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日向ぼっこ

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7章.神々の思惑編

124話.次元のルール

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 クロムはカオスが残した言葉を噛みしめて、その言葉の意味を考える。
空間術は魔術の中の一つの属性である――
ただし、イメージや魔術量以外の要素で空間術の規模や強度が変わる――
空間術を極めることができるのは神のみ――

「最初の2つはなんとなく理解はできるが……
 なぜ神しか空間術を極められないんだ……??」

 クロムはカオスが残した言葉のうち、最後に言い残した言葉が気になった。
カオスとの付き合いの中で、カオスがわざわざ言い残す言葉には意味があるということをクロムは経験として覚えていた。

「神と神以外の違いにその答えがあるということか?」

 クロムの問いかけにカオスは応じなかった。

「これ以上のアドバイスはなし…… 自分で足掻いてあがいて答えを出せってことか」

 カオスの意図をそのように解釈したクロムは、神と神以外の違いについて考え始める。
最初に思い付いたことは、<この世界に存在する如何なるいかなるものも神を傷つけることができない>というこの世界のルール。
しかしこのルールは神の絶対的な優位性を確実にしているだけのものであり、クロムには空間術と何かしらの関係があるものとは思えなかった。

「ん~……、わからん」

 クロムはいくつかの違いを思いつくものの、その全てが空間術と何かしらの関係があるものとは思えなかった。
そして思考に行き詰ったクロムは、その場に腰を下ろして静かに目を閉じた。

『あんたねぇ……、行き詰ったからってこんなところで昼寝でもする気なの?』

「ナビか……
 昼寝はしないよ、違う角度から考えるためにただ少し頭を休めているだけさ。
 ……何かヒントでもあるのか?」

『僕も何かを知っているわけじゃないよ。
 神と神以外の違いからわかることがないのなら、神とは何? というところから考えたらいいんじゃないの?』

 ナビの指摘を聞いたクロムは何かを感じた、神とはなんだという問いの先に何かがあると。
そして、クロムは自問する――
神とは、全ての次元に同時に存在する者である。
半神であった精霊王と神である自分の違いは……
2つの次元にのみ存在していた精霊王、それに対して自分がしたことは――
精霊王を虚無の次元に消し去った。
ただ、その時必死だったこともあって精霊王が存在しない次元においても同じ座標の地点を消し去っていた、無意識にではあったが――

「!!!!!
 もしかして…… そういうことなのか?」

 この世界はいくつかの特殊な次元にのみ生物が存在している、これはおそらく創造神がそういう世界として創造したためだと思う。
そして、それらの次元以外は神と無機質なものだけが存在している。
そして、この次元で火を起こせば、他の次元でもそれに追随ついずいするように同じ座標の地点に火が起こる。
この次元のルールは、カオスが神になる方法を説明したときに一緒に説明してくれた内容でもあった。

 クロムはそこで一つの推論を立てる。
先ほどの例で、他の次元にも発生した火を全て消した場合――
火を消したという事象は、最初に火を起こした次元に戻ってくるのかどうか――
一つの次元で発生した事象は、そのまま他の次元に干渉して同じ事象が発生する――
 そうなると<ルーム>が作り出す次元は??
あれは元々存在する次元ではなく、次元の狭間に無理やり作り出した空間?

『なんか難しいこと言い過ぎてて、何が言いたいのかよくわからないけど……』

「推論しながらの独り言に文句言うなよな。
 ようするに、本来は全ての次元において同じことが発生するのがこの世界のルール。
 だけどそれを捻じ曲げた場合、次元によって発生していることが違う状態にしたとき――」

『どういうこと?』

「Aという座標に火が起こっている次元とAという座標に火が起こっていない次元が同時に存在することは本来この世界のルールではありえない。
 しかしいくつもの次元が存在していることを知っている神が空間術を使った場合のみ、この状態を作り出すことはできる。
 そして、ある1つの次元で火が起こされた時にその他の次元の火を全て消したら、火を起こした次元の火は消えるのかどうか―― ってことだよ。
 万が一消えるとしたら、あとで発生させた事象が全ての次元に伝播し現象を上書きする……なのか、それともより多くの次元で発生していることが全ての次元に伝播し現象を上書きするなのか…… ということになる」

『さすが僕が見込んだだけはあるね!
 まさかこんなに早くその推論までたどり着くとは思っていなかったよ♪
 たださ今はまだただの推論