【R18】僕だけの大切な弟。誰にもわたすつもりはない。〜DomSubユニバース〜

黒夜須(くろやす)

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第一話 兄弟①

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遥(はるか)はマンションの一室で落ち着きなく歩き回っていた。何度も時計の針を確認してはため息をついた。
「……兄」
小さくつぶやくと玄関に向かい動かないノブをじっと見た。ため息をつきまた時計を見たが先ほどから針がほとんど動いていない。
またため息をついた時ノブが動き、扉が開いた。遥は目を大きくして入ってきた人物に飛びついた。
「遥」
遥よりも頭一つ以上小さい兄、遥斗(はると)は驚いてよろけそうになった。遥は慌てて彼が倒れてないように抱きしめた。
その光景はまるで大型犬が飼い主にじゃれているようであった。
遥斗はマスクを取ると、遥を見上げじっと見てからゆっくりと口を動かした。
「ただいま」
「おかえり」
遥は大きな声で答えると、遥斗を抱き上げて部屋にはいった。
遥斗は成人男性としては標準的な身長であるがそれを遥は軽々と持ち上げる。遥のやることに遥斗は抵抗せずに笑っていた。
遥斗が帰宅したことが嬉しくて部屋に入っても降ろせずにいると、遥斗は遥の顔を持ちじっと見た。
「僕、着替えたいだけど」
ゆっくりと口を開きはっきりと伝えられた。しかし、遥は眉を下げて首振った。
遥斗は困った顔して、遥の手に触れると彼は手のひらに口をつけた。それに遥はビクリと体を動かして顔を赤らめた。
『Stay(まて)』
その言葉を聞くと遥の動きは止まり、遥斗を床に降ろした。
「……」
遥斗の命令だから従ったが不本意であった。
大きな図体を小さくして落ち込んだ。
遥斗はどこか遠くへ行くとは言っていない。数歩先の部屋に行って着替えてくるだけだ。
しかし、遥は遥斗と少しでも離れると不安になった。
ずっと自分だけの兄でいればいいと思っていた。
遥斗が寝室から部屋着を持つと風呂場へ向かった。それを遥は玄関と洗面室の間にある廊下に座り込んで見ていた。洗面室の扉が閉まり遥斗の姿が見えなくなると胸が張り裂けそうになった。
遥斗の姿が見たくて洗面室の扉に手をかけたが彼の命令を思い出すと手を引いて両膝を抱えた。
しばらくして扉が開くと「えっ」と驚きを遥斗は上げた。
シャワーを浴びて出てきた遥斗は遥の姿が見て固まった。しかし、すぐに少し困った顔した彼は遥のもとへ行くと抱きしめた。そして、さっきと同じように遥の手の平に口をつけた。
『Good boy(いい子) よく待っていられたね』
「……頑張った。今日の外出にもついていかずに待っていたのに……。帰ってからも離れるなんて」
仕事だということは分かっていたが、一日一人家にいるのは胸が張り裂けそうになった。何をしていても遥斗の事ばかり考えていた。
「ごめんよ。打合せだった」
遥斗に頭をなぜられると気持ちよくなった。
「……うちですれば」
小さな声で遥が言ったが遥斗は小さく首を振った。
「家が嫌なら、俺も一緒に行くのに」
その意見にも首を振られた。
自分がいると仕事の邪魔になることは分かっていたが納得ができなかった。
「兄のSubにしてよ」
そう言うと遥斗は困ったように笑った。
いつもそう言う態度をとる。プレイはしてくれるがそれは体調管理のためでありパートナーではない。
遥は不満そうな顔をしていたが、それを横目に遥斗は台所へ行った。そこには遥が作った食事が置いてあった。
遥斗に手で合図を送られると遥はカウンターに座った。
自分の作った料理を食べている遥斗の姿を見ると、不満であった気持ちがなくなった。自分が作ったものが彼の血肉になると思うと興奮してニヤケそうになったが不審に思われないように我慢した。
食事が終わると片付けを遥斗と一緒にする。遥斗がいつも一人でやると言うのだが一緒に居たいため手伝う。
その後は一緒のベッドで寝る。このマンションに引っ越してくるときベッドを二つ買おうとした遥斗を遥は必死で止めた。「狭い」と言われたが最終的にキングサイズを購入することで決着がついた。
「兄……」
遥斗の背中にぴたりとくっつくと、彼はくるりと遥の方を向いた。そして、手を握り手の平に口をつけた。
『狭くない?』
「うー……」と唸りながら遥斗に抱き着くと足も絡めた。すると遥斗は手をはなし抱きしめ返してくれた。
この時間がとても幸せであった。
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