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クリスマス
2.ケーキを食べたい
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着替え終わって学校から出ると、もう夕方。
「暗くなるまでもう少しあるな・・・ どうする?」
今日は、部活帰りにイルミネーションを見に行こうって話してた。
いかにも恋人同士のデートって感じだから、行ってみたいなって思ったんだ。
今までは友達とわいわいやる感じだったから、クリスマスだからってイルミネーション見に行ったことなんてなかったし。
・・・もちろん、あきらは今までも女のコと見に行ったことはあるんだろうけど。
「ケーキ、食べたい」
「家に帰ったら、あるんじゃねーの?」
うん、確かに、家に帰ったらケーキはある。
さっき片山に話したように、今年は有名な店のケーキをお取り寄せしたって、母さんがはしゃいでたから。
でも
「あきらと・・・食べたい」
少し恥ずかしくて、オレはうつむきかげんで言った。
あきらは甘いもの好きじゃないし、イヤ・・・かな
少し不安に思ってると、
「いいよ。 行こう」
優しいあきらの声がして。
見上げると、あきらは微笑んでオレを見ていた。
「あきら、別にケーキとか好きじゃねーよな。 やじゃないのか・・・?」
「レイキとなら、オレも食べたいから」
やばい・・・・・ すっげえ、嬉しい。
思わず、口元が緩んでしまう。
「じゃあ、行こ!」
さすがクリスマスイブ。
どこもかしこも人がたくさん。
「ここも満席かー・・・」
ケーキの食べられるカフェは、クリスマスでたくさんの人が訪れていて、どこも満席だった。
部活終わって疲れてるのに、あきらを歩き回らせて申し訳ないな・・・
「あきら、ごめんな。 疲れただろ?」
「いや、大丈夫だよ。 レイキこそ、ケーキにありつけなくて、がっかりしてねー?」
あきらがオレを気にかけてくれる。
オレは首を振った。
ケーキが食べたいっていうか・・・ 「あきらと」ケーキを食べる思い出が欲しいなって、思っただけだから・・・
どうしようかなって周りを見渡すと、コンビニが目に入った。
「・・・あきら。 コンビニでケーキ、買お」
「コンビニ? そんなんでいいのかよ」
「うん。 コンビニスイーツって、結構おいしいんだぜ? それに・・・」
「ん?」
オレは少しうつむいて。
「・・・『あきらと』食べられるなら、どんなケーキでも、いい」
あきらは手を伸ばして、そっとオレの頬に触れた。
「そんなかわいいこと言われたら、キスしたくなる」
その言葉にあきらを見上げると、すごくキレイなカオが至近距離で。
どきっ
一瞬で、スイッチが入ってしまったみたいに、カオが熱くなる。
そんなオレを見てあきらは微笑むと、
「じゃあ、買いに行こ」
オレの腕をつかんで、コンビニに向かいだした。
あきらに手を引かれながら、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
・・・・もうつき合いだしてしばらく経つのに、まだこんなにすぐ、あきらにどきどきしちゃうんだな・・・
コンビニのケーキも、売れ行きは良いようで、オレたちはなんとか、ケーキを買うことができた。
オレはイチゴのショートケーキ、あきらはチーズケーキだ。
あたりはずいぶん薄暗くなってきた。
「公園で食おうぜ」
通りから繋がって、公園にもイルミネーションがあるし、そこから見たらきれいだろうなって思うから。
「ああ。 そうしよ」
あきらと一緒に、空いていたベンチを見つけて腰掛ける。
膝の上で、さっき買ってきたケーキを開けた。
「いただきまーすっ」
早速、食べる。
「うまーいっ♡」
やっとありつけたケーキは、格別においしく感じた。
あきらもケーキを一口食べた。
「・・・うん、うまいな」
少し口角を持ち上げる。
・・・よかった。
思わずじっと見つめてると、あきらがこっちを見て、目が合った。
「レイキ、これも食ってみる?」
あきらが自分のチーズケーキを指す。
「うん、ちょーだい」
あきらは自分のフォークにチーズケーキを一口分乗せると、
「はい」
笑顔でオレに差し出してきた。
・・・あたりは薄暗くなってるとはいえ、人がたくさんいる。
さすがに・・・・恥ずかしい・・・・
でも・・・・
みんな恋人や友達と楽しそうにしていて、オレたちのことなんて、見ていない。
オレは口を開けて、あきらにケーキを食べさせてもらった。
「おいしい?」
「うん、おいしい」
ちょっと恥ずかしいけど、口角を持ち上げてるあきらを見たら、なんかうれしい。
「あきらも、はい」
オレも自分のフォークにケーキを乗せて、あきらに差し出した。
「ん」
あきらがパクって、オレのフォークからケーキを食べる。
・・・食べるっていう仕草が、なんか妙にエロい気がして。
見てて、どきどき、してしまう。
「レイキのケーキも、うまいな」
そう言って微笑むあきらを直視出来なくて、オレは目を逸らしてしまった。
「う、ん、よかった」
なんか落ち着かなくて、ケーキをぱくぱく食べる。
「あれっ、あきらくーん?」
「レイキくんもだー」
急に声をかけられてカオを上げると、同じ学校の女のコたちだった。
オレたちを見つけて、こっちに向かってくる。
「2人なのー?」
同級生の女のコたち、4人に囲まれた。
せっかく2人だったのにな・・・って思うけど、イルミネーションを見に来る人は多いし、知り合いに会うかもとは思ってたから、仕方ないか・・・
「みんな、イルミネーション見に来たのか?」
「うん!」
「相手がいない、さみしー私たち、なぐさめて~」
そう言って、あきらの横にくっついて座るコ。
自然と、腕も絡ませてる。
きゅっ、て、胸が締め付けられる。
「オレはさみしくない。デートだから」
あきらは少し不機嫌そうに、女のコの腕を解く。
「そうだよねー。 あきらくんはデートだよね」
「彼女はまだなの?」
「もうすぐ来る? 見たーい♡」
女のコたちは、あきらの彼女を見ようとはしゃぎだす。
「レイキくんは? もしかして、レイキくんも彼女待ち!?」
目を輝かせて聞かれて、慌てて首を振る。
「いや、オレは違う」
「なーんだ。 じゃあ、あきらくんの時間潰しにつき合ってるとか?」
・・・なんか、胸が、苦しくなってきた。
オレ、が、あきらのデートの相手、なのに。
「ああ・・・そう、だよ」
思わず、うつむいてしまう。
1人の女のコが、オレの隣に座って、腕を組んできた。
「じゃあさ、あきらくんの彼女見たら、そのあと私たちと遊ぼー?」
「え、オレ?」
「うん。 さみしー者同士、一緒に楽しもーよ?」
オレを見て、ニコって笑う。
「レイキ」
あきらがオレの膝の上の食べかけのケーキを片付ける。
そしてオレの腕をつかんで立ち上がった。
「行こ」
「え、ちょ」
驚きながらも、オレも立ち上がる。
「えーっ? あきらくん、待ち合わせなんでしょ?」
「彼女見たーいっ」
「オレたち、行くから」
ぶーぶー言ってる女のコたちを置いて、あきらはオレの腕をつかんだまま歩き出す。
オレは女のコたちに軽く手を振った。
「暗くなるまでもう少しあるな・・・ どうする?」
今日は、部活帰りにイルミネーションを見に行こうって話してた。
いかにも恋人同士のデートって感じだから、行ってみたいなって思ったんだ。
今までは友達とわいわいやる感じだったから、クリスマスだからってイルミネーション見に行ったことなんてなかったし。
・・・もちろん、あきらは今までも女のコと見に行ったことはあるんだろうけど。
「ケーキ、食べたい」
「家に帰ったら、あるんじゃねーの?」
うん、確かに、家に帰ったらケーキはある。
さっき片山に話したように、今年は有名な店のケーキをお取り寄せしたって、母さんがはしゃいでたから。
でも
「あきらと・・・食べたい」
少し恥ずかしくて、オレはうつむきかげんで言った。
あきらは甘いもの好きじゃないし、イヤ・・・かな
少し不安に思ってると、
「いいよ。 行こう」
優しいあきらの声がして。
見上げると、あきらは微笑んでオレを見ていた。
「あきら、別にケーキとか好きじゃねーよな。 やじゃないのか・・・?」
「レイキとなら、オレも食べたいから」
やばい・・・・・ すっげえ、嬉しい。
思わず、口元が緩んでしまう。
「じゃあ、行こ!」
さすがクリスマスイブ。
どこもかしこも人がたくさん。
「ここも満席かー・・・」
ケーキの食べられるカフェは、クリスマスでたくさんの人が訪れていて、どこも満席だった。
部活終わって疲れてるのに、あきらを歩き回らせて申し訳ないな・・・
「あきら、ごめんな。 疲れただろ?」
「いや、大丈夫だよ。 レイキこそ、ケーキにありつけなくて、がっかりしてねー?」
あきらがオレを気にかけてくれる。
オレは首を振った。
ケーキが食べたいっていうか・・・ 「あきらと」ケーキを食べる思い出が欲しいなって、思っただけだから・・・
どうしようかなって周りを見渡すと、コンビニが目に入った。
「・・・あきら。 コンビニでケーキ、買お」
「コンビニ? そんなんでいいのかよ」
「うん。 コンビニスイーツって、結構おいしいんだぜ? それに・・・」
「ん?」
オレは少しうつむいて。
「・・・『あきらと』食べられるなら、どんなケーキでも、いい」
あきらは手を伸ばして、そっとオレの頬に触れた。
「そんなかわいいこと言われたら、キスしたくなる」
その言葉にあきらを見上げると、すごくキレイなカオが至近距離で。
どきっ
一瞬で、スイッチが入ってしまったみたいに、カオが熱くなる。
そんなオレを見てあきらは微笑むと、
「じゃあ、買いに行こ」
オレの腕をつかんで、コンビニに向かいだした。
あきらに手を引かれながら、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
・・・・もうつき合いだしてしばらく経つのに、まだこんなにすぐ、あきらにどきどきしちゃうんだな・・・
コンビニのケーキも、売れ行きは良いようで、オレたちはなんとか、ケーキを買うことができた。
オレはイチゴのショートケーキ、あきらはチーズケーキだ。
あたりはずいぶん薄暗くなってきた。
「公園で食おうぜ」
通りから繋がって、公園にもイルミネーションがあるし、そこから見たらきれいだろうなって思うから。
「ああ。 そうしよ」
あきらと一緒に、空いていたベンチを見つけて腰掛ける。
膝の上で、さっき買ってきたケーキを開けた。
「いただきまーすっ」
早速、食べる。
「うまーいっ♡」
やっとありつけたケーキは、格別においしく感じた。
あきらもケーキを一口食べた。
「・・・うん、うまいな」
少し口角を持ち上げる。
・・・よかった。
思わずじっと見つめてると、あきらがこっちを見て、目が合った。
「レイキ、これも食ってみる?」
あきらが自分のチーズケーキを指す。
「うん、ちょーだい」
あきらは自分のフォークにチーズケーキを一口分乗せると、
「はい」
笑顔でオレに差し出してきた。
・・・あたりは薄暗くなってるとはいえ、人がたくさんいる。
さすがに・・・・恥ずかしい・・・・
でも・・・・
みんな恋人や友達と楽しそうにしていて、オレたちのことなんて、見ていない。
オレは口を開けて、あきらにケーキを食べさせてもらった。
「おいしい?」
「うん、おいしい」
ちょっと恥ずかしいけど、口角を持ち上げてるあきらを見たら、なんかうれしい。
「あきらも、はい」
オレも自分のフォークにケーキを乗せて、あきらに差し出した。
「ん」
あきらがパクって、オレのフォークからケーキを食べる。
・・・食べるっていう仕草が、なんか妙にエロい気がして。
見てて、どきどき、してしまう。
「レイキのケーキも、うまいな」
そう言って微笑むあきらを直視出来なくて、オレは目を逸らしてしまった。
「う、ん、よかった」
なんか落ち着かなくて、ケーキをぱくぱく食べる。
「あれっ、あきらくーん?」
「レイキくんもだー」
急に声をかけられてカオを上げると、同じ学校の女のコたちだった。
オレたちを見つけて、こっちに向かってくる。
「2人なのー?」
同級生の女のコたち、4人に囲まれた。
せっかく2人だったのにな・・・って思うけど、イルミネーションを見に来る人は多いし、知り合いに会うかもとは思ってたから、仕方ないか・・・
「みんな、イルミネーション見に来たのか?」
「うん!」
「相手がいない、さみしー私たち、なぐさめて~」
そう言って、あきらの横にくっついて座るコ。
自然と、腕も絡ませてる。
きゅっ、て、胸が締め付けられる。
「オレはさみしくない。デートだから」
あきらは少し不機嫌そうに、女のコの腕を解く。
「そうだよねー。 あきらくんはデートだよね」
「彼女はまだなの?」
「もうすぐ来る? 見たーい♡」
女のコたちは、あきらの彼女を見ようとはしゃぎだす。
「レイキくんは? もしかして、レイキくんも彼女待ち!?」
目を輝かせて聞かれて、慌てて首を振る。
「いや、オレは違う」
「なーんだ。 じゃあ、あきらくんの時間潰しにつき合ってるとか?」
・・・なんか、胸が、苦しくなってきた。
オレ、が、あきらのデートの相手、なのに。
「ああ・・・そう、だよ」
思わず、うつむいてしまう。
1人の女のコが、オレの隣に座って、腕を組んできた。
「じゃあさ、あきらくんの彼女見たら、そのあと私たちと遊ぼー?」
「え、オレ?」
「うん。 さみしー者同士、一緒に楽しもーよ?」
オレを見て、ニコって笑う。
「レイキ」
あきらがオレの膝の上の食べかけのケーキを片付ける。
そしてオレの腕をつかんで立ち上がった。
「行こ」
「え、ちょ」
驚きながらも、オレも立ち上がる。
「えーっ? あきらくん、待ち合わせなんでしょ?」
「彼女見たーいっ」
「オレたち、行くから」
ぶーぶー言ってる女のコたちを置いて、あきらはオレの腕をつかんだまま歩き出す。
オレは女のコたちに軽く手を振った。
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