6 / 54
第五話 新宮ひな子③
しおりを挟む
「星」
いつもの様に、星と下校しようとすると、彼は女子に囲まれていた。よくある事だが、彼が嫌がらずにその中心にいることが珍しかった。
「新宮」
星は振り返る満面の笑みを見せた。そして、女子に「新宮が来たから」と言い立ち上がろうとすると横にいた女子に止められたいた。
「新宮さんと付き合っていないんだよね? なんでいつも一緒に帰るの?」不満そうに言った。
「好きだから」
星がキッパリと言った。その言葉に女子は目を細めてひな子の方を見た。視線が痛いがいつもの事だ。
「えぇ、どこが? 新宮さんっていつも授業中寝てるし宿題しないし」
「うんうん、まぁ足は速いし運動できるし顔も可愛いけど……。ねぇ」
そう言いながら、女子の一人がネットリとした嫌な目でひな子を見た。
「うぜぇ」と言ってひな子が睨みつけると女子全員がビクっと身体を動かして顔を青くした。
「顔」星は下を向く女子に微笑んだ。「俺、面食いだから」
星が立ち上がると女子はもう何も言わなくなった。こんなやり取りは今日が初めてではないが放課後は珍しい。
ひな子が長く一つに束ねた髪を無造作にかき揚げなら彼女たち笑いかけると、引きつった笑顔を返してくれた。
「珍しいじゃん。教室に残っているんなんて」
すると、彼は「う~」と歯切れが悪い返事をした。
言いたいことをはっきりと言う彼したては珍しい。
「なんて、言うかぁ」頬をかきながら、廊下にでると窓から校庭を見た。ひな子も一緒に校庭に目をやった。そこでは数名の子が走り回っていた。
いつもは周りに目もくれずに真っ先に帰宅する彼であるため今日の態度に疑問を感じた。
「なんなの?」ひな子は首を傾げた。「煮えきらない態度、放課後女子に囲まれている。珍しいことだらけなんだけど」
「いや、あのさ」
星が何かを言いかけた時、「ひな子」と明るい声が聞こえた。振り返ると数名のクラスメイトがいた。
「珍しいじゃん。いつもさっさと帰るのに」
男子の一人が言うと、ひな子は「横山、まぁそうだね」と答えながら横目で星を見た。彼は何も言わずにひな子のクラスメイトを見ている。
「まぁ、そんな時もあるよな。俺らこれから校庭でサッカーやるけどやるか?」
「私はいいけど星は?」
ひな子が星の方を見ると彼はニヤリと笑った。
「いいな。それ」
頷く星に横山は驚いた。
「本当に?」
後ろの方にいた女子たちも驚きの声を上げた。
「ああ」と答える星の楽しそうな笑顔にひな子は安心したのも束の間、彼の次の言葉にひな子は耳を疑った。「俺と新宮のチームでいいぜ」
得意気に笑う星に横山は目を大きくした。
「俺ら、四人だぜ」
「そうだよ。3人ずつでいいよ」
彼らの言葉に星は首を振った。星は一度決めたら絶対に意見を変える事はない。
「だって、一人キーパーだから攻撃は一人だよ。三対三にしようよ」と横山の隣にいた男子が答えた。
「そうだ。真田の言う通りだ」
横山がうなずいたが「ちげーよ」と星は彼の言葉を即座に否定した。「攻撃は二人だ。守りなんていらねぇ」
「マジか」
そう言ったのは星以外の全員だ。ひな子も気持ちはクラスメイトと同じだ。だが、彼のキラキラとした目を見るとそれでもいいかと思った。
さっきまでの落ち込んいる星よりずっと彼らしい。
「そんな大きなこと言って負けたらハズイよ」
楽しくなってきたひな子はニヤリと笑い忠告すると星は「ありえない」とはっきりと言った。
やる気満々の二人を見て男子二人は顔を見合わせて笑い「面白れぇ」と言ってやる気になった。後ろにいた女子二人は仕方ないと様な顔をしながらも校庭に向かった。
