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第ニ章
3
やっとピアノの時間が終わった~~~。
ピアノって苦手なんだよね。
片手だけなら問題ないけど、両手になると一気に難しくなる。
両手が違う動きをするなんて無理だから!!
この国の王族や貴族は何かしら楽器を弾けないといけない。
楽器を演奏するのは男も女も一般教養に入っていて、全く扱えないものは落ちこぼれだと言われてしまう。
楽器を扱うならピアノ以外が良かったけど、勝手にピアノにさせられてしまったんだよね。
ピアノを選んだのはカヤなんだけど、ピアノを選ぶ前にひと通りお試して弾いてから、1番下手だったピアノを選ばれてしまった。
絶対に嫌がらせだよね?
カヤを雇ってるのはお父さんだけど、カヤが仕えてるのは私なんだから、雇い主に嫌がらせするのってどうなの?
ピアノを教えてくれてる先生が部屋を出て行くのをボーっと見ながら、カヤへの不満を心のなかでいっぱいにしていると、ミリーとカヤが部屋に入ってきた。
「お時間がありませんので、急いで本邸に向かいましょう。ジェイミー様を待たせるわけにはいきません」
今日もついてくるんだ。
いつもは私をミリーに任せるのに、お父さん達との食事会の時だけは、カヤが基本的に私のお世話をする。
お父さんへのアピールなんだろうけど、そのアピールは何の意味もないんだよね。
お父さんは私に興味ないからね。
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。お父さん達は予定の時間の1時間後に来るんだから」
あの人達は時間にルーズだから、誰一人として時間通りに来る人は居ない。
1番最後に来るのはお父さんとお母さんだけど、その他の人たちも早くても、予定時間の10分後に来るんだよね。
元日本人の私からしたら、10分前行動が当たり前だから、時間にルーズな人の思考回路が理解できない。
待たせるより待つほうが気分的にマシなんだけどね。
「何度も言ってますがお父さんではなく、お父様とお呼びください。王族として庶民みたいな言葉遣いは恥ですわ。母親が庶民だと離れて暮らしてても、母親みたいになるのかしら?」
この人は本当にお母さんが嫌いなのね。
今でもお父さんをお母さんに奪われたって思ってるみたいだし。
全くそういう話が上がっていたわけでもなかったらしいのに、思い込みって怖いよね。
本邸で働いてるメイドさん達の話を聞いて知ったんだけど、カヤはお母さんとお父さんが出会う前に、お父さんの複数人いるセフレの1人だったらしい。
今ではセフレは1人も居ないみたいだけど、カヤだけが今も執着してるみたいなんだよね。
カヤがセフレで満足していたことにビックリだよね。
いや……、満足はしてなかったのかな?
陰でお父さんのセフレを排除してたのかもしれない。
バレてもお父さんは気にさなそうだからね。
カヤがお父さんから厄介者扱いされて、関係を切られる可能性はあっただろうけど、今も使用人として雇ってるなら、カヤは上手くやっていたのかもしれない。
「私が2人をなんて呼ぼうが、本人達が気にしてないから良いんじゃないの?カヤに命令されるいわれはないよ。貴女は使用人であって、私の教育係ではないでしょ」
私が自分の意見をズバリと言ったことで、ミリーとカヤはビックリする。
今までは逆らったりしなかったからね。
今まで逆らわなかったのは、カヤが怖いとかでは決してなかった。
まだカヤを言い負かす機会ではないと思っていたから。
私は精神年齢は16歳だったけど、実際年齢はまだまだ幼児だったから、大人みたいに言い負かしても効果はなかったはず。
大人の真似事をしてるだけだと判断されて終わるだけ。
それに舌足らずなところもあったから、言い負かしても格好がつかなかった。
だけど7歳になったからそろそろ問題ないと思ったんだよね。
7歳はまだ幼いかもしれないけど、自分の意見を言うことだって出来る年齢のはず。
最近は舌足らずになることもないし、ずっと我慢してたけど反撃するなら今だよね。
私はもう誰かの言いなりになったり、誰かの犠牲になったりしない。
神様が私に愛し子って地位を授けてくれたんだから、私は私の好きなように生きる。
愛し子って地位はそれが許される。
私は自分の意見を曲げるつもりはないって、意思表示をするようにカヤを睨みつける。
カヤはカッとしたのか右手を振り上げる。
「その手をどうするつもりなの?私に危害を加えることは、アクアが絶対に許さないよ。貴女は水の精霊王を敵に回すつもり?」
私とカヤの間に水のシールドが現れる。
水だから簡単に通り抜けそうなのに、このシールドはどんな攻撃も通さないんだよね。
カヤは顔を真っ青にして完全に戦意喪失する。
アクアは普段は姿を消してるから、私に水の精霊王がついてることを忘れられがちなんだよね。
今はこのぐらいにしておこうか。
カヤに辞められたらそれはそれで困るからね。
補充出来る人員がここには居ないからね。
食事を運ぶことしてしてないけど、居ないよりは良いと思うしね。
ミリーをあまり本邸の使用人と接触させたくない。
あそこの人達は妾の子であるミリーを馬鹿にしてる人が多いから。
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