星に祈りをかけるなら、

夕立悠理

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そのじゅう

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「ん……」
「起きた? 起きたなら寮まで送るから、支度してほしいんだけど」
ライオネルさんの言葉にはっ、と飛び起きる。
「そんなに急がなくてもいいよ」
苦笑されてしまった! 恥ずかしく思いながら、支度を整える。といっても、持ち物は既にライオネルさんがまとめてくれていたのだけれど。

 「ん、じゃあ、行こうか」
「ライオネルさん、私、自分で帰れます」
魔法の暴走で迷惑をかけたあげくに、送ってもらうだなんて申し訳ない。

 「ぶっ倒れた子を安心して帰せるわけないでしょ。ましてや、こんな暗い中。女の子なんだし」
女の子。なんだかそう言われると、年下になったような気分になる。ライオネルさんに素直にそういうと、ライオネルさんは顔をしかめた。

 「あんた、僕がいくつだと思ってるの?」
「ええと、16、いや15?」
「不正解。18だよ。年下なんだから、年下扱いされなよ」
確かに私の方が年下だった。でも、18歳だなんて、なんか意外だ。

 「……送ってくださり、ありがとうございます」
「よろしい」

 ライオネルさんは得意気にわらった。ライオネルさんが冷酷だっていう噂はやっぱり噂だ。こんなに優しい人なのに。どうして、そんな噂がたつんだろう。

 そんなことを考えながら、ライオネルさんと歩いていると、寮についた。
「本当に、ありがとうございました」
「どういたしまして。じゃあ、また明日ね」

 そういって、ひらひらと手を振られる。私も、手を振り返して寮の中に入った。


 寮の中で、夕食をとる。うう、やっぱり視線が気になるわ。いっそのこと、話しかけて友人になれば気にならなくなるのかしら。
「ナターシャ」
名前を呼ばれ、顔をあげるとリオンさんだった。

 初日だったけれど、ライオネルさんとうまくやっていけそうかと聞かれ、今日のことを話した。
「……珍しいな」
「え?」

 「ライオネルが誰かを自分の意思でわざわざ送るなんて」
「そうなんですか?」
ライオネルさんのあの様子だと、初めてってわけでもなさそうだけれど。

 「お前、ライオネルに気に入られたのかもな。……とにかく、仲良くやれそうで安心した」

 そういってリオンさんは食堂を出ていってしまった。気に入られているかはともかく。仲良くはやっていけそうだ。明日からも、頑張ろう。
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