そしてお互いまた同じ構えで膠着状態に。
「マルトお前・・・・・・命尾流護身術の使い手じゃねえか」
「お? もうバレた? まあ俺は護身術のほうは少ししかやってねえがな」
「なに? とにかく、おまえ俺の素性知ってるな?」
構えをとかないで言葉で牽制しあう。
会話を聞いていたギャラリーがざわつき出した。
「命尾流古武術?」
「部外者でマスタークラスは一人しかいないはずだ」
「まさかあのチビ・・・・・・鏡宮次郎?」
「マルトくんがそう呼んでたろ」
「・・・・・・?」
どういう事だ?
ギャラリーまで俺の素性を知ってるっぽい。
「ストーップ! そこまでよ」
「・・・・・・!?」
「誰だ? あんた?」
そこで制止が入った。
百子さんの声だ。
「そこの次郎くんの身内の者よ。今日は付き添いで来たわ」
カツカツとハイヒールの音を立てながら歩いてくる。
「円戸《まると》隆二くん。今は君も一般で問題を起こすのはまずいんじゃない?」
「はあ? 関係ねえよ」
今度は百子さんともめ始めた。
止めるべきか。
「マルトくん、やべえって。この女、確かこの学園のVIPだぜ」
「なに?」
マルトの取り巻きらしき男の一人が語りだした。
「あら、そっちの君は私の事を知ってるの?」
「あんたさ、ライフテールロジティクスの社長だろ? 就職先の一つに検討してたから、サイトの写真見たことある」
「そうよ」
「なに?」
「マジかよ? 命尾グループ傘下の会社社長・・・・・・命尾百子?」
「や、やばっ」
ギャラリーたちも騒ぎ始める。
何人かは顔を隠して逃げた。
こいつらの価値観で、このケンカ見物は大人にバレるとまずいのか。
「命尾百子ォ? 確か会長の弟の孫娘で総帥の従兄弟の子で・・・・・・そんな感じの奴だっけ?」
マルトは構えを解いて語る。
「やっぱりかよ」
ギャラリーの何人かは未だに残ってる。
「そうだけど。今は私は鏡宮百子ね。そこの次郎くんの兄と結婚したの」
「・・・・・・!?」
その発言に、ギャラリーや取り巻きはさらに驚く。
しかしマルトはさほどリアクションがない。
「で? だからなに? チクって退学にでもするか?」
「あら、そんなことする気はないわ」
「・・・・・・」
「あなた。次郎くんの実力に興味があってちょっかいかけたんでしょ?」
「まあな」
そういうことか。
さっきギャラリーの一人がマルトが一般人に因縁付けるのが珍しいって言ってたし。
「なら、続きはエーテルランドストーリーで。それでいいでしょ?」
「・・・・・・ふん」
マルトは完全に構えを解いた。
百子さんの説得に応じたか。
そのままこちらに背を向ける。
「そうするとするか。行くぞ、お前ら」
「はいはい」
立ち去ってくれるようだ。
良かった。
と、思ったら。
「シュトー!」
振り返って今度は別の名前で俺を呼んできた。
中2病?
「お前のエーテルランドのハンドルネーム、シュトー。これにちなんだんだろ?」
「え?」
マルトはこちらを振り返り、手刀のポーズを取る。
え? 違うけど。
「素手にこだわりがあるのかもしれないがな。このままだと、お前ゲーム内で雑魚だぜ」
「どういうこと?」
「俺は命尾流剣術の免許皆伝だ。お前やマリモより頭1つ抜けてるんだぜ」
「・・・・・・マジ?」
「マジ。本来命尾流古武術の護身術は・・・・・・素手じゃないだろ」
そこまで言うと、マルトは再びヒラヒラと手を振りながら背を向けた。
「8月半ばのイベント。このままじゃ俺たちチームが無双でつまんねえからな。少しは楽しませてくれよ」
「てかお前。俺の事ほとんど知ってるんじゃねえか」
「はっ、じゃあな」
そのままマルトは取り巻きと一緒に行ってしまった。
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