軽いノリでチョコレートを渡したら、溺愛されまして

夕立悠理

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そのさん

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「りーさっ! どうしたの、暗い顔して」
休みが明けて学校にいくと、智美ちゃんが心配そうな顔をした。
「おはよう、智美ちゃん……」
「おはよ……って、すごいクマだよ! どうしたどうした? チョコレート渡せなかったの?」
「うっ、ううん」
チョコレートは、ちゃんと渡せた。それに。

 『俺も、高倉さんのこと好きだから』

 「っ!」
記憶が蘇って真っ赤になる。あれ、夢じゃない……よね?

 「さっきから理沙ってば、赤くなったり青くなったり、忙しいね? なにがあったの?」
智美ちゃんに、東藤先輩にチョコレートを渡せたこと。そして、東藤先輩と両想いだったことを話す。

 「えっ、すごいじゃん! じゃあ、二人は付き合うことになったんだよね。おめでとう」

 ……付き合う? どうなんだろう。東藤先輩に告白してその気持ちに答えてもらったところまでは覚えているけれど、それからどんな話をしたのか全く覚えてない。

 それに、少女漫画での私の立場は悪役だ。東藤先輩を脅すようなことはしていない。でも……。

 「……それは、どうかな」
曖昧に言葉を濁す。
「えー!? 付き合わないの?」

 付き合いたい、と思うけど。そうすることで、悪役に近づいて、東藤先輩から嫌われるのは嫌だ。

 「……?」
「なんか、入り口が騒がしいね」
「うん」
教室の入り口がなんだか騒がしい。どうしたんだろう。

 疑問はすぐに解決した。ひょっこりと、教室の扉から顔を覗かせた、東藤先輩によって。

 「あっ、いた。理沙ちゃん!」
「……え?」
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