君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友のラブラブな日常- 1.5

mii

文字の大きさ
15 / 26
文化祭

9.帰りたくない

しおりを挟む
放課後。 部活も終わって部室で着替えてるとき。

オレより先に着替え終わったあきらは、カバンを持ってロッカーを閉めた。


「・・・・レイキ。 オレ、ちょっと用事があるから、今日は先帰っててくんねー?」


え。

・・・・帰りに、聞いてみようと思ってたんだけど・・・・


「・・・用事って?」

思わず、探るようにあきらを見てしまう。

「先生と話があるんだ」


・・・・・進路の、ことかな。


「・・・・・そ、か。 うん、わかった」

「ん。 じゃあな。 お疲れ様ー」

「おう、お疲れー」

「お疲れ様ですっ」


あきらが部室を出て行って。 オレも着替え終わったけど、なんか、帰る気になれなくて。

オレはベンチに座って、みんなと話をしていた。


そのうち、だんだんみんな帰って行って。

残ってるのは、オレと亮介と修吾だけになった。


「・・・・レイキ、帰んねーの?」

修吾がオレに聞いてくる。


「んー・・・・ もう少し、いる」

あきらは先に帰ってろって言ったし、待ってるなんて言ってないから、ここに居たってあきらは戻ってこないけど。

なんかまだ、帰りたくなくて。


「でも、もう鍵閉めるぞ」

亮介がオレたちに出るように促す。

・・・・オレが居たら、鍵、閉められないもんな・・・・・

「亮介。 鍵、貸して。 閉めとくからさ」

「・・・・わかった」

亮介から鍵を受け取る。

「・・・・じゃあ、先帰るな・・・ って、修吾は帰らねーのか?」


修吾はオレの隣に腰を下ろした。

「オレももう少し、いる。 じゃあな、亮介」


え、修吾も居るつもりなのか?

「修吾っ・・・ もう、帰れよ」

「いいだろ、別に」

修吾はオレに向かって唇を尖らせたあと、亮介には笑って手を振った。

「わかった。 じゃあ、鍵頼むな」

亮介はオレたちを残して帰ってった。



「修吾、なんで帰らねーんだよ」

「んー? レイキが心配だったから」

「心配って、別に」


修吾は言葉通り、少し心配そうな瞳でオレを見る。


「・・・あきらは、先に帰れって言ってただろ。 部室で待ってるって、ちゃんと連絡してんのか?」


「べっ、つに、待ってるわけじゃ、ないから」


修吾は軽くため息をついて、スマホを取り出した。

そのまま黙ってスマホをいじる。

何も言えなくてオレも黙ったまま。


「・・・・よしっ」

メッセージを送信し終わったのか、修吾はスマホをしまった。


「・・・・レイキ」


修吾の視線がオレに向いて、少し、どきっとしてしまう。




修吾とはもう普通に友達としてやっていけてるけど。


部室でこんな風に2人きりになるなんて、よく考えたら、あの時、以来で。


オレは思わず、修吾から離れるようにベンチの端に寄った。




修吾はふって苦笑した。

「・・・・んな警戒すんなって」

「あ・・・・ ご、ごめん」

「・・・・・謝んなくていい。 ・・・・レイキがそう思うのって、オレのせいだし。
・・・・・でも、ホントそんなつもりじゃなくて。 ただ、心配だったからさ」


修吾もオレから離れるように、ベンチの反対側の端に体を寄せた。


修吾が気を使ってくれてるのが分かって、オレは力の入ってしまっていた肩を少しおろした。



「・・・・そういえば、レイキのクラスってカフェやるんだってな」

「え? あ、ああ・・・」

急に文化祭のことを振られて少し驚いたけど、話題が違うことになってホッとした。

「修吾のクラスは?」

「ホラーハウス」

修吾が言いながらニッて笑う。

「オレ、ゾンビ役するんだ。 来てくれよな」

「え、修吾ゾンビすんのか?」

「そ。 イケメンゾンビ」

修吾の言葉に、思わず笑ってしまう。

「自分で言うなって。 っていうか、ゾンビにイケメンもなにもねーだろ」

「そ? かわいいコが来たら、声かけよっかなーって思って」

「・・・ゾンビに声かけられたら、絶対逃げるだろ」

「わかんねーぜ? ありえない状況に、逆にときめくかも」


いたずらっ子みたいな表情で言う修吾。


・・・・改めて見ると、修吾ってホントにイケメンだよなー・・・・


「レイキは? 何すんの?」

「あー・・・ オレのクラス、執事とメイドカフェなんだ。 その、・・・執事役」

「執事? レイキが?」

修吾は目を少し大きくして、驚いた表情をした。


・・・やっぱなー・・・ みんな、似合わねーって思ってるよなぁ・・・・・


「もー、似合わねーのは分かってんだって。 ちょっと事情があって、やんなきゃいけなくなったんだ」

「いや・・・ でも、かわいい感じの執事ってのも、なかなかいいんじゃねー?
あ、むしろ、メイドの方がいいかもな!」

「はあ?」

「メイドってさ、フリフリのエプロンとかするんだろ? レイキ、似合いそー」

「なに言ってんだよ。 ありえねー」


修吾とそんな話をしてると、人の足音が近づいてきた。

足早なその音は、どんどん近づいてきて。



・・・・バンッ!



勢いよく開いた部室のドアを驚いて振り返ると、あきらが立ってた。



「あき、ら?」


戻ってくるなんて思ってなかったから、驚いてしまう。



走って来たのか、あきらは息を乱したままオレに近づいてきて、腕を掴んだ。


ちらって、修吾を見る。

・・・少し、鋭い視線。



その視線を受け止めて、修吾は少し口角を持ち上げた。


「じゃーオレ、帰ろっかなぁ」

そう言って、立ち上がる。


「え、帰るの、か?」

「ああ。 あきら来たし。 じゃな」

修吾はひらひらと手を振って、ドアに向かう。


「修吾。 ・・・LINE、ありがとな」

あきらが声をかけると、修吾は一瞬振り返って笑う。

そのまま、部室を出て行った。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

イケメン大学生にナンパされているようですが、どうやらただのナンパ男ではないようです

市川
BL
会社帰り、突然声をかけてきたイケメン大学生。断ろうにもうまくいかず……

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...