4 / 54
第四話 新宮ひな子①
しおりを挟む
廊下をゆっくりとあるく新宮ひな子の横を数名生徒が好奇心に満ちた顔をして走っていた。
嫌な予感がした。
校内がこんなにもざわつくことなど今までになかった。
眉を寄せながら、窓から外を見ると先ほどわかれた星姿があった。
彼は目をとして拳を握り、構えていた。
「なんで?」
彼から攻撃をすることなどありえないと思った。おそらく、対応しきれなくなったのだろう。
「神田……?」星の目の前にいるのは人物を見てひな子は眉を寄せた。
神田は何度も星に向かってコマンドを使用していた。
「アイツ何やってんのよ」
ひな子は焦り、腕時計のボタンを押すと慌てて床を蹴り階段を飛び降り中庭に向かった。
校舎を出ようとしたその時、全部に電気が走ったような痛みを感じた。
足を止め、自分の頬を思いっきり叩き気合を入れた。「Glare(グレア)か。星さん速すぎ」そう言うと再度足に力をいれて動き出した。
「こんな強いGlare(グレア)。相当お怒りだね。」ひな子の顔から血の気が引いた。「呼んだのは失敗だったかな。でもしないともっとマズいよねぇ」
ひな子は『送信済み』と表示されている腕時計を見て複雑な気持ちになった。
「とりあえず、行かなくちゃ」
中庭に着くと、ひな子は目を大きくした。
星は倒れており、彼の兄である星遥斗は周囲を睨みつけた。彼の圧によりその場にいた大勢の生徒が圧倒され膝をついていた。
「てめぇ」
神田が地面に這いつくばり自分の胸ぐらをつかむ星遥斗を睨みつけている。
「……」
彼のGlare(グレア)を受けて、睨むことができる神田に感心した。しかし、ここのままでマズイと足を動かした。
「星さん」
ひな子は大きな声を出して、星遥斗に駆け寄った。
「うん?」
星遥斗の気がそれて、神田の頭に向かった彼の拳を止めることができた。彼は目を細めひな子の額をじっと見るとため息をついて手を下した。
「新宮さん。ソイツとちょっと話すだけだから」
星遥斗は笑顔を見せたが、その顔がひな子には殺人鬼のようであった。
「目が笑ってない笑顔の貴方を信用できません」
「なんで、そんな奴をかばうんだよ。お前の胸もんだんだぜ」
苦しみながら神田言うと、星遥斗の眉がピクリと動いた。
「……胸?」そう言って星遥斗は、倒れている星を見た。
「更にアイツ、村上からラブレターを……」
「黙れ」
ひな子にGlare(グレア)をはなたれ睨みつけた神田は顔を青くして地面に顔をつけると動かなくなった。
「何か理由があるようだね」
星遥斗からの圧がなくなった事で、ひな子の気持ちも落ち着いた。
「だからと言って、同意のないコマンド使用はさぁ」
星遥斗は微笑み優しい口調であるが、彼の怒りをひな子は全身で感じていた。
「公共の場でコマンドを使用した以上、彼は罪を問われるでしょう。今教員が警察に連絡しています」
「その教員はこの状況を止めに入らないわけ?」
星遥斗がゆっくりと周囲を見回した。その冷たい笑顔に膝をついている生徒たちは真っ青な顔をして体を凍らせた。
「来ましたよ」彼女は生徒と同じように膝をついて青くなっている大人を指さした。「貴方のGlare(グレア)に圧倒されました。Sub以外の人間も圧倒でるなんてさすがランクSですね」
「君には効果ないようだけどね」
「新宮ひな子ですから」ひな子は微笑んだ。
ひな子の言葉に、星遥斗は小さくため息をつくと星のもとへ行き彼を俵のように担ぎ上げた。
「そんなデカくて、重いのをよく持ち上がりますね」
「重くないよ。本当はお暇様のように抱きたいだけど僕が非力だからね」
「……そうですか」彼女は眉を寄せて、ぐったりとしている星を見た。百九十近い意識のない男を軽々持ち合上げながら非力という彼の気持ちが分からなかった。
「今日は遥に問題があったみたいだからね。これで帰るよ」星遥斗は這いつくばっている神田をじろりと見た。彼は星遥斗を見ないようにしていた。「連絡ありがとうね」
「早かったですね」
「遥の動きがいつも違ったからね。心配で見に来たんだよ」
「おかしいって……?」
「うん?」
星遥斗は笑顔で首を傾げた。その表情を見た時、ひな子は言葉を間違えたと思った。
「この道は遥のいつもの通り道だけど、今日一か所にいる時間が長かった。誰かと話しているのかと心配で見に来たんだ。こんなことになっていて確認しにきてよかったよ」
「そうですか」
ひな子は挨拶をして、星兄弟が去るのを見送った。
彼らがいなくなってしばらくするとGlare(グレア)の効果が切れて周囲の人間が動き出した。生徒たちは我先にとその場を去る中教師は神田を取り押さえた。
さすが大人だとひな子は感心した。
「なんだんだよ」押さえつけられながら神田は怒鳴った。「俺はお前のためにアイツを注意したんだ」
「私は頼んでないよ。それにコマンドはやりすぎ」
「だって、アイツ何度読んでも返事しねぇし。そもそもコマンド聞かねぇし。アイツSubだよな。だから小学校の時襲われたんだろ。まったく、訳が分からねぇ。後から来た奴はなんだんだ」
「……星兄弟には関わらない方がいいよ」
「なんだよ。それ、お前は胸もまれて平気なのかよ」
怒鳴り散らしている所で警察が到着した。彼が、警察に連行されたので教師たちに頭を下げてその場を後にした。
星遥斗を本気で怒らせてしまったが怪我人や死人が出なくて良かったと安心した。
