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第三十一話 星遥⑪ R18

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目を覚ますと、ベッドの上にいた。
全身に痛みを感じたが、寝間着に着替えさせられ身なりも綺麗になっていた。
「……前もあったなこんなこと」
あの時の事を思い出すと気持ちが落ちた。
ベッドから降りようとした時、部屋の扉が開いた。
「兄……、血」
真っ赤であった遥斗がもとに戻っているため、今日あったことは夢だったのかと思ったが自身の体の痛みが現実だと教えてくれた。
「あぁ」遥斗は穏やかに笑うと、遥の手に口をつけた。「シャワー浴びたら全部落ちたよ」
遥は遥斗が掴んでいる反対の手で、彼の身体に触れ傷がないことに安心した。
「ごめん」遥は小さく口を動かした。
「ずっと、謝っているね。僕は何も怒ってないよ」
「だって……」遥は、遥斗に振れていた手を下した。「あの、兄が出ていく時いつもと違った。会話も手に触れるんじゃなくて手話だし。食事の片づけしないで出てくなって今までなかったじゃん」
遥の目からはポロポロと涙がこぼれた。
「ごめんね」遥斗は眉を下げた。「僕さ。Domなんだよ」
「知ってる……」鼻水と涙で顔をぐちゃぐちゃにして、遥は答えた。
「遥が……」眉を下げた遥斗に優しく頭をなぜられたあと、持っていたハンカチで顔をふかれた。「神田と戦っていた時さ」
――神田? 
一瞬ピンと来なかったが、『戦った』と言葉で学校で絡んできた奴だとろうと見当違いをつけた。
「Glare(グレア)使って撃退したんだ。なんかさ、やられてる遥みたらコントロール出来なくてさ。その辺の奴らにも影響あったみたい」
遥斗は手に口をつけたままであったが、気まずそうに目をそらした。
「その後、遥つれて帰宅したんだけど……」そこまで離すと、言葉を止めた。
「なに?」
遥斗が突然離れようとしたため、遥は慌てて彼の手を引いた。すると、遥斗はバランスを崩して、遥の上にたおれた。
それでも遥斗は離れようとするので全身で彼を抱きしめた。すると、彼の股間が固くなっている事に気づきいた。
遥は太ももでそれに触れた。すると遥斗は真っ赤な顔をして大きく口を開け「やめろ」と言った。
「なら話の続き」
どんな状況でも穏やかに微笑んでいる遥斗の余裕ない表情が遥にとってたまらなかった。
「……ぐったりした遥にシャワーを浴びせ身なりを整えた。その時に……」遥斗は泣きそうな顔をしていた。
「こうなった?」
遥はニヤリと笑いながら、遥斗の大きくなったが股間を膝で突っついた。
遥斗は小さく頷いた。
「Glare(グレア)を使った事もあり、興奮状態で遥の裸みたから自分を抑えるのが限界だったんだよ」
顔を赤くして、今も限界そうなのに必死で抑えている遥斗が可愛くて更に股間を膝で突いた。そのたびに、遥斗の身体が震え、暖かい吐息が手に掛かった。
「……だから、遥を起きたのを確認したら家を出て気持ちを落ち着かせようと思ったんだ」
遥斗があの時、自分に触れずに手話で会話した意味を理解した。それと同時に遥斗のことが愛しくてたまらなくなった。
「まぁ、神田を殺しにいくつもりだったから」遥斗の目の奥が光り遥はビクリと体を動かした。「この状態だと、Glare(グレア)の範囲も広がり強さもあがるからね」
ニヤリと笑う遥斗の顔を両手で押さえた。
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