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第五章
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あれから2週間が経ち、今日は王太子発表のパーティーが開催される。
私は準備のために朝早くから王宮に呼ばれていて、全身を磨かれて準備が終わり、用意してもらった部屋で休憩をしている。
こんなに早くパーティーが開催されるとは思わなかった。
本来なら最低でも3ヶ月は前に開催するのを発表するのだけど、魅了をかけられてる者の心配があるので、緊急で開催することになった。
学園でもこの話でもちきりで、ミハイル様に話を聞こうとする人が多いみたいだけど、ミハイル様は学園に来てないから誰も聞くことが出来ない。
ミハイル様は現在幽閉されている。
王妃様の魅了がとかれたその日のうちに、ミハイル様も魅了をといた。
だけど残念なことにミハイル様は間に合わなかった。
魅了から解放されたミハイル様は廃人になってしまった。
ずっと動かないと思ったら急に暴れ出したりするので、今も見張りをつけて幽閉されている。
テイラー伯爵令嬢は地下牢に入れられている。
陛下の話では、今も犯行を認めておらず、泣きながら無実を訴えているらしいのよね。
往生際が悪くないかしら?
人の人生を潰しておいて、犯行を認めないなんて最低。
テイラー伯爵夫婦もすぐに呼び出されて、魔法から解放されたけど、夫人の方を廃人になっていたけど、テイラー伯爵の方には問題なかった。
テイラー伯爵は最初は混乱はしていたけど、話を聞いていて色々と知ることが出来た。
テイラー伯爵は自分の親族が修道院に居るのを知り、結婚するつもりがなかったから、元々引き取るつもりで会いに行ったらしい。
その時に魅了されたんだと思うと言っていた。
魅了されてる間のことも覚えていて、何であんな行動を取っていたのか不思議だと言っていた。
テイラー伯爵はリリヤ嬢のご機嫌を取るために、リリヤ嬢が気に入らない使用人などを、紹介状も無しにクビにしたことが何度もあると、自分の罪を懺悔するように話していた。
気に入った使用人をリリヤ嬢の付き人にしたり、お気に入りの使用人に恋人などが居ると、テイラー伯爵にお願いして、別れるように強制することもあったらしい。
話を聞けば聞くほど、彼女の最低さが際立つわね。
この話を聞いた王妃様はかなり怖い顔になっていた。
王妃様からしたら許せない話よね。
自分の息子が大好きであんな暴走をしたのかと思ったら、ただの男好きで息子も取り巻きの1人にしてたなんて、誰だって許せる話ではない。
しかも息子はリリヤ嬢のせいで廃人になってしまったのだから
1つ疑問なのが、ミハイル様はテイラー伯爵より後に魔法をかけられたはずなのに、ミハイル様は廃人になり、テイラー伯爵が無事なのが疑問になった。
これは私達の予想でしかないけど、魔法を使うのに強さのレベルがあり、テイラー伯爵には低レベルの魔法を使い、ミハイル様には高レベルの魔法を使ったんじゃないかって話になった。
魔法の威力が強いぶん、副作用も強いんじゃないかって話で終わった。
魔法に詳しくない私達には、真実を知るのは難しい。
全てが禁書を参考にして予想するしかない。
ここ2週間の嵐のような日々を思い出していると、部屋の扉がノックされる。
「はい」
「ユーリです。入っていいですか?」
「どうぞ~」
部屋に入ってきたユーリ様は正装していて、とても凛々しくて格好良かった。
ユーリ様に見惚れていると
「イリーナ嬢?どうかしましたか?もしかして体調が悪いですか?ずっと忙しかったから体調崩してしまったかい?」
「だ、大丈夫です。全然元気ですわ!!」
「なら良いけど?今日もイリーナ嬢は可愛いね。私が選んだドレスは気に入ってくれたかい?」
「えっ!?このドレスはユーリ様が選んでくれたんですか?」
ユーリ様は私よりも忙しそうにしてたのに、ドレスを選んでくれたなんて嬉しいけど、ユーリ様の体が心配になるわね。
「婚約者のドレスを用意するのは婚約者として当たり前だよ。今回は日にちも短かったから、君に相談しないで私の趣味で勝手に選んだから心配だったんだ」
「そんな!?とても素敵で気に入っています。私には勿体ないぐらいです」
ユーリ様が選んでくれたドレスはとても大人っぽくて、私一人では絶対に選ばないタイプのドレスだった。
ユーリ様と婚約する前の私は、お父様やお兄様に意見してもらいながら選んでいた。
2人はまだまだ私が子供だと思ってるのか、子供っぽいデザインを選ぶことが多くて、私がちょっと大人っぽいドレスを選ぶと禁止されていたのよね。
このドレスならユーリ様の隣に並んでも、違和感がなさそうで安心した。
ユーリ様がロリコンなんて言われたら困るもの。
「今日は色々とあると思うけど、何か困ったことがあったらすぐに話して欲しい」
「わかりました。………無事に1日が終われるでしょうか?」
「どうだろうな。どれぐらいの者たちが魅了されてるかによって変わるだろうね。多ければ多いほど今回の事を不満に思う人物が出てくるはずだ」
そうだよね。
今回はテイラー伯爵令嬢はパーティーに参加しないみたいですし、真実を知った人達の怒りの矛先もなくなってしまうから、不完全燃焼になってやりきれないはず。
そのことが原因で過激派の人たちが何をするのかわからない。
未然に防げなかった王家に怒りをぶつける人もいるかも知れない。
「だからイリーナ嬢は絶対に私から離れないように、何があっても守るから」
「はい。でもユーリ様も無理しないでくださいね」
「わかってるよ」
ユーリ様は優しく微笑んで私の頭を撫でる。
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