2 / 2
再告白
しおりを挟む
少女漫画のストーリーは単純で、お金持ち学園である私立王海学園に、庶民の中川日奈子が特待生として転入してくる。成績優秀な日奈子は、生徒会の役員になり、その天真爛漫な性格で生徒会のイケメンたちを恋に落とす。もちろんそれは、生徒会長の九条充も例外じゃない。
それに嫉妬した河野涼香は、日奈子をいじめる。
けれど、最後には実は日奈子がこの国の一大グループである、東藤の一人娘であることがわかり、私の実家は没落し、ハッピーエンド。生徒会の誰と日奈子が結ばれたかは、読者の想像に任せるという書き方だった。
漫画のストーリーから没落しないようにするには、簡単だ。日奈子をいじめなければ良い。それに、九条さんのことを諦めることができれば、完璧だ。
でも。
私は、九条さんのことが好きだ。どうしようもないくらい。九条さんを日奈子にとられたくない。
だから、私は。
翌日。
「おはようございます!」
すぅ、と大きく息を吸い込んで、挨拶をする。
「おはよ」
「おはよう」
生徒会の皆も挨拶を返してくれた。今日は入学式が終わったら、おしまいだ。始業式は明日なので、まだ、日奈子も転入してきていない。
九条さんと目があったけれど、すぐにそらされてしまった。そのことに傷つく。
「じゃあ、皆集まったし、それぞれの持ち場にいこっか」
「はい」
副会長の赤城正也さんの言葉でみんなが、散らばる。
私は、新入生の受け付け係だった。
名簿で名前を確認しながら、受付をしていく。
「……?」
ふと、受付中に視線を感じて顔をあげると、青い瞳と目があった。
「俺、動木レオです」
それはさっきも聞いた。日本人としては珍しいこの瞳の男子生徒は、実はハーフだ。なんでしっているかというと、彼もまた、少女漫画に出てくるからだ。生徒会に入った、一年生として。
「あなたの受付は終わったので、ホールに向かってくださいね。ホールの場所は……」
けれどいいかけた言葉は、手を捕まれたことによって、遮られる。
「あの、どうしたら、また、先輩と会えますか?」
先輩……? って、私のこと、かな。わたし何かした? と疑問に思わないでもなかったけれど。
「私は生徒会の書記なので、生徒会室に来てくれればいつでも」
と答えた。すると、動木くんは、生徒会、と呟いて、去っていってしまった。
なんだったんだろう。
まぁ、いいか。
「ご入学おめでとうございます。……お名前を教えていただいても?」
私は再び、名簿と新入生に集中することにした。
入学式が終わった後、再び、九条さんを呼び出す。
「あのっ、九条さん」
「どうしたの、河野さん」
私は悪役で。この想いがないほうが、幸せになれるってしってる。でも。
「私、九条さんのこと、諦めません。この一年間で伝えてみせます。私がどれだけ、九条さんのことが好きなのか」
それに嫉妬した河野涼香は、日奈子をいじめる。
けれど、最後には実は日奈子がこの国の一大グループである、東藤の一人娘であることがわかり、私の実家は没落し、ハッピーエンド。生徒会の誰と日奈子が結ばれたかは、読者の想像に任せるという書き方だった。
漫画のストーリーから没落しないようにするには、簡単だ。日奈子をいじめなければ良い。それに、九条さんのことを諦めることができれば、完璧だ。
でも。
私は、九条さんのことが好きだ。どうしようもないくらい。九条さんを日奈子にとられたくない。
だから、私は。
翌日。
「おはようございます!」
すぅ、と大きく息を吸い込んで、挨拶をする。
「おはよ」
「おはよう」
生徒会の皆も挨拶を返してくれた。今日は入学式が終わったら、おしまいだ。始業式は明日なので、まだ、日奈子も転入してきていない。
九条さんと目があったけれど、すぐにそらされてしまった。そのことに傷つく。
「じゃあ、皆集まったし、それぞれの持ち場にいこっか」
「はい」
副会長の赤城正也さんの言葉でみんなが、散らばる。
私は、新入生の受け付け係だった。
名簿で名前を確認しながら、受付をしていく。
「……?」
ふと、受付中に視線を感じて顔をあげると、青い瞳と目があった。
「俺、動木レオです」
それはさっきも聞いた。日本人としては珍しいこの瞳の男子生徒は、実はハーフだ。なんでしっているかというと、彼もまた、少女漫画に出てくるからだ。生徒会に入った、一年生として。
「あなたの受付は終わったので、ホールに向かってくださいね。ホールの場所は……」
けれどいいかけた言葉は、手を捕まれたことによって、遮られる。
「あの、どうしたら、また、先輩と会えますか?」
先輩……? って、私のこと、かな。わたし何かした? と疑問に思わないでもなかったけれど。
「私は生徒会の書記なので、生徒会室に来てくれればいつでも」
と答えた。すると、動木くんは、生徒会、と呟いて、去っていってしまった。
なんだったんだろう。
まぁ、いいか。
「ご入学おめでとうございます。……お名前を教えていただいても?」
私は再び、名簿と新入生に集中することにした。
入学式が終わった後、再び、九条さんを呼び出す。
「あのっ、九条さん」
「どうしたの、河野さん」
私は悪役で。この想いがないほうが、幸せになれるってしってる。でも。
「私、九条さんのこと、諦めません。この一年間で伝えてみせます。私がどれだけ、九条さんのことが好きなのか」
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ男子の告白を断ってから毎日家の前で待ち伏せされるようになった話
チハヤ
恋愛
「告白の返事を撤回してくれるまで帰らない」と付きまとわれても迷惑なので今日こそ跳ねのけようと思います――。
ヤンデレ男子×他に好きな人がいるヒロインのとある冬の日の出来事。
メリバです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
悪役令嬢に転生しましたが、全部諦めて弟を愛でることにしました
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に転生したものの、知識チートとかないし回避方法も思いつかないため全部諦めて弟を愛でることにしたら…何故か教養を身につけてしまったお話。
なお理由は悪役令嬢の「脳」と「身体」のスペックが前世と違いめちゃくちゃ高いため。
超ご都合主義のハッピーエンド。
誰も不幸にならない大団円です。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
小説家になろう様でも投稿しています。
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
悪役とは誰が決めるのか。
SHIN
恋愛
ある小さな国の物語。
ちょっとした偶然で出会った平民の少女と公爵子息の恋物語。
二人には悪役令嬢と呼ばれる壁が立ちふさがります。
って、ちょっと待ってよ。
悪役令嬢だなんて呼ばないでよ。確かに公爵子息とは婚約関係だけど、全く興味は無いのよね。むしろ熨斗付けてあげるわよ。
それより私は、昔思い出した前世の記憶を使って色々商売がしたいの。
そもそも悪役って何なのか説明してくださらない?
※婚約破棄物です。
お人形令嬢の私はヤンデレ義兄から逃げられない
白黒
恋愛
お人形のように綺麗だと言われるアリスはある日義兄ができる。
義兄のレイモンドは幼い頃よりのトラウマで次第に少し歪んだ愛情をアリスに向けるようになる。
義兄の溺愛に少し悩むアリス…。
二人の行き着く先は…!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる