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番外編エピソード 名探偵シャーケット・ネコーズの誕生
ラブリーヨナ書その2 嵐に遭遇するヨナ
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やがて船長が近くにやって来て,こう言った。
「眠っている人よ,あなたはどうしたのか。
起きて,あなたの神に呼びかけてほしい!
[まことの]神が顧みてくださって,わたしたちは滅びないですむかもしれない」
ヨナが辺りを見回すが、他に人はいなかった。
「うーん、僕のことか?」
船長は間違えたと感じたが、そのまま応じることにした。
仲間から、ボケたと言われたくなかったのである。
(あ、猫だった。寝言を言っていたからつい。テヘ
いや、言葉は分かるようだな。一応、くじ引きに参加してもらうか。
わらをもすがる思いなんだ。猫だって、言葉が分かるなら助けになるかもしれない)
やがて人々は互いにこう言いだした。
「さあ,くじを引こうではないか。だれのせいでこんな災いに遭っているのかを知るのだ」
そこで彼らはくじを引いていったが,最後にそのくじはヨナに当たった。
ヨナは肉球だからくじが引けなかったのである。
「ガーン! あみだくじなら当たらなかったのに……。肉球じゃ、くじを掴めない!
最後のくじが僕だったなんて……。いや、きっと船長がいかさましたに違いない!
人間よりも猫の命が軽いと思って、くじに細工をしたんだ。こんなモノはイカサマだ!」
ヨナは激しく船長を責めるが、人々はその意見を無視してヨナを非難する。
「いいかげんにしろ! くじは公平だった。それに船長は俺達のライフラインだ。
このくじだって、船長が俺達を落ち着かせるために公平に作ったんだ。
船長はこの船の乗員を守る義務を立派に果たしている。
乗員のためなら、命さえも捨てる覚悟なんだ。
そんな小細工をするような小さな人間じゃないんだ!」
それで彼らはヨナに言った。
「さあ,どうか言ってくれ。だれのせいで我々はこんな災いに遭っているのか。
あなたはどんな仕事をする猫か,どこの猫か。国はどこか,どの民の猫なのか?」
「えー、そんなん僕だって知らないニャン。
元々は日本で静かに暮らしていたのに、いつの間にか、こんな好く知らない場所に復活させられたニャン!」
すると、船長はヨナの首に迷子札があるのを見付けた。
「ふーむ、彼はヘブライ猫で、天の神エホバを、海と陸とを造られた方を恐れる猫のようだ」
「何、僕はヘブライ猫の身体だったのか!」
すると人々は大いに恐れるようになり,彼に対してさらにこう言った。
「あなたがしたこの事はどういうことなのか?」
「えー、お金もらったから、高級猫缶と猫用ミルクを買い漁って、クルージングを楽しんでいただけニャン!
まあ、依頼主はニネベに行って人々を助けろってほざいてたけど、僕はそんなことしたくねえから、逆のタルシシュ行きに乗ったニャン。
このタルシシュ行きの看板に可愛い雌猫ちゃんが載っていたから、つい……」
彼がエホバの前から逃げようとしていることを,人々は知ったのである。
彼がそのように話したからであった。最後に彼らは言った。
「海が静まってくれるようにするために,我々はあなたをどのようにしたらよいのか?」
海がますます荒れてきたからである。
それで彼は言った。
「知らないニャン! それはお前らの仕事だろ! さっさと仕事しろよ!
僕はまた寝るから、陸に着いたら起こしてくれ!」
しかし、その声は風あらしによって全く聞こえず、ヨナを大海へと吹き飛ばした。
ヨナの身体は軽かったからである。 船長はそれを見て理解した。
「なんて猫だ! わたしを抱え上げて,海の中に投げ込んでください。
そうすれば,海はあなた方のために静まるでしょう。
この大あらしがあなた方に臨んでいるのはわたしのためだということが,わたしには分かっているのです、だって?」
その言葉を聞き、人々は涙を流した。
「俺達のために自らの命を顧みずに、海に飛び込むとは、なんてすごい猫だ!
こいつをここで死なせてはいけない! 何とか回収して、奴をニネベに送ってやるんだ!」
海の波はヨナを遠くへと流していく。ヨナは必死に猫泳ぎで船に戻ろうとする。
人々もヨナを回収して、船を陸に戻そうとしていた。
しかし、それはできなかった。海がますます荒れてきたからである。
それで彼らはエホバに呼ばわるようになってこう言った。
「ああ,どうかエホバよ,この猫の魂のためにわたしたちが滅びてしまうことのないようにしてください。そして,罪のない血をわたしたちに帰させないでください。
エホバよ,あなたはご自分の喜びとなるように事を行なわれたのですから」
そののち彼らはヨナの猫缶とミルクをまとめて木箱に入れ、海の中に投げ込んだ。
ヨナの近くに届くように投げ込んだので、ヨナは食糧を確保することができた。
すると海は,その荒れ狂いが収まってくるのであった。
それを見て人々はエホバを大いに恐れるようになり,エホバに犠牲をささげて誓約を立てた。
「眠っている人よ,あなたはどうしたのか。
起きて,あなたの神に呼びかけてほしい!
[まことの]神が顧みてくださって,わたしたちは滅びないですむかもしれない」
ヨナが辺りを見回すが、他に人はいなかった。
「うーん、僕のことか?」
船長は間違えたと感じたが、そのまま応じることにした。
仲間から、ボケたと言われたくなかったのである。
(あ、猫だった。寝言を言っていたからつい。テヘ
いや、言葉は分かるようだな。一応、くじ引きに参加してもらうか。
わらをもすがる思いなんだ。猫だって、言葉が分かるなら助けになるかもしれない)
やがて人々は互いにこう言いだした。
「さあ,くじを引こうではないか。だれのせいでこんな災いに遭っているのかを知るのだ」
そこで彼らはくじを引いていったが,最後にそのくじはヨナに当たった。
ヨナは肉球だからくじが引けなかったのである。
「ガーン! あみだくじなら当たらなかったのに……。肉球じゃ、くじを掴めない!
最後のくじが僕だったなんて……。いや、きっと船長がいかさましたに違いない!
人間よりも猫の命が軽いと思って、くじに細工をしたんだ。こんなモノはイカサマだ!」
ヨナは激しく船長を責めるが、人々はその意見を無視してヨナを非難する。
「いいかげんにしろ! くじは公平だった。それに船長は俺達のライフラインだ。
このくじだって、船長が俺達を落ち着かせるために公平に作ったんだ。
船長はこの船の乗員を守る義務を立派に果たしている。
乗員のためなら、命さえも捨てる覚悟なんだ。
そんな小細工をするような小さな人間じゃないんだ!」
それで彼らはヨナに言った。
「さあ,どうか言ってくれ。だれのせいで我々はこんな災いに遭っているのか。
あなたはどんな仕事をする猫か,どこの猫か。国はどこか,どの民の猫なのか?」
「えー、そんなん僕だって知らないニャン。
元々は日本で静かに暮らしていたのに、いつの間にか、こんな好く知らない場所に復活させられたニャン!」
すると、船長はヨナの首に迷子札があるのを見付けた。
「ふーむ、彼はヘブライ猫で、天の神エホバを、海と陸とを造られた方を恐れる猫のようだ」
「何、僕はヘブライ猫の身体だったのか!」
すると人々は大いに恐れるようになり,彼に対してさらにこう言った。
「あなたがしたこの事はどういうことなのか?」
「えー、お金もらったから、高級猫缶と猫用ミルクを買い漁って、クルージングを楽しんでいただけニャン!
まあ、依頼主はニネベに行って人々を助けろってほざいてたけど、僕はそんなことしたくねえから、逆のタルシシュ行きに乗ったニャン。
このタルシシュ行きの看板に可愛い雌猫ちゃんが載っていたから、つい……」
彼がエホバの前から逃げようとしていることを,人々は知ったのである。
彼がそのように話したからであった。最後に彼らは言った。
「海が静まってくれるようにするために,我々はあなたをどのようにしたらよいのか?」
海がますます荒れてきたからである。
それで彼は言った。
「知らないニャン! それはお前らの仕事だろ! さっさと仕事しろよ!
僕はまた寝るから、陸に着いたら起こしてくれ!」
しかし、その声は風あらしによって全く聞こえず、ヨナを大海へと吹き飛ばした。
ヨナの身体は軽かったからである。 船長はそれを見て理解した。
「なんて猫だ! わたしを抱え上げて,海の中に投げ込んでください。
そうすれば,海はあなた方のために静まるでしょう。
この大あらしがあなた方に臨んでいるのはわたしのためだということが,わたしには分かっているのです、だって?」
その言葉を聞き、人々は涙を流した。
「俺達のために自らの命を顧みずに、海に飛び込むとは、なんてすごい猫だ!
こいつをここで死なせてはいけない! 何とか回収して、奴をニネベに送ってやるんだ!」
海の波はヨナを遠くへと流していく。ヨナは必死に猫泳ぎで船に戻ろうとする。
人々もヨナを回収して、船を陸に戻そうとしていた。
しかし、それはできなかった。海がますます荒れてきたからである。
それで彼らはエホバに呼ばわるようになってこう言った。
「ああ,どうかエホバよ,この猫の魂のためにわたしたちが滅びてしまうことのないようにしてください。そして,罪のない血をわたしたちに帰させないでください。
エホバよ,あなたはご自分の喜びとなるように事を行なわれたのですから」
そののち彼らはヨナの猫缶とミルクをまとめて木箱に入れ、海の中に投げ込んだ。
ヨナの近くに届くように投げ込んだので、ヨナは食糧を確保することができた。
すると海は,その荒れ狂いが収まってくるのであった。
それを見て人々はエホバを大いに恐れるようになり,エホバに犠牲をささげて誓約を立てた。
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