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腕の中に落ちて来た小さなお姫様は驚いて顔してアルベルトを見た。彼女に怪我無いことを確認するとカトリーナの小さな体を抱かかえ馬を降りた。
「お嬢様、探しましたよ。エマも顔を真っ青にして心配しています」
「馬に乗れるようになりたい」
カトリーナはアルベルトから降りて地面に足をつけると睨んできた。
「焦らずとも練習すればそのうち乗れます」
「そのうちでは遅い」
カトリーナは必死に訴えた。
公爵令嬢であるカトリーナがそこまでして馬に乗れるようになりたいのかアルベルトは理解できなかった。
「馬がなくても、馬車があります。それに私と一緒に乗ってもかまいません」
「他人の力を借りずに移動したいんだよ。もう、時間がない」
「時間ですか……」
「今日、何があったか分かっているのか?」
カトリーナの目に涙が浮かび、ぎょっとした。本日、彼女が悲しむような出来事は起ってはいないとアルベルト認識していた。
「今日はアイツがきた」
「アイツ……。まさか殿下の事でございますか?」
王族に向かってアイツと発言したカトリーナに驚いた。
「そうだ。アイツと婚約してしまった。一度も会わないようにしていたのに……」
貴族の結婚に本人の意思は関係ない。それゆえに本人同士の意向は考慮されない。つまり、『会った事がない』というは意味がない。
「エドワード王子殿下は王太子であられます。カトリーナ様はいずれ王妃になられるのですよ」
「なれない。殺されて終わるんだよ」
「ころ……?」
突拍子もない発言に言葉を失った。
「そうだよ。そして、シドニー家は没落する」
「なにをそんな……」
愛されて育った八歳の女の子の発想とは思えないものであったが彼女の真剣な顔をみたら否定できなかった。
「シドニー家から逃げるために馬に乗りたいですか?」
「戦う手段だ」
これまた予想外な言葉が出てきた。
「父が好きだ。もちろんお前もだ。だから守りたい。だから戦うんだ」
『好き』と言われて、ひるんだ。十も下の幼女しかも公爵令嬢に卑しい気持ちは持ち合わせいないが好意を持たれるのは嬉しかった。
「何とですが?」
「……」カトリーナは肩を落とした。「分からない」
「はぁ」
そこまで意気込んでおいて、『分からない』と言われると拍子抜けした。
「……死んだ方がいいかも」
突然の弱気な発言に眉を寄せた。
「なんですか?」
カトリーナは小さな手で、ギュッとズボンを握りしめ下を向いた。身体より大きなサイズの兄の服を着ているため、よけいに幼く見た。
「馬から落ちて……、せめて意識不明になれば結婚もなくなる」
「それはそうでしょうが……」
アルベルトは跪くとカトリーナの小さな身体そっと抱きしめた。彼女は抵抗することなく、肩に頭をつけた。
不安なのだろうなと思った。
貴族として当たり前であっても、八歳の子どもに結婚……。しかも王妃になるなんて想像もつかないだろう。
「このアルベルトがカトリーナ様を御守りしますよ」
「ふぇ」
「殿下にお会いにならなくとも構いません。アルベルトがなんとかしましょう」
上層部がきめた婚約だ。当人たちの気持ちなど考慮されることはない。時が経てば勝手に進んでいく話だ。カトリーナも成長すれば状況も理解できるようになるだろう。婚約者と交流を行うのはそれからでいい。
王家には入れば今以上に自由はなくなり、行動一つ一つが監視される。だからアルベルトは短い幼少期を幸せに過ごしてほしいと考えていた。
「お嬢様、探しましたよ。エマも顔を真っ青にして心配しています」
「馬に乗れるようになりたい」
カトリーナはアルベルトから降りて地面に足をつけると睨んできた。
「焦らずとも練習すればそのうち乗れます」
「そのうちでは遅い」
カトリーナは必死に訴えた。
公爵令嬢であるカトリーナがそこまでして馬に乗れるようになりたいのかアルベルトは理解できなかった。
「馬がなくても、馬車があります。それに私と一緒に乗ってもかまいません」
「他人の力を借りずに移動したいんだよ。もう、時間がない」
「時間ですか……」
「今日、何があったか分かっているのか?」
カトリーナの目に涙が浮かび、ぎょっとした。本日、彼女が悲しむような出来事は起ってはいないとアルベルト認識していた。
「今日はアイツがきた」
「アイツ……。まさか殿下の事でございますか?」
王族に向かってアイツと発言したカトリーナに驚いた。
「そうだ。アイツと婚約してしまった。一度も会わないようにしていたのに……」
貴族の結婚に本人の意思は関係ない。それゆえに本人同士の意向は考慮されない。つまり、『会った事がない』というは意味がない。
「エドワード王子殿下は王太子であられます。カトリーナ様はいずれ王妃になられるのですよ」
「なれない。殺されて終わるんだよ」
「ころ……?」
突拍子もない発言に言葉を失った。
「そうだよ。そして、シドニー家は没落する」
「なにをそんな……」
愛されて育った八歳の女の子の発想とは思えないものであったが彼女の真剣な顔をみたら否定できなかった。
「シドニー家から逃げるために馬に乗りたいですか?」
「戦う手段だ」
これまた予想外な言葉が出てきた。
「父が好きだ。もちろんお前もだ。だから守りたい。だから戦うんだ」
『好き』と言われて、ひるんだ。十も下の幼女しかも公爵令嬢に卑しい気持ちは持ち合わせいないが好意を持たれるのは嬉しかった。
「何とですが?」
「……」カトリーナは肩を落とした。「分からない」
「はぁ」
そこまで意気込んでおいて、『分からない』と言われると拍子抜けした。
「……死んだ方がいいかも」
突然の弱気な発言に眉を寄せた。
「なんですか?」
カトリーナは小さな手で、ギュッとズボンを握りしめ下を向いた。身体より大きなサイズの兄の服を着ているため、よけいに幼く見た。
「馬から落ちて……、せめて意識不明になれば結婚もなくなる」
「それはそうでしょうが……」
アルベルトは跪くとカトリーナの小さな身体そっと抱きしめた。彼女は抵抗することなく、肩に頭をつけた。
不安なのだろうなと思った。
貴族として当たり前であっても、八歳の子どもに結婚……。しかも王妃になるなんて想像もつかないだろう。
「このアルベルトがカトリーナ様を御守りしますよ」
「ふぇ」
「殿下にお会いにならなくとも構いません。アルベルトがなんとかしましょう」
上層部がきめた婚約だ。当人たちの気持ちなど考慮されることはない。時が経てば勝手に進んでいく話だ。カトリーナも成長すれば状況も理解できるようになるだろう。婚約者と交流を行うのはそれからでいい。
王家には入れば今以上に自由はなくなり、行動一つ一つが監視される。だからアルベルトは短い幼少期を幸せに過ごしてほしいと考えていた。
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