君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友のラブラブな日常- 1.5

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文化祭

13.なんでこんな格好に

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文化祭最終日。

昨日以上に繁盛してるカフェで、みんな忙しく働いていた。



・・・・昨日は、カフェの仕事や交流試合と、疲れたのもあって、真っ直ぐ家に帰った。

帰る時まで、あきらはいろんな女のコに捕まっていて、全然話も出来なかったし、あきらを置いて、オレは先に帰ったんだ。


夜にあきらから電話がかかって来てたけど、オレはその時ちょうど風呂に入ってて。

・・・・なんだか話をする気になれなくて、メッセージだけ送って、電話はかけなおさなかった。



そして、今日もあきらは女のコに囲まれている。

うちの生徒のコだけじゃなく、外から遊びに来てる女のコたちにも。



あきらからは、シフトが入ってない時間に一緒にまわろうってメッセージが来てたけど、実際、無理だろ。

あんなに女のコに囲まれてたらさ。



休憩の時間になって、オレは店の裏に戻ってきた。

「休憩行ってくるなー」

・・・・あきらとはまわれないしなー・・・・

亮介や修吾も無理だろうし。

どうしよっかなー。

考えながら、執事の衣装を脱ごうと、更衣スペースに入ろうとすると。


「あ、坂本くん!」

クラスの女子に呼び止められる。

「ねえ、悪いんだけど、もう少し、お店に出てくれない?」

「え、なんで?」

「メイド役のコが、一人体調悪くなっちゃって、出れなそうなの。 それに、めぐみがちょっと・・・・」

「高野が、どうかしたのか?」


・・・・なんか、イヤな、予感。


「・・・・うん。 ちょっと、シフトずらしてほしいって頼まれちゃってて。 それで、今の時間帯、メイドが足りないうえに、体調不良のコがいて・・・・・」


・・・・今の時間、あきらも、シフトが入ってない。


「・・・・高野、なんでシフトずらしてって言ってたんだ?」

答えは予想できるけど・・・ 一応、聞いてみる。

「・・・たぶん、あきらくんと一緒に居たいんじゃないかなあ。 人手が足りなくなったから、戻ってほしいって言おうと思って連絡してるんだけど、繋がらなくて」

結果、予想通りの答えが返ってきた。


・・・・・あきらと、高野、一緒に居るんだ・・・・・・


落ち込むオレをよそに、クラスの女子は話を進める。


「それでね、メイドが足りないから、メイド役で出て欲しいんだー♡」


・・・・どうせ、あきらと一緒にまわるとか、無理だろうし・・・・・

まあ、いっか・・・・・


オレは、考えに耽っていて、話を聞いていなかった。


「・・・・わかった。 出るよ」

話をちゃんと聞かないまま、「どうせあきらとは回れないし、困ってるんなら協力するか」って考えてうなずいた。


「ほんとー!? ありがとう!! 助かるー!!
じゃあ、これ着てね♡」


差し出されたのは、メイド服。


「・・・・は?」


「だから、これに着替えて♡」


「いやいや。 この格好でいいだろ」

まだ執事の衣装、脱いでないし。


「だって、足りないのはメイドなの♡」


「・・・・・・いやいやいやいや。 無理だって!!
ていうか、お前が着ればいーじゃん! オレがキッチンやるし!」

オレに頼んできてるのは、キッチン担当の女子。 

オレがキッチンに入って、このコがメイドになればいい。


「せっかくだったら、坂本くんのメイド姿見たいなーって思って♡ 絶対かわいいし!」

「いやいやいや。 まじで意味わかんねーから!」


混乱状態で、「いやいや」を連発するオレ。

いつの間にか、他のクラスメイトが何人かオレたちを囲んでた。


・・・・その中に、委員長も居た。

委員長は腕を組み、冷ややかな目でオレを見る。


「坂本。 みんなのためだ。 やれ」


・・・・・うそだろー!?




みんなに頼まれて、委員長に抑えつけられて、オレは無理矢理メイド服に着替えされられてしまった。


ウイッグもつけられて、軽く化粧もされて。



・・・・・・っていうか、絶対みんなでハメやがったな・・・・・・・・!!




「やだー! 坂本くん、かわいいー♡」

「絶対似合うと思ってた!」

「・・・ああ、いいんじゃないか」

女子たちが絶賛する中、委員長も満足そうだ。


「よくねーよ! こんな格好で人前に出れるか!!」

「坂本くん、ダメだよー。 もっとおしとやかにして♡」

「ほら、言ってみて。 『お帰りなさいませ。 ご主人様♡』って♡」

「無理だって!」

「大丈夫! かわいいから! レイキちゃん♡」


レ、レイキちゃん、って・・・・・


「ほら、レイキちゃん、見てみて」


鏡を渡されて見てみると、そこにはオレの知らないオレが映っていた。


髪も長くて、つけまつげやら、チークやら、リップやらつけられて、・・・・・パッと見、女のコに、見える。

・・・・オレだって、分かんねー・・・・・


「ね? かわいいでしょ?」


・・・・・確かに、かわいい、かも・・・・


「いや、でもさ、ばれたらオレ、変態扱いだろ」

「大丈夫。 笑いが取れるだけだって」


・・・・笑いって・・・・・ 別に、欲しくねーけど・・・・・


「よし! じゃあ、お店の方に行ってね!」


「うわっ!」


どんって背中を押されて、オレはフロアーに出てしまった。



カフェは相変わらず盛況で、満席だった。

廊下を見ると、待っている客もたくさんいる。


「レイキちゃん、コレ、5番にお願いねー」

そう言って、キッチンからコーヒーを2つ渡された。


・・・・・まじかよ・・・・・・


もう、やるしかねーよな・・・・・



オレは恐る恐るテーブルに近づく。


・・・・・いくら笑いが取れるって言ったって、ばれたら絶対引かれるよな・・・・・・

ココは、なりきった方がいいのか・・・・・



にっこりと笑顔を浮かべると、


「お待たせしました。 ご主人様♡」


・・・・少し高めの声を出して、語尾にハートマークもつけてみた。



2人の客が、オレをじっと見ているのを感じながら、オレはコーヒーをテーブルに置いた。


・・・・手が、震える。



「・・・・ごゆっくりー♡」


もう一度にっこりと笑いかけて、席を離れる。



・・・・・・ばれなかったみたいだな・・・・・・


「レイキちゃん、いい!」

キッチンの女子たちが、オレを見て嬉しそうに笑う。


「・・・・・とりあえず、ばれなかったみたいだな・・・・・」

オレはすでにぐったりしていた。


「大丈夫大丈夫!」

「はい!次これね」

すぐに次のオーダーを持っていくよう渡される。



忙しく店内を動き回って、それでも特に男だってばれてる様子もなく、とりあえず安心してたんだけど。



「ごゆっくり♡」

にっこり笑って下がろうとすると、


「あ、ねえ」

客の一人に呼び止められた。


うちの生徒ではない、外から来た3人組の男の中の一人。


「はい、なんでしょう、ご主人様」


・・・・やば、オーダー、間違ったっけ・・・・・

それとも、バレた・・・・・?


内心ドキドキしていると、オレに声をかけた男は、とんでもないことを言ってきた。



「さっきから見てたんだけどさ、君、すごいかわいいね。 良かったらさ、LINE教えてくれない?」



・・・・・・・・・・・・・・は・・・・・・・?


・・・・・これは・・・・俗にいう、ナンパってやつか・・・・・? そうなのか・・・・!?

オレは今、男にナンパされてるのか・・・・・!!??



あまりのことに、笑顔のまま固まってしまってるオレを見て、男は少し笑った。


「ゴメンね。 急に聞いてびっくりしたかな。
シフト、何時までなの? 良かったら、終わった後一緒に回ったりとか、どうかな?」


ど・・・・どうしよう・・・・・


でも、男ですとか言うわけにいかないし・・・ っていうか、言いたくねーし・・・・



オレはトーンの高い声を保ったまま、

「・・・・ごめんなさいっ!」

ぺこりと頭を下げて、そのままそのテーブルを離れた。




・・・・・び、びっくりした・・・・・・・

男に声かけられるなんて思わなかった・・・・・・・


でも、男だって全然ばれてないってことだよな・・・・・

それは、良かったって思うけど。



それからも、オレは何人かの客に声をかけられた。


・・・・・執事の時は、女のコに声かけられるなんて全然なかったのに、なんか複雑な気分だな・・・・・



また、同じように声をかけられて。

「ごめんなさい」

そう言って、テーブルを離れようとしたんだけど。

「待って。 じゃあ、写真だけでも一緒に撮らせてよ」

そいつは食い下がってきた。


写真って・・・・・ こんな姿他人に撮られるなんて、絶対嫌だ。


「ごめんなさい」

断るけど、


「お願い」

立ち上がって、手首を、掴まれた。


触られたら、ヤバいだろ・・・・・

絶対、男だって、ばれる・・・・・!


ぐいって引っ張られて、そいつとの距離が近くなる。


「ご主人様の言いつけだよ? いいでしょ?」



やだって・・・・!


振り払おうとするけど、結構強い力で掴まれてて。


女のフリをしているから、バレたくなくて、オレも本気で振り払うことが出来なくて。




「ご主人様。 お話なら、私がお聞きいたします」


そういって、相手の男の腕を掴んだのは、


執事の姿をした、あきら、だった。



相手の男は、あきらのことを軽く睨んでから、あきらめたように席に座った。



「・・・・失礼します」


あきらは一礼すると、オレの腕を掴んで引っ張った。




そのまま、店の裏に入ってく。


裏には、戻ってきてメイドの衣装に着替えたらしい高野がいた。


「あきらくん?」

「オレとレイキ、ちょっと抜けるから。 他の奴に言っといて」

「え、ちょっと、あきらくん!」


高野があきらを呼び止めるけど、あきらは足を止めずに、そのまま教室を出た。



あきらはオレの腕を掴んだまま、無言でずんずん廊下を歩いていく。


オレはどうすることも出来なくて、あきらに引っ張られるままについていく。



執事とメイドの姿のオレたちはどうしても目立って。


「見て、あの人! カッコいいー♡」

あきらを見て、キャーキャー言う声と。


「あのコ、かわいいー♡」

「背、高いね! モデルみたい!」

・・・・どうやら、オレに向けて言ってる声が、聞こえてきた。


「つき合ってるのかな?」

「お似合いだよね♡」

・・・・つき合ってる・・・・・ みたいに、見えるの・・・・・かな・・・・・・


「あ、あきら・・・ どこ、いくんだよ・・・?」

手を引かれながらあきらに聞くけど、あきらはオレを振り返ることはなくてやっぱり無言のまま。

結局オレもそのまま黙ってあきらについていった。


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