いつもの様に、星と下校しようとすると、彼は女子に囲まれていた。よくある事だが、彼が嫌がらずにその中心にいることが珍しかった。
「新宮」
星は振り返る満面の笑みを見せた。そして、女子に「新宮が来たから」と言い立ち上がろうとすると横にいた女子に止められたいた。
「新宮さんと付き合っていないんだよね? なんでいつも一緒に帰るの?」不満そうに言った。
「好きだから」
星がキッパリと言った。その言葉に女子は目を細めてひな子の方を見た。視線が痛いがいつもの事だ。
「えぇ、どこが? 新宮さんっていつも授業中寝てるし宿題しないし」
「うんうん、まぁ足は速いし運動できるし顔も可愛いけど……。ねぇ」
そう言いながら、女子の一人がネットリとした嫌な目でひな子を見た。
「うぜぇ」と言ってひな子が睨みつけると女子全員がビクっと身体を動かして顔を青くした。
「顔」星は下を向く女子に微笑んだ。「俺、面食いだから」
星が立ち上がると女子はもう何も言わなくなった。こんなやり取りは今日が初めてではないが放課後は珍しい。
ひな子が長く一つに束ねた髪を無造作にかき揚げなら彼女たち笑いかけると、引きつった笑顔を返してくれた。
「珍しいじゃん。教室に残っているんなんて」
すると、彼は「う~」と歯切れが悪い返事をした。
言いたいことをはっきりと言う彼したては珍しい。
「なんて、言うかぁ」頬をかきながら、廊下にでると窓から校庭を見た。ひな子も一緒に校庭に目をやった。そこでは数名の子が走り回っていた。
いつもは周りに目もくれずに真っ先に帰宅する彼であるため今日の態度に疑問を感じた。
「なんなの?」ひな子は首を傾げた。「煮えきらない態度、放課後女子に囲まれている。珍しいことだらけなんだけど」
「いや、あのさ」
星が何かを言いかけた時、「ひな子」と明るい声が聞こえた。振り返ると数名のクラスメイトがいた。
「珍しいじゃん。いつもさっさと帰るのに」
男子の一人が言うと、ひな子は「横山、まぁそうだね」と答えながら横目で星を見た。彼は何も言わずにひな子のクラスメイトを見ている。
「まぁ、そんな時もあるよな。俺らこれから校庭でサッカーやるけどやるか?」
「私はいいけど星は?」
ひな子が星の方を見ると彼はニヤリと笑った。
「いいな。それ」
頷く星に横山は驚いた。
「本当に?」
後ろの方にいた女子たちも驚きの声を上げた。
「ああ」と答える星の楽しそうな笑顔にひな子は安心したのも束の間、彼の次の言葉にひな子は耳を疑った。「俺と新宮のチームでいいぜ」
得意気に笑う星に横山は目を大きくした。
「俺ら、四人だぜ」
「そうだよ。3人ずつでいいよ」
彼らの言葉に星は首を振った。星は一度決めたら絶対に意見を変える事はない。
「だって、一人キーパーだから攻撃は一人だよ。三対三にしようよ」と横山の隣にいた男子が答えた。
「そうだ。真田の言う通りだ」
横山がうなずいたが「ちげーよ」と星は彼の言葉を即座に否定した。「攻撃は二人だ。守りなんていらねぇ」
「マジか」
そう言ったのは星以外の全員だ。ひな子も気持ちはクラスメイトと同じだ。だが、彼のキラキラとした目を見るとそれでもいいかと思った。
さっきまでの落ち込んいる星よりずっと彼らしい。
「そんな大きなこと言って負けたらハズイよ」
楽しくなってきたひな子はニヤリと笑い忠告すると星は「ありえない」とはっきりと言った。
やる気満々の二人を見て男子二人は顔を見合わせて笑い「面白れぇ」と言ってやる気になった。後ろにいた女子二人は仕方ないと様な顔をしながらも校庭に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる