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第二十七話 星遥⑦
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遥はグシャグシャになった手紙を拾い上げた。
「……当時はいい方法だと新宮に感謝したけど、手紙と引っ越しと兄は繋がっていた?」
手紙の束を持っていた遥斗の笑顔を思い出した。それは、さっき食事をした時の笑顔と同じ様に見えた。
「……兄は、もしかして」
遥は手紙を握り潰してゴミ箱に捨てた。
新宮の言った『遥斗の本性』もとても気になる。自分の知らない遥斗がいるのは面白くない。
「行けばわかるか」
遥は上着を着ると部屋を出た。
場所は電車で少し移動した所にある繁華街だ。治安が良くなく遥斗には近づかない様に言われていた。
電車の中で、ボーッと外をみた。日が落ち外は暗く、ガラスの窓には自分の姿が映っていた。
「はぁ……」
小さくため息をついた。
自分の選択に不安があった。いつも何かを選択するときは遥斗か新宮が側にいた。
「情けない……」
目的駅につくと、ゆっくりと指定された場所まで歩いた。このまま、どこかに行ってしまいたかった。
遥斗に会いたいし、遥斗の事を知りたいけど怖かった。
「嫌われていたらどうしよう」
キラキラと様々な色の電光が光って眩しく感じた。夜なのに昼間のよう明るく活気のある街に気持ち悪さを感じた。
全神経を集中させて、周りの気配を感じ人とぶつからないように注意して歩いた。
歩き進めると何人かの人に声を掛けられたが、返事をせず目を合わさないようした。するとそのうち諦めた。
細い路地に入り、その先に広場があった。
当たりを見回していると、背後に気配を感じて飛び跳ねるように避けた。
くるり振り返ると脂肪の塊のような金髪の男がヘラヘラしながら、金属バットを振り回している。彼は何かを言ったが黒いマスクで口が覆われていたため分からなかった。
脂肪は休むことなく、金属バットを向けてきたが動きが大きく読みやすかったため難なく避けられた。
――顔が隠れてるし、会話できねぇなぁ。
手紙が罠であった事は予想通りだが、遥斗の姿はなかった。見当違いであったとこに肩を落とした。
もし、手紙と引っ越した女子が繋がり遥斗が関係しているのなら自分に嫉妬したりや束縛したいと思っているのではないかと考えていた。
気持ちが一気に下がった。
手紙と引っ越したのは関係はなく、遥斗にとって自分はただの弟なのだという現実を突きつけると心が壊れそうであった。
――分かってたけどさ。期待したからキツイな。
脂肪がマスクを外した。
「……?」
何かを言うのかと思い、脂肪の口を凝視してしまった。
――マズイ
と気づいた時には遅かった。気持ちが落ちてミスをおかした。
『Neal(跪け)』と脂肪の口が動いた。
遥の意識とは関係なく、膝が地面についた。
「……当時はいい方法だと新宮に感謝したけど、手紙と引っ越しと兄は繋がっていた?」
手紙の束を持っていた遥斗の笑顔を思い出した。それは、さっき食事をした時の笑顔と同じ様に見えた。
「……兄は、もしかして」
遥は手紙を握り潰してゴミ箱に捨てた。
新宮の言った『遥斗の本性』もとても気になる。自分の知らない遥斗がいるのは面白くない。
「行けばわかるか」
遥は上着を着ると部屋を出た。
場所は電車で少し移動した所にある繁華街だ。治安が良くなく遥斗には近づかない様に言われていた。
電車の中で、ボーッと外をみた。日が落ち外は暗く、ガラスの窓には自分の姿が映っていた。
「はぁ……」
小さくため息をついた。
自分の選択に不安があった。いつも何かを選択するときは遥斗か新宮が側にいた。
「情けない……」
目的駅につくと、ゆっくりと指定された場所まで歩いた。このまま、どこかに行ってしまいたかった。
遥斗に会いたいし、遥斗の事を知りたいけど怖かった。
「嫌われていたらどうしよう」
キラキラと様々な色の電光が光って眩しく感じた。夜なのに昼間のよう明るく活気のある街に気持ち悪さを感じた。
全神経を集中させて、周りの気配を感じ人とぶつからないように注意して歩いた。
歩き進めると何人かの人に声を掛けられたが、返事をせず目を合わさないようした。するとそのうち諦めた。
細い路地に入り、その先に広場があった。
当たりを見回していると、背後に気配を感じて飛び跳ねるように避けた。
くるり振り返ると脂肪の塊のような金髪の男がヘラヘラしながら、金属バットを振り回している。彼は何かを言ったが黒いマスクで口が覆われていたため分からなかった。
脂肪は休むことなく、金属バットを向けてきたが動きが大きく読みやすかったため難なく避けられた。
――顔が隠れてるし、会話できねぇなぁ。
手紙が罠であった事は予想通りだが、遥斗の姿はなかった。見当違いであったとこに肩を落とした。
もし、手紙と引っ越した女子が繋がり遥斗が関係しているのなら自分に嫉妬したりや束縛したいと思っているのではないかと考えていた。
気持ちが一気に下がった。
手紙と引っ越したのは関係はなく、遥斗にとって自分はただの弟なのだという現実を突きつけると心が壊れそうであった。
――分かってたけどさ。期待したからキツイな。
脂肪がマスクを外した。
「……?」
何かを言うのかと思い、脂肪の口を凝視してしまった。
――マズイ
と気づいた時には遅かった。気持ちが落ちてミスをおかした。
『Neal(跪け)』と脂肪の口が動いた。
遥の意識とは関係なく、膝が地面についた。
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