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第30話 結婚式
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学校を辞めて結婚するとレイージョから聞いたから数か月後には式をするとのかと思ったが甘かった。
あの日から丸1年、王妃教育とは別に王家に入るための修業が始まった。学校に行っていた時よりもレイージョに会えなかった。
だから、ドレスを着た自分の姿を鏡で見ると自分を盛大に褒めた。平民であったためほとんどが初めてのことで戸惑ったが、食事マナーだけは問題なく行えた。
学生時代、厳しく指導してくれたレイージョに感謝した。
控室の扉を叩く音がしたので返事をすると、アキヒトとカナイが入室した。
「ミヅキ様、おめでとうございます。その姿を見ると、自分が相手でなかったことを寂しく思います」
丁寧なあいさつをするアキヒトの後ろで、カナイがニヤニヤと笑っていた。
「なんですか?」不思議に思い首を傾げたカナイに視線を送った。
「いえ、おめでとうございます。ミヅキ様」
カナイが頭を下げた。彼のニヤニヤ笑いが気になった。
「なぜ、笑っているのですか?」ドレスが似合わないのかと不安に思った。「やはり、平民出身の人間には不釣り合いなドレスですよね」
「いいえ」カナイは慌てて、首を振った。「失礼いたしました。私が笑った相手はアキヒト様です」
「は? 私?」
自分だとは思ってもいなかったようで目を見開いで後ろを向いた。
ミヅキはカナイの一人称が“私”になっていることに驚いた。敬語は王太子の婚約者になった時から使っているが一人称は“僕”であった。
王族として扱ってくれているのだと思った。それに対して特別な感情があるわけではないが、不思議な気持ちになった。
「以前ですが」カナイは手を顎に当てて視線を上にして思い出しながら話した。
「私がミヅキ様に結婚しますか?って聞いたことがあったのを覚えていますか」
「……はい」
1年以上前の話だ。
その後、すぐにレイージョに指輪を貰ったのだ。
左手に輝く赤い石を見て頬を染めた。
「それをアキヒト様が聞いていらっしゃいました。そして、胸ぐらをつかんで激怒したのです」
その言葉に側室にしようとしていた自分を横から奪われそうになったからかと思ったが、真っ赤な顔をしているアキヒトを見ると違うような気がした。
「私がアキヒト様に好意があることを伝えていたのです。だから“話が違う”と怒ったのです。その時にはもう王太子を辞退することまで覚悟していたようでした」
その話をミヅキは知っているような気がした。
思い出そうとしたが、分からなかった。
「そんな方が“自分が相手でなかったことを寂しく思います”とか滑稽だと思ったのです」
「そうですか」
興味のない話だ。
しかし、アキヒトはいたたまれないようであった。
「……そ、それでは、式を楽しみにしております」と、赤い顔でたどだどしい言い方をして頭を下げるとその場
そを去った。
「私も失礼いたします。ドレス姿はとてもよくお似合いです」とカナイも頭を下げてアキヒトを追うように出て行った。
惚気られただけのようにミヅキは感じた。
ただ、カナイが言っていたことを知っているような感覚があることが気になった。
しばらく考えて、思い出した。そうだ、力を使った時にみた光景と同じ話だった。
レイージョが言っていた予知夢のこととを理解した。
考えているうちに式の時間になった。
メイドに案内されて会場の前に到着した。
大きな金色の扉があった。左右には正装した護衛が立っている。
緊張した変な汗が出ていた。
「緊張しているの?」
「ふぇ」
先に扉の前に立っていたレイージョに声を掛けられた。
彼女を見て、ミヅキは固まった。
いつも王太子の正装とは違う。男装ではなく、真っ白なドレスだ。銀色の長い髪は出会った時と同じであった。
最近は男性の姿ばかりであったため新鮮で懐かしくもあった。
「この髪は……?」
「偽物よ。だけど、自分の髪で作ったものよ」
言葉遣いも、以前のモノになって胸が高鳴った。王太子の服のレイージョも好きだがドレス姿の彼女も大好きだ。
「綺麗です。出会ったときのレイです」
「そうね」レイージョは優しく微笑むとミヅキの手をとった。「結婚式は規定ないの。だから、出会った姿の方がいいかなと思ってね。次はいつ着られるか、分からないもの」
レイージョにエスコートされて、入場にした。
赤い絨毯の上をレイージョと共に歩くのは緊張した。
会場には多くの人がいた。
ただ、ミヅキの両親はいなかった。王家に入ることが許されたのはミヅキだけであった。
両親に何も伝えていない。学園に入った時点で連絡をすることが許されなかった。
心が痛んだが、それはどうすることもできないことであった。
レイージョとの結婚は嬉しかったが、形式的な式は面白くはなかった。覚えさせられたセリフを間違えないように言うことに必死になり、あまり記憶がない。
式後はパーティーがあり、多くの貴族が挨拶にきたが彼らの顔はみな同じに見えた。
ユウキの姿がなかったのが気になった。
アキヒトは王太子の頃よく見た笑顔をつくり貴族と対話をしていた。カナイはなんだか忙しそうに動きまわっている。
二人とも控室であった時とは別人の顔をしていた。
太陽が傾き始めてから、かなりたった頃、国王と王妃が退室。その後、すぐに祝いにきた貴族に見送られてその場を後にすることができた。
式が終わると、ミヅキは通常のドレスに着替えさせられた。そして、護衛に囲まれて門を出ると見たことのある球体があった。
ミヅキがソレに近づくと王太子の正装をしたレイージョがいることに気づいた。
コレで城まで戻るのかと思うとなんとも言えない気持ちになった。ユウキの乗り物がイヤなわけではない。来るときには馬車だったのに“なぜ”だと思った。
しかし、護衛の人間と使用人が頭を下げる中で、手を差し伸べているレイージョには聞けなかった。
彼女が了承していることであるならば、不安はない。
レイージョにエスコートされてユウキの乗り物に乗った。
ユウキが立って頭を下げ出迎えた。それに対してレイージョが“必要ない”と言うと彼は笑っていた。
「レイージョ様、ミヅキ様、ご結婚おめでとうございます」
「ありがとうございます。でも、式には来て下さらなかったですね」
「あ……」ユウキは眉を下げて、レイージョの方を見た。
「私が準備を頼んだ」そう言ったレイージョの言葉を王太子のモノになっていた。
結婚式よりも大切か事……?
形式的で、面白みのない結婚式であったが友人であるユウキには参加してほしかったという気持ちがあった。
「ミヅキ、良いところに連れて行ってあげるよ」
いいとこ……?
城に帰らないつもりであったことに驚いた。
王太子であるレイージョの仕事量は異常だ。昨日も深夜まで部屋に戻って来なかった。
彼女の身体を心配した。
ガコンと、球体が揺れると動き始めた。コレに乗るのは2度目であるが慣れない。
レイージョに促されて椅子に座ると、その隣に彼女が腰を降ろした。二人が座ったのを確認するとユウキが頭を下げ「失礼致します」と言って座った。
ユウキに敬語を使われるようになり、時間が経ったが慣れない。
ミヅキは球体をぐるりを見回した。以前乗った時はコレをしっかりと見る余裕がなかった。
動かす人間がいないのに、目的地まで進むこの乗り物が不思議であった。ユウキに聞くと細かく説明してくれたが、理解できる箇所がほぼなかった。
それを、レイージョは穏やかな顔で見ていた。
あの日から丸1年、王妃教育とは別に王家に入るための修業が始まった。学校に行っていた時よりもレイージョに会えなかった。
だから、ドレスを着た自分の姿を鏡で見ると自分を盛大に褒めた。平民であったためほとんどが初めてのことで戸惑ったが、食事マナーだけは問題なく行えた。
学生時代、厳しく指導してくれたレイージョに感謝した。
控室の扉を叩く音がしたので返事をすると、アキヒトとカナイが入室した。
「ミヅキ様、おめでとうございます。その姿を見ると、自分が相手でなかったことを寂しく思います」
丁寧なあいさつをするアキヒトの後ろで、カナイがニヤニヤと笑っていた。
「なんですか?」不思議に思い首を傾げたカナイに視線を送った。
「いえ、おめでとうございます。ミヅキ様」
カナイが頭を下げた。彼のニヤニヤ笑いが気になった。
「なぜ、笑っているのですか?」ドレスが似合わないのかと不安に思った。「やはり、平民出身の人間には不釣り合いなドレスですよね」
「いいえ」カナイは慌てて、首を振った。「失礼いたしました。私が笑った相手はアキヒト様です」
「は? 私?」
自分だとは思ってもいなかったようで目を見開いで後ろを向いた。
ミヅキはカナイの一人称が“私”になっていることに驚いた。敬語は王太子の婚約者になった時から使っているが一人称は“僕”であった。
王族として扱ってくれているのだと思った。それに対して特別な感情があるわけではないが、不思議な気持ちになった。
「以前ですが」カナイは手を顎に当てて視線を上にして思い出しながら話した。
「私がミヅキ様に結婚しますか?って聞いたことがあったのを覚えていますか」
「……はい」
1年以上前の話だ。
その後、すぐにレイージョに指輪を貰ったのだ。
左手に輝く赤い石を見て頬を染めた。
「それをアキヒト様が聞いていらっしゃいました。そして、胸ぐらをつかんで激怒したのです」
その言葉に側室にしようとしていた自分を横から奪われそうになったからかと思ったが、真っ赤な顔をしているアキヒトを見ると違うような気がした。
「私がアキヒト様に好意があることを伝えていたのです。だから“話が違う”と怒ったのです。その時にはもう王太子を辞退することまで覚悟していたようでした」
その話をミヅキは知っているような気がした。
