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お正月
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クリスマスも終わり、いよいよ今年も終わりに近づいている。居間のこたつに入りながら、ぼんやりとみかんを食べていると、お兄ちゃんが二階から降りてきた。
「そういえば、智則が、明日一緒に初詣にいかないかって言ってたんだけど、朱里もいく?」
「行きたい!」
私が頷くと、お兄ちゃんもこたつに入りながら、微笑んだ。
「じゃあ、一緒に行こう」
年越しそばを歌番組を見ながら食べる。お義母さんが作ってくれた年越しそばは、とっても美味しく、皆残さずそばを食べた。
歌番組も終わり、あと数分で今年が終わる。やり残したことはないかな。大掃除は皆でしたし、お正月飾りも昨日から飾った。うん、大丈夫だよね。
『5、4、3、2、1。明けましておめでとうございます!』
テレビが華やかな音楽と共に新年を告げる。
「明けましておめでとう、今年もよろしくお願いします」
皆口々に新年の挨拶を言って、新年を祝う。よーし、今年は、お兄ちゃんに告白できるように、頑張るぞ。
「うー、さむっ」
夜の間に雪が降っていたらしく、翌朝は、とても冷え込んでいた。
「大丈夫? 朱里」
しっかりと着こんだつもりだったけれど、まだ、全然足りなかったなぁ、と思っているとお兄ちゃんが、マフラーを外して、私に巻いてくれた。
「えっ、でも、そしたらお兄ちゃんが寒いよ」
「僕は大丈夫だよ。朱里が風邪引く方がずっと心配」
「……ありがとう」
自分の学習能力の低さにがっかりしながらも、お兄ちゃんのマフラーを有りがたく使わせてもらう。
そういえば、彩月ちゃんからもらった練り香水をつけてみたんだよね。お兄ちゃん気づいてくれるかな。どきどきしながら、反応を待つけれど、お兄ちゃんは特になにも言わなかった。手首の香りをかぐ。うーん、香りはするんだけどな。薄すぎた? いや、でもつけすぎはよくないし。
「朱里、行こう」
「うん」
お兄ちゃんが自然に私の手を握った。思わずお兄ちゃんを見上げると、お兄ちゃんは笑った。
「はぐれるといけないからね」
お兄ちゃんの言う通り、神社はすごい人だった。
「おーい、優、朱里ちゃん」
何とか待ち合わせ場所にいる、冴木先輩を見つけて、合流する。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね、冴木先輩」
「明けましておめでとう、こちらこそ、今年もよろしくね。あれっ、もしかして、朱里ちゃん香水つけてる? いい香りがする」
「! そうなんです、彩月ちゃんからもらってつけてみたんですけど……」
やっぱり、ちゃんと香りはするみたいだ。つけすぎてないかな、と心配になっていると、冴木先輩は笑った。
「うん、量も丁度いいと思うよ」
よかった。ほっと、胸を撫で下ろす。でも、なんでお兄ちゃん何もいってくれなかったのかな。もしかして、この香り嫌いだった? お兄ちゃんの方をちらりと見ると、お兄ちゃんは、冴木先輩とじゃれていた。
暫くお兄ちゃんと冴木先輩がじゃれているのを見守ったあと、初詣の列に並ぶ。五円玉をお賽銭箱に入れて、お祈りする。学業成就と、お兄ちゃんに告白する勇気が持てますように、とお願いする。
「長かったけど、朱里は、何をお願いしたの?」
お兄ちゃんが不思議そうに首をかしげた。思わず、学業と恋愛成就……といいかけて、やめる。こういうのって、言ったら叶わないんじゃなかったっけ。
「秘密」
返事のかわりに笑って、おみくじを引く。おみくじは、大吉だった。何だか、いいことが起こりそうだ。ちなみにお兄ちゃんと冴木先輩は、中吉だった。おみくじの結果も一緒だなんて、仲がいいな。
さて、お正月が終わったら、新学期だ。勉強も、恋愛も頑張るぞ。
「そういえば、智則が、明日一緒に初詣にいかないかって言ってたんだけど、朱里もいく?」
「行きたい!」
私が頷くと、お兄ちゃんもこたつに入りながら、微笑んだ。
「じゃあ、一緒に行こう」
年越しそばを歌番組を見ながら食べる。お義母さんが作ってくれた年越しそばは、とっても美味しく、皆残さずそばを食べた。
歌番組も終わり、あと数分で今年が終わる。やり残したことはないかな。大掃除は皆でしたし、お正月飾りも昨日から飾った。うん、大丈夫だよね。
『5、4、3、2、1。明けましておめでとうございます!』
テレビが華やかな音楽と共に新年を告げる。
「明けましておめでとう、今年もよろしくお願いします」
皆口々に新年の挨拶を言って、新年を祝う。よーし、今年は、お兄ちゃんに告白できるように、頑張るぞ。
「うー、さむっ」
夜の間に雪が降っていたらしく、翌朝は、とても冷え込んでいた。
「大丈夫? 朱里」
しっかりと着こんだつもりだったけれど、まだ、全然足りなかったなぁ、と思っているとお兄ちゃんが、マフラーを外して、私に巻いてくれた。
「えっ、でも、そしたらお兄ちゃんが寒いよ」
「僕は大丈夫だよ。朱里が風邪引く方がずっと心配」
「……ありがとう」
自分の学習能力の低さにがっかりしながらも、お兄ちゃんのマフラーを有りがたく使わせてもらう。
そういえば、彩月ちゃんからもらった練り香水をつけてみたんだよね。お兄ちゃん気づいてくれるかな。どきどきしながら、反応を待つけれど、お兄ちゃんは特になにも言わなかった。手首の香りをかぐ。うーん、香りはするんだけどな。薄すぎた? いや、でもつけすぎはよくないし。
「朱里、行こう」
「うん」
お兄ちゃんが自然に私の手を握った。思わずお兄ちゃんを見上げると、お兄ちゃんは笑った。
「はぐれるといけないからね」
お兄ちゃんの言う通り、神社はすごい人だった。
「おーい、優、朱里ちゃん」
何とか待ち合わせ場所にいる、冴木先輩を見つけて、合流する。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね、冴木先輩」
「明けましておめでとう、こちらこそ、今年もよろしくね。あれっ、もしかして、朱里ちゃん香水つけてる? いい香りがする」
「! そうなんです、彩月ちゃんからもらってつけてみたんですけど……」
やっぱり、ちゃんと香りはするみたいだ。つけすぎてないかな、と心配になっていると、冴木先輩は笑った。
「うん、量も丁度いいと思うよ」
よかった。ほっと、胸を撫で下ろす。でも、なんでお兄ちゃん何もいってくれなかったのかな。もしかして、この香り嫌いだった? お兄ちゃんの方をちらりと見ると、お兄ちゃんは、冴木先輩とじゃれていた。
暫くお兄ちゃんと冴木先輩がじゃれているのを見守ったあと、初詣の列に並ぶ。五円玉をお賽銭箱に入れて、お祈りする。学業成就と、お兄ちゃんに告白する勇気が持てますように、とお願いする。
「長かったけど、朱里は、何をお願いしたの?」
お兄ちゃんが不思議そうに首をかしげた。思わず、学業と恋愛成就……といいかけて、やめる。こういうのって、言ったら叶わないんじゃなかったっけ。
「秘密」
返事のかわりに笑って、おみくじを引く。おみくじは、大吉だった。何だか、いいことが起こりそうだ。ちなみにお兄ちゃんと冴木先輩は、中吉だった。おみくじの結果も一緒だなんて、仲がいいな。
さて、お正月が終わったら、新学期だ。勉強も、恋愛も頑張るぞ。
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