【R18】僕だけの大切な弟。誰にもわたすつもりはない。〜DomSubユニバース〜

黒夜須(くろやす)

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第四話 新宮ひな子①

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廊下をゆっくりとあるく新宮ひな子の横を数名生徒が好奇心に満ちた顔をして走っていた。
嫌な予感がした。
校内がこんなにもざわつくことなど今までになかった。
眉を寄せながら、窓から外を見ると先ほどわかれた星姿があった。
彼は目をとして拳を握り、構えていた。
「なんで?」
彼から攻撃をすることなどありえないと思った。おそらく、対応しきれなくなったのだろう。
「神田……?」星の目の前にいるのは人物を見てひな子は眉を寄せた。
神田は何度も星に向かってコマンドを使用していた。
「アイツ何やってんのよ」
ひな子は焦り、腕時計のボタンを押すと慌てて床を蹴り階段を飛び降り中庭に向かった。
校舎を出ようとしたその時、全部に電気が走ったような痛みを感じた。
足を止め、自分の頬を思いっきり叩き気合を入れた。「Glare(グレア)か。星さん速すぎ」そう言うと再度足に力をいれて動き出した。
「こんな強いGlare(グレア)。相当お怒りだね。」ひな子の顔から血の気が引いた。「呼んだのは失敗だったかな。でもしないともっとマズいよねぇ」
ひな子は『送信済み』と表示されている腕時計を見て複雑な気持ちになった。
「とりあえず、行かなくちゃ」
中庭に着くと、ひな子は目を大きくした。
星は倒れており、彼の兄である星遥斗は周囲を睨みつけた。彼の圧によりその場にいた大勢の生徒が圧倒され膝をついていた。
「てめぇ」
神田が地面に這いつくばり自分の胸ぐらをつかむ星遥斗を睨みつけている。
「……」
彼のGlare(グレア)を受けて、睨むことができる神田に感心した。しかし、ここのままでマズイと足を動かした。
「星さん」
ひな子は大きな声を出して、星遥斗に駆け寄った。
「うん?」
星遥斗の気がそれて、神田の頭に向かった彼の拳を止めることができた。彼は目を細めひな子の額をじっと見るとため息をついて手を下した。
「新宮さん。ソイツとちょっと話すだけだから」
星遥斗は笑顔を見せたが、その顔がひな子には殺人鬼のようであった。
「目が笑ってない笑顔の貴方を信用できません」
「なんで、そんな奴をかばうんだよ。お前の胸もんだんだぜ」
苦しみながら神田言うと、星遥斗の眉がピクリと動いた。
「……胸?」そう言って星遥斗は、倒れている星を見た。
「更にアイツ、村上からラブレターを……」
「黙れ」
ひな子にGlare(グレア)をはなたれ睨みつけた神田は顔を青くして地面に顔をつけると動かなくなった。
「何か理由があるようだね」
星遥斗からの圧がなくなった事で、ひな子の気持ちも落ち着いた。
「だからと言って、同意のないコマンド使用はさぁ」
星遥斗は微笑み優しい口調であるが、彼の怒りをひな子は全身で感じていた。
「公共の場でコマンドを使用した以上、彼は罪を問われるでしょう。今教員が警察に連絡しています」
「その教員はこの状況を止めに入らないわけ?」
星遥斗がゆっくりと周囲を見回した。その冷たい笑顔に膝をついている生徒たちは真っ青な顔をして体を凍らせた。
「来ましたよ」彼女は生徒と同じように膝をついて青くなっている大人を指さした。「貴方のGlare(グレア)に圧倒されました。Sub以外の人間も圧倒でるなんてさすがランクSですね」
「君には効果ないようだけどね」
「新宮ひな子ですから」ひな子は微笑んだ。
ひな子の言葉に、星遥斗は小さくため息をつくと星のもとへ行き彼を俵のように担ぎ上げた。
「そんなデカくて、重いのをよく持ち上がりますね」
「重くないよ。本当はお暇様のように抱きたいだけど僕が非力だからね」
「……そうですか」彼女は眉を寄せて、ぐったりとしている星を見た。百九十近い意識のない男を軽々持ち合上げながら非力という彼の気持ちが分からなかった。
「今日は遥に問題があったみたいだからね。これで帰るよ」星遥斗は這いつくばっている神田をじろりと見た。彼は星遥斗を見ないようにしていた。「連絡ありがとうね」
「早かったですね」
「遥の動きがいつも違ったからね。心配で見に来たんだよ」
「おかしいって……?」
「うん?」
星遥斗は笑顔で首を傾げた。その表情を見た時、ひな子は言葉を間違えたと思った。
「この道は遥のいつもの通り道だけど、今日一か所にいる時間が長かった。誰かと話しているのかと心配で見に来たんだ。こんなことになっていて確認しにきてよかったよ」
「そうですか」
ひな子は挨拶をして、星兄弟が去るのを見送った。
彼らがいなくなってしばらくするとGlare(グレア)の効果が切れて周囲の人間が動き出した。生徒たちは我先にとその場を去る中教師は神田を取り押さえた。
さすが大人だとひな子は感心した。
「なんだんだよ」押さえつけられながら神田は怒鳴った。「俺はお前のためにアイツを注意したんだ」
「私は頼んでないよ。それにコマンドはやりすぎ」
「だって、アイツ何度読んでも返事しねぇし。そもそもコマンド聞かねぇし。アイツSubだよな。だから小学校の時襲われたんだろ。まったく、訳が分からねぇ。後から来た奴はなんだんだ」
「……星兄弟には関わらない方がいいよ」
「なんだよ。それ、お前は胸もまれて平気なのかよ」
怒鳴り散らしている所で警察が到着した。彼が、警察に連行されたので教師たちに頭を下げてその場を後にした。
星遥斗を本気で怒らせてしまったが怪我人や死人が出なくて良かったと安心した。
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