嫌な予感がした。
校内がこんなにもざわつくことなど今までになかった。
眉を寄せながら、窓から外を見ると先ほどわかれた星姿があった。
彼は目をとして拳を握り、構えていた。
「なんで?」
彼から攻撃をすることなどありえないと思った。おそらく、対応しきれなくなったのだろう。
「神田……?」星の目の前にいるのは人物を見てひな子は眉を寄せた。
神田は何度も星に向かってコマンドを使用していた。
「アイツ何やってんのよ」
ひな子は焦り、腕時計のボタンを押すと慌てて床を蹴り階段を飛び降り中庭に向かった。
校舎を出ようとしたその時、全部に電気が走ったような痛みを感じた。
足を止め、自分の頬を思いっきり叩き気合を入れた。「Glare(グレア)か。星さん速すぎ」そう言うと再度足に力をいれて動き出した。
「こんな強いGlare(グレア)。相当お怒りだね。」ひな子の顔から血の気が引いた。「呼んだのは失敗だったかな。でもしないともっとマズいよねぇ」
ひな子は『送信済み』と表示されている腕時計を見て複雑な気持ちになった。
「とりあえず、行かなくちゃ」
中庭に着くと、ひな子は目を大きくした。
星は倒れており、彼の兄である星遥斗は周囲を睨みつけた。彼の圧によりその場にいた大勢の生徒が圧倒され膝をついていた。
「てめぇ」
神田が地面に這いつくばり自分の胸ぐらをつかむ星遥斗を睨みつけている。
「……」
彼のGlare(グレア)を受けて、睨むことができる神田に感心した。しかし、ここのままでマズイと足を動かした。
「星さん」
ひな子は大きな声を出して、星遥斗に駆け寄った。
「うん?」
星遥斗の気がそれて、神田の頭に向かった彼の拳を止めることができた。彼は目を細めひな子の額をじっと見るとため息をついて手を下した。
「新宮さん。ソイツとちょっと話すだけだから」
星遥斗は笑顔を見せたが、その顔がひな子には殺人鬼のようであった。
「目が笑ってない笑顔の貴方を信用できません」
「なんで、そんな奴をかばうんだよ。お前の胸もんだんだぜ」
苦しみながら神田言うと、星遥斗の眉がピクリと動いた。
「……胸?」そう言って星遥斗は、倒れている星を見た。
「更にアイツ、村上からラブレターを……」
「黙れ」
ひな子にGlare(グレア)をはなたれ睨みつけた神田は顔を青くして地面に顔をつけると動かなくなった。
「何か理由があるようだね」
星遥斗からの圧がなくなった事で、ひな子の気持ちも落ち着いた。
「だからと言って、同意のないコマンド使用はさぁ」
星遥斗は微笑み優しい口調であるが、彼の怒りをひな子は全身で感じていた。
「公共の場でコマンドを使用した以上、彼は罪を問われるでしょう。今教員が警察に連絡しています」
「その教員はこの状況を止めに入らないわけ?」
星遥斗がゆっくりと周囲を見回した。その冷たい笑顔に膝をついている生徒たちは真っ青な顔をして体を凍らせた。
「来ましたよ」彼女は生徒と同じように膝をついて青くなっている大人を指さした。「貴方のGlare(グレア)に圧倒されました。Sub以外の人間も圧倒でるなんてさすがランクSですね」
「君には効果ないようだけどね」
「新宮ひな子ですから」ひな子は微笑んだ。
ひな子の言葉に、星遥斗は小さくため息をつくと星のもとへ行き彼を俵のように担ぎ上げた。
「そんなデカくて、重いのをよく持ち上がりますね」
「重くないよ。本当はお暇様のように抱きたいだけど僕が非力だからね」
「……そうですか」彼女は眉を寄せて、ぐったりとしている星を見た。百九十近い意識のない男を軽々持ち合上げながら非力という彼の気持ちが分からなかった。
「今日は遥に問題があったみたいだからね。これで帰るよ」星遥斗は這いつくばっている神田をじろりと見た。彼は星遥斗を見ないようにしていた。「連絡ありがとうね」
「早かったですね」
「遥の動きがいつも違ったからね。心配で見に来たんだよ」
「おかしいって……?」
「うん?」
星遥斗は笑顔で首を傾げた。その表情を見た時、ひな子は言葉を間違えたと思った。
「この道は遥のいつもの通り道だけど、今日一か所にいる時間が長かった。誰かと話しているのかと心配で見に来たんだ。こんなことになっていて確認しにきてよかったよ」
「そうですか」
ひな子は挨拶をして、星兄弟が去るのを見送った。
彼らがいなくなってしばらくするとGlare(グレア)の効果が切れて周囲の人間が動き出した。生徒たちは我先にとその場を去る中教師は神田を取り押さえた。
さすが大人だとひな子は感心した。
「なんだんだよ」押さえつけられながら神田は怒鳴った。「俺はお前のためにアイツを注意したんだ」
「私は頼んでないよ。それにコマンドはやりすぎ」
「だって、アイツ何度読んでも返事しねぇし。そもそもコマンド聞かねぇし。アイツSubだよな。だから小学校の時襲われたんだろ。まったく、訳が分からねぇ。後から来た奴はなんだんだ」
「……星兄弟には関わらない方がいいよ」
「なんだよ。それ、お前は胸もまれて平気なのかよ」
怒鳴り散らしている所で警察が到着した。彼が、警察に連行されたので教師たちに頭を下げてその場を後にした。
星遥斗を本気で怒らせてしまったが怪我人や死人が出なくて良かったと安心した。
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる