断罪回避に失敗した悪役令嬢の祈りは届いた! ……だが、コレじゃない!

らおぴん

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オタク

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どんな世界にもオタクは存在する。

世界はオタクによって発展すると言っても過言ではあるまい。
いや、過言かな?

とにかく、人間たる者、何かやってりゃ自然とその道のオタ……いや、エキスパートが派生してくるものなのだ。
まあ、凝り性というかなんというか、寝食忘れて没頭する輩は必ず現れる。


この世界での文化は特に、ワタシが誘導して意図的に集落毎に生産品を振り分けたので、それぞれが職人村と化している。
そうなると、その道に惹かれた者たちがわらわらと集まって、才能を開花させて行くのだ。


ものすごく凝った土器。
美しい剣。
素晴らしい布。

もはやギルドと化した各村では、物凄い速度で技術や機材が発達していって、ちょっとビビる。
ハンドアックスな旧石器時代から一気に数万年をすっ飛ばして、大文明レベルの技術に達してしまったような……。

これで良いのか自信はないが、こうなっちゃったんだから仕方がない。
どっちみち放っておいても争ったり戦ったりはするんだろうし、自然だって破壊していく事にはなるだろう。
だが。
ワタシとしては、ワタシが生きている間に暮らしが便利になる方が大事だ。
そりゃ一応は害の少ない方向へと誘導はするが、ひとたび便利さを知り、それを向上させ得る知能を持ってしまった以上、その発展は止められるものではないのだ。


そして、ヒトは何かを遺そうとする。

壮大なモニュメントを築いたり、美しい壁画を描いたり。
才能はあちらこちらで開花して行く。
個性的な創造を成す者もいれば、そうしたものをデフォルメし、模倣しやすい汎用形態に変換して普及させる者もいる。

ワタシは時折村々を訪れて、ちょっとしたヒントを落っことして来るだけだ。
だって、細かい技術の内訳なんて知らないし。
ゲームみたいにスキルがありゃタップひとつでモノが出来上がるってな訳でもないのだ。
だが、オタクたちには方向性さえ示してやれば、それで良い。
作るべき形があれば、そこに至る道は必ず拓かれる。

数年、数十年を要する事もあるけれど。


かつてワタシが生きた最初の人生では、80年ほどの間にみるみる世界が様変わりした。
緩かに移ろったのは中世まで。
機械文明の幕開けと、化石燃料による動力の運用以降は、ほんの200年で世界が変わった。
一人の人生の中で、10年単位で、もはや別世界と言っても良いレベルで生活が変化していったものだ。

そんな中で一部の先鋭化した先駆者以外の人間は、便利さに溺れ、旧い技術を蔑みながら、創られた安楽の中でゆっくりと生物として退化して行っていたように思う。

ワタシが去ったあと、あの世界はどうなっていったのだろう?

ヒトは大宇宙に進出したのかな?
スマホの次に普及したものは何だろう?


……この世界の人類は、あそこまで機械に頼るようにならないと良いのだけれど。



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