思い出そうとしたが、分からなかった。
「そんな方が“自分が相手でなかったことを寂しく思います”とか滑稽だと思ったのです」
「そうですか」
興味のない話だ。
しかし、アキヒトはいたたまれないようであった。
「……そ、それでは、式を楽しみにしております」と、赤い顔でたどだどしい言い方をして頭を下げるとその場
そを去った。
「私も失礼いたします。ドレス姿はとてもよくお似合いです」とカナイも頭を下げてアキヒトを追うように出て行った。
惚気られただけのようにミヅキは感じた。
ただ、カナイが言っていたことを知っているような感覚があることが気になった。
しばらく考えて、思い出した。そうだ、力を使った時にみた光景と同じ話だった。
レイージョが言っていた予知夢のこととを理解した。
考えているうちに式の時間になった。
メイドに案内されて会場の前に到着した。
大きな金色の扉があった。左右には正装した護衛が立っている。
緊張した変な汗が出ていた。
「緊張しているの?」
「ふぇ」
先に扉の前に立っていたレイージョに声を掛けられた。
彼女を見て、ミヅキは固まった。
いつも王太子の正装とは違う。男装ではなく、真っ白なドレスだ。銀色の長い髪は出会った時と同じであった。
最近は男性の姿ばかりであったため新鮮で懐かしくもあった。
「この髪は……?」
「偽物よ。だけど、自分の髪で作ったものよ」
言葉遣いも、以前のモノになって胸が高鳴った。王太子の服のレイージョも好きだがドレス姿の彼女も大好きだ。
「綺麗です。出会ったときのレイです」
「そうね」レイージョは優しく微笑むとミヅキの手をとった。「結婚式は規定ないの。だから、出会った姿の方がいいかなと思ってね。次はいつ着られるか、分からないもの」
レイージョにエスコートされて、入場にした。
赤い絨毯の上をレイージョと共に歩くのは緊張した。
会場には多くの人がいた。
ただ、ミヅキの両親はいなかった。王家に入ることが許されたのはミヅキだけであった。
両親に何も伝えていない。学園に入った時点で連絡をすることが許されなかった。
心が痛んだが、それはどうすることもできないことであった。
レイージョとの結婚は嬉しかったが、形式的な式は面白くはなかった。覚えさせられたセリフを間違えないように言うことに必死になり、あまり記憶がない。
式後はパーティーがあり、多くの貴族が挨拶にきたが彼らの顔はみな同じに見えた。
ユウキの姿がなかったのが気になった。
アキヒトは王太子の頃よく見た笑顔をつくり貴族と対話をしていた。カナイはなんだか忙しそうに動きまわっている。
二人とも控室であった時とは別人の顔をしていた。
太陽が傾き始めてから、かなりたった頃、国王と王妃が退室。その後、すぐに祝いにきた貴族に見送られてその場を後にすることができた。
式が終わると、ミヅキは通常のドレスに着替えさせられた。そして、護衛に囲まれて門を出ると見たことのある球体があった。
ミヅキがソレに近づくと王太子の正装をしたレイージョがいることに気づいた。
コレで城まで戻るのかと思うとなんとも言えない気持ちになった。ユウキの乗り物がイヤなわけではない。来るときには馬車だったのに“なぜ”だと思った。
しかし、護衛の人間と使用人が頭を下げる中で、手を差し伸べているレイージョには聞けなかった。
彼女が了承していることであるならば、不安はない。
レイージョにエスコートされてユウキの乗り物に乗った。
ユウキが立って頭を下げ出迎えた。それに対してレイージョが“必要ない”と言うと彼は笑っていた。
「レイージョ様、ミヅキ様、ご結婚おめでとうございます」
「ありがとうございます。でも、式には来て下さらなかったですね」
「あ……」ユウキは眉を下げて、レイージョの方を見た。
「私が準備を頼んだ」そう言ったレイージョの言葉を王太子のモノになっていた。
結婚式よりも大切か事……?
形式的で、面白みのない結婚式であったが友人であるユウキには参加してほしかったという気持ちがあった。
「ミヅキ、良いところに連れて行ってあげるよ」
いいとこ……?
城に帰らないつもりであったことに驚いた。
王太子であるレイージョの仕事量は異常だ。昨日も深夜まで部屋に戻って来なかった。
彼女の身体を心配した。
ガコンと、球体が揺れると動き始めた。コレに乗るのは2度目であるが慣れない。
レイージョに促されて椅子に座ると、その隣に彼女が腰を降ろした。二人が座ったのを確認するとユウキが頭を下げ「失礼致します」と言って座った。
ユウキに敬語を使われるようになり、時間が経ったが慣れない。
ミヅキは球体をぐるりを見回した。以前乗った時はコレをしっかりと見る余裕がなかった。
動かす人間がいないのに、目的地まで進むこの乗り物が不思議であった。ユウキに聞くと細かく説明してくれたが、理解できる箇所がほぼなかった。
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