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この世界で生きている
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ルカはこの国では特殊な育児方法で育った。前世の記憶を取り戻した私からすると普通の育児だと思う。そのせいかわかないがルカは人見知りである。
あの緊張状態がこの人見知りと繋がっているのかもしれないが、 国王との会話も大丈夫であったし深刻に考える必要はないと思った。
そういえば、幼い頃茶会で出会った令嬢がルカに好意を持ち近づいた。当時ルカは令嬢の思いが分からずただ怖くて避けてしまいそれを同行した摂政に説教された出来事を思い出した。
そう言う対応はルイがとても上手である。相手を不愉快にさせないが本気にもさせない距離を上手にとる。
すごいなと思う。ほんと。前世の記憶を取り戻した私でも自信ない。
感心してルイの方を見ると彼はニヤニヤと笑っている。楽しそうにしていると悪いなと思いながら、一番大切なことを伝えた。
「そうだ、もうひとつ。我が国が崩壊するんだよ」
ルイの顔が固まった。
そして、ルイの目が段々鋭くなっていく。
それから、口に手をあて眉を寄せたルイは私を見て”国の崩壊理由”について尋ねた。
「原因はエマ第二王妃と騎士団員ハリー・ナイトの不倫だと思う。そこから国王がおかしくなる」
ルイは私の話を素直に頷いて聞いている。ルイが第二王妃の不倫をすんなり受けいれられた事に驚いた。
漫画では凄く不倫を否定していた。王妃を信じていると優しく笑っていた。この笑っていた。
「それはいつ」
「2年後かな」
ルイは手で口覆ったまま一定のリズムで眉間を叩く。
彼が私の話を全て真実である前提で動こうとしていることに驚いた。
勿論、嘘はついていないがウソみたいな話であるし第二王妃を侮辱しているのも同然だ。
大体本当にその通りになるかなんてわからないし……。
「ウソじゃないだけど根拠ないよ。なんでそんなに簡単に信じられるの」
「ルカは僕が好き?」
突然の確認に動けなくなる。好きって、そりゃ兄弟だし嫌いじゃない。
「そりゃ、まぁ。うん。」
恋愛的な意味は全くない“好き”であるが、言葉にするのが恥ずかしくて曖昧な返事になる。自分の顔がほんのり赤くなるのが分かると余計恥ずかしい。そんな私をルイはにこにこして見ている。
「なんとなく僕わかったんだ。色々とね。ルカは今好きって言えなくて照れてるでしょ」
図星を当てられて何も言えなくなる。昨日までは丁寧であったが遠慮がちに私に接していたのにこの急変はなんなんだ。
「僕はルカを信じるよ。そして、不安や疑問は口に出して行く。本音がいいんでしょ」
目の前で 美しい顔が優しく微笑む。自分の顔が真っ赤になるのを感じた。美形が自信満々に私を信じるって言われたらどうしていいか分からない。
「好きだよ」
言わないのは負けな気がして嫌だったから投げやりに小さな声でつぶやいた。聞こえなくても構わないと思ったがニヤリと笑い私の顔を見ている。
絶対聞こえた。
ため息をつくとルイはいきなり話題を変えてきた。さっきから変えすぎだと思う。
「そうだ、ルカ以外の記憶があると言ったがその女性はなぜ未来が分かるんだい?」
ルイの質問になんて答えていいか迷った。この世界に漫画という文化はない。物語はあるがそれは全て文章で書かれている。それはそれで面白いのだが漫画好きとしては恋しくなる時がある。
「彼女の世界には漫画という絵を繋げて物語を作る文化があるんだ。この世界はその漫画の内容そのものなんだよね」
なるべくわかりやすい言葉を使い丁寧に伝えるが私のイメージが共有できているかは不明である。実物がないのが本当に残念だ。
「作り物なのかい?」
ルイが不安そうに聞いてきたから、慌てて手を振った。私もルイもこの世界で生きている。
作り物ではないから漫画通りに不幸になんてなりたくないし、したくはない。アレはあくまでも読み物である。
「漫画は作り物だけど別に私たちが作り物じゃないよ。もし、その漫画がここにあったら未来予想の書物になるのかな」
現実とは違うと強く訴えた。ルイもそれを分かってくれたようで頷いている。
ルイの私への信頼があつい。
信じてもらえるというのは嬉しい。
あの緊張状態がこの人見知りと繋がっているのかもしれないが、 国王との会話も大丈夫であったし深刻に考える必要はないと思った。
そういえば、幼い頃茶会で出会った令嬢がルカに好意を持ち近づいた。当時ルカは令嬢の思いが分からずただ怖くて避けてしまいそれを同行した摂政に説教された出来事を思い出した。
そう言う対応はルイがとても上手である。相手を不愉快にさせないが本気にもさせない距離を上手にとる。
すごいなと思う。ほんと。前世の記憶を取り戻した私でも自信ない。
感心してルイの方を見ると彼はニヤニヤと笑っている。楽しそうにしていると悪いなと思いながら、一番大切なことを伝えた。
「そうだ、もうひとつ。我が国が崩壊するんだよ」
ルイの顔が固まった。
そして、ルイの目が段々鋭くなっていく。
それから、口に手をあて眉を寄せたルイは私を見て”国の崩壊理由”について尋ねた。
「原因はエマ第二王妃と騎士団員ハリー・ナイトの不倫だと思う。そこから国王がおかしくなる」
ルイは私の話を素直に頷いて聞いている。ルイが第二王妃の不倫をすんなり受けいれられた事に驚いた。
漫画では凄く不倫を否定していた。王妃を信じていると優しく笑っていた。この笑っていた。
「それはいつ」
「2年後かな」
ルイは手で口覆ったまま一定のリズムで眉間を叩く。
彼が私の話を全て真実である前提で動こうとしていることに驚いた。
勿論、嘘はついていないがウソみたいな話であるし第二王妃を侮辱しているのも同然だ。
大体本当にその通りになるかなんてわからないし……。
「ウソじゃないだけど根拠ないよ。なんでそんなに簡単に信じられるの」
「ルカは僕が好き?」
突然の確認に動けなくなる。好きって、そりゃ兄弟だし嫌いじゃない。
「そりゃ、まぁ。うん。」
恋愛的な意味は全くない“好き”であるが、言葉にするのが恥ずかしくて曖昧な返事になる。自分の顔がほんのり赤くなるのが分かると余計恥ずかしい。そんな私をルイはにこにこして見ている。
「なんとなく僕わかったんだ。色々とね。ルカは今好きって言えなくて照れてるでしょ」
図星を当てられて何も言えなくなる。昨日までは丁寧であったが遠慮がちに私に接していたのにこの急変はなんなんだ。
「僕はルカを信じるよ。そして、不安や疑問は口に出して行く。本音がいいんでしょ」
目の前で 美しい顔が優しく微笑む。自分の顔が真っ赤になるのを感じた。美形が自信満々に私を信じるって言われたらどうしていいか分からない。
「好きだよ」
言わないのは負けな気がして嫌だったから投げやりに小さな声でつぶやいた。聞こえなくても構わないと思ったがニヤリと笑い私の顔を見ている。
絶対聞こえた。
ため息をつくとルイはいきなり話題を変えてきた。さっきから変えすぎだと思う。
「そうだ、ルカ以外の記憶があると言ったがその女性はなぜ未来が分かるんだい?」
ルイの質問になんて答えていいか迷った。この世界に漫画という文化はない。物語はあるがそれは全て文章で書かれている。それはそれで面白いのだが漫画好きとしては恋しくなる時がある。
「彼女の世界には漫画という絵を繋げて物語を作る文化があるんだ。この世界はその漫画の内容そのものなんだよね」
なるべくわかりやすい言葉を使い丁寧に伝えるが私のイメージが共有できているかは不明である。実物がないのが本当に残念だ。
「作り物なのかい?」
ルイが不安そうに聞いてきたから、慌てて手を振った。私もルイもこの世界で生きている。
作り物ではないから漫画通りに不幸になんてなりたくないし、したくはない。アレはあくまでも読み物である。
「漫画は作り物だけど別に私たちが作り物じゃないよ。もし、その漫画がここにあったら未来予想の書物になるのかな」
現実とは違うと強く訴えた。ルイもそれを分かってくれたようで頷いている。
ルイの私への信頼があつい。
信じてもらえるというのは嬉しい。
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