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第23話 死にたい

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「涙……」

姫路は寝ている祐介の涙を指ですくと、それを口に入れた。涙は、後悔と罪悪感で酷く自分を責めている味がした。

姫路は「大丈夫」と言いながら彼の頭をなぜた。すると、裕介はころりと姫路の方に転がってきたので彼の頭を胸に抱き髪にキスをした。

翌日

祐介が目を覚ますと目の前にタオルがあった。濡れたタオルを手で取り、ごろりと大の字転がった。

夢かと思ったが身体に疲労感があり、お尻に違和感がそれを否定した。

「アレが夢ではなないのなら、楓も……」

昨日、楓にお金を渡し見送った時このまま楓がいなくなるといいと一瞬思った。

休日は朝から、平日は学校終わってから楓は祐介の家にいることが多かった。
どんなに仕事で疲れていても彼女に食事を提供しなくてはならなかった。

楓の食事を作るように母から連絡がくることもあった。

それなのに、本人は「楓の世話ばかりで、お兄ちゃんモテないんだね」と言う始末。

いなくなればいいと思った。

一瞬。
ほんの一瞬。

そして、楓は事故にあった。

(俺……が、死ねばよかった、そうだ、死ねばいい……)

祐介はベットから立ち上がると、窓を開けた。
太陽の光が入り祐介は目を細めた。
冷たい風が彼の顔にあたった。

下を見ると、朝が早いためか、歩行者はいなかった。

(あぁ、風が気持ちいいな)

祐介は目を瞑り、窓から身を乗り出すとそのまま前に倒れた。体の半分以上が、窓から外に出ると頭を下にして急降下した。

と思ったが途中で止まった。

逆さになったまま、下に落ちないのだ。

(足を掴まれてる……?)

冷たい風が祐介の髪をゆらした。だんだん、頭に血が上り始めて辛くなった祐介はゆっくりと目を開けた。

ちょうど、窓から室内に入るところだった。祐介はベットまで連れて来られるとそこで落とされた。
彼は大の字になると、天井を見た。

「何やってんの?」

祐介に上にぷかぷかと浮いてる姫路は眉を寄せて彼を睨みつけた。

「……」

その時、祐介に携帯から音がなった。
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