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お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね?
文化祭
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十月にはいると、文化祭準備に、中間テストに忙しい。今年も生徒会は文化祭のオープニングで寸劇をやるので、また、お兄ちゃんの女装姿を見られるのが楽しみだ。
九月にあった模試の結果はなんと、C判定だった。お兄ちゃんと同じ大学に進むことが、わりと現実的になってきた気がする。まぁ、お兄ちゃんは二年生の今の時期からA判定だったんだけどね!
屋台は、二、三年生のほかに各部活でもやれるんだよね。生徒会は忙しいからしないけど。文化祭は私たちのクラスは、たこ焼きをすることになった。有志の何人かで、実際にお店の人に作り方を教わってきてくれて、それをみんなに教えてくれた。試食させてもらえたけれど、とても美味しい。
屋台の看板などを作っている間に、時間は過ぎ、ついに、中間テスト。目標は全教科八十五点以上だ。目標は高く持たないとね。スマホで授業を受けまくったし、毎日予習、復習もしてるし、手応えとしては大丈夫、なはずだ。そういえば。
「お兄ちゃん」
リビングで寛いでいるお兄ちゃんに話しかける。
「あのね、まだ誰とも約束してなかったら、文化祭、私と回ってくれないかな?」
「もちろん。というか、朱里以外と回るはずがないよ」
やった。お兄ちゃんと約束を取り付けたぞ。
翌日。上機嫌で、文化祭の流れなどを生徒会で確認していると、鈴木くんが私に話しかけてきた。
「あの、小鳥遊先輩。文化祭、僕と回りませんか?」
ちらりと、お兄ちゃんのほうをみると、お兄ちゃんは愛梨ちゃんに誘われていた。危ない。昨日誘っておいてよかった。
「ごめんね、お兄ちゃんと回るから」
私がそういうと、鈴木くんは、しょんぼりした顔でそうですか、と言った。ちょっと、悪いことしちゃったかな。でも、私はお兄ちゃんと回りたいから、申し訳ないけど、無理だ。お兄ちゃんも、私と回るから、と愛梨ちゃんの誘いを断ってくれたので安心する。
さて、文化祭がついにやってきた。まずは、オープニングの寸劇だ。控え室でドレスを着たお兄ちゃんの顔は青い。
「どうして、僕がこんな目に……」
今年は白雪姫をもした寸劇をするんだよね。当然、お兄ちゃんが白雪姫だ。
「お兄ちゃん、とっても可愛いよ」
だから、自信もって。ちなみに、私は七人の小人そのいちだ。そして、やはり王子役は、冴木先輩だ。冴木先輩も、お兄ちゃんの肩にぽんと手をおいた。
「優、すっごく似合ってるぞ」
「似合ってる似合ってないの、問題じゃないんだけど……」
けれど、結局最終的にお兄ちゃんは腹をくくり、見事、白雪姫を演じて見せた。冴木先輩とお兄ちゃんのキスシーンは、ふりだけど、とてもどきどきしてしまったし、黄色い悲鳴が色んなところであがっていた。
さて、寸劇と合唱コンクール終われば自由時間だ。今回は、私もお兄ちゃんも屋台を二日目全部することになっているので、一日目しか回れない。全力で楽しむぞ。
お兄ちゃんを待っていると、知らない男の人に話しかけられた。
「ねぇ、ねぇ、そこの君」
制服が違うので、文化祭を見に来た他校生だろう。
「ここの、やきそばの屋台に行きたいんだけど、道案内をしてもらえないかな」
「ええっと、角を右に曲がって──」
「わかりにくいから、直接教えてよ。なんなら、やきそばおごるし」
えっ。やきそばおごってくれるの。って、ちょっと、ぐらいついたけど、お兄ちゃんを待ってなきゃいけないから、だめだよね。
「すみません、人を待ってるので。直接は、ちょっと」
「いーじゃん。教えてよ」
「やきそばの屋台は、その角を右に曲がって二つ目の屋台ですよ。わかりづらければ、僕がお連れしましょうか?」
私が困っていると、お兄ちゃんが颯爽と現れ、道案内をしてくれた。
「いや、やっぱり大丈夫です……」
といって、男の人は去っていってしまった。屋台とは逆方向だけど、大丈夫かな? そう思って首をかしげていると、お兄ちゃんが頬をふくらませた。
「やっぱり、朱里から目を離しちゃだめだね。可愛いから、すぐナンパされる」
「えっ、今のナンパだったの」
全然気がつかなかった。お兄ちゃんは答える代わりに、ぎゅっと、私の手を握る。
「でも、お兄ちゃんのほうがずっと、可愛いくてかっこいいのに。私だったら、そのままお兄ちゃんに案内してもらっちゃうな」
「朱里だったら、どこにだって、案内してあげるよ」
お兄ちゃんがあまりに真剣な顔でいうので、思わず、笑う。
「じゃあ、まずはどこを案内してくれますか? お兄ちゃん」
「そうだな、おすすめは、僕のクラスのタピオカなんてどう?」
「ふふ、じゃあ、お願いします」
お兄ちゃんと手を繋いで、文化祭を回る。すれ違った、彩月ちゃんに冷やかされたりもしたけれど、とても素敵な文化祭になった。
九月にあった模試の結果はなんと、C判定だった。お兄ちゃんと同じ大学に進むことが、わりと現実的になってきた気がする。まぁ、お兄ちゃんは二年生の今の時期からA判定だったんだけどね!
屋台は、二、三年生のほかに各部活でもやれるんだよね。生徒会は忙しいからしないけど。文化祭は私たちのクラスは、たこ焼きをすることになった。有志の何人かで、実際にお店の人に作り方を教わってきてくれて、それをみんなに教えてくれた。試食させてもらえたけれど、とても美味しい。
屋台の看板などを作っている間に、時間は過ぎ、ついに、中間テスト。目標は全教科八十五点以上だ。目標は高く持たないとね。スマホで授業を受けまくったし、毎日予習、復習もしてるし、手応えとしては大丈夫、なはずだ。そういえば。
「お兄ちゃん」
リビングで寛いでいるお兄ちゃんに話しかける。
「あのね、まだ誰とも約束してなかったら、文化祭、私と回ってくれないかな?」
「もちろん。というか、朱里以外と回るはずがないよ」
やった。お兄ちゃんと約束を取り付けたぞ。
翌日。上機嫌で、文化祭の流れなどを生徒会で確認していると、鈴木くんが私に話しかけてきた。
「あの、小鳥遊先輩。文化祭、僕と回りませんか?」
ちらりと、お兄ちゃんのほうをみると、お兄ちゃんは愛梨ちゃんに誘われていた。危ない。昨日誘っておいてよかった。
「ごめんね、お兄ちゃんと回るから」
私がそういうと、鈴木くんは、しょんぼりした顔でそうですか、と言った。ちょっと、悪いことしちゃったかな。でも、私はお兄ちゃんと回りたいから、申し訳ないけど、無理だ。お兄ちゃんも、私と回るから、と愛梨ちゃんの誘いを断ってくれたので安心する。
さて、文化祭がついにやってきた。まずは、オープニングの寸劇だ。控え室でドレスを着たお兄ちゃんの顔は青い。
「どうして、僕がこんな目に……」
今年は白雪姫をもした寸劇をするんだよね。当然、お兄ちゃんが白雪姫だ。
「お兄ちゃん、とっても可愛いよ」
だから、自信もって。ちなみに、私は七人の小人そのいちだ。そして、やはり王子役は、冴木先輩だ。冴木先輩も、お兄ちゃんの肩にぽんと手をおいた。
「優、すっごく似合ってるぞ」
「似合ってる似合ってないの、問題じゃないんだけど……」
けれど、結局最終的にお兄ちゃんは腹をくくり、見事、白雪姫を演じて見せた。冴木先輩とお兄ちゃんのキスシーンは、ふりだけど、とてもどきどきしてしまったし、黄色い悲鳴が色んなところであがっていた。
さて、寸劇と合唱コンクール終われば自由時間だ。今回は、私もお兄ちゃんも屋台を二日目全部することになっているので、一日目しか回れない。全力で楽しむぞ。
お兄ちゃんを待っていると、知らない男の人に話しかけられた。
「ねぇ、ねぇ、そこの君」
制服が違うので、文化祭を見に来た他校生だろう。
「ここの、やきそばの屋台に行きたいんだけど、道案内をしてもらえないかな」
「ええっと、角を右に曲がって──」
「わかりにくいから、直接教えてよ。なんなら、やきそばおごるし」
えっ。やきそばおごってくれるの。って、ちょっと、ぐらいついたけど、お兄ちゃんを待ってなきゃいけないから、だめだよね。
「すみません、人を待ってるので。直接は、ちょっと」
「いーじゃん。教えてよ」
「やきそばの屋台は、その角を右に曲がって二つ目の屋台ですよ。わかりづらければ、僕がお連れしましょうか?」
私が困っていると、お兄ちゃんが颯爽と現れ、道案内をしてくれた。
「いや、やっぱり大丈夫です……」
といって、男の人は去っていってしまった。屋台とは逆方向だけど、大丈夫かな? そう思って首をかしげていると、お兄ちゃんが頬をふくらませた。
「やっぱり、朱里から目を離しちゃだめだね。可愛いから、すぐナンパされる」
「えっ、今のナンパだったの」
全然気がつかなかった。お兄ちゃんは答える代わりに、ぎゅっと、私の手を握る。
「でも、お兄ちゃんのほうがずっと、可愛いくてかっこいいのに。私だったら、そのままお兄ちゃんに案内してもらっちゃうな」
「朱里だったら、どこにだって、案内してあげるよ」
お兄ちゃんがあまりに真剣な顔でいうので、思わず、笑う。
「じゃあ、まずはどこを案内してくれますか? お兄ちゃん」
「そうだな、おすすめは、僕のクラスのタピオカなんてどう?」
「ふふ、じゃあ、お願いします」
お兄ちゃんと手を繋いで、文化祭を回る。すれ違った、彩月ちゃんに冷やかされたりもしたけれど、とても素敵な文化祭になった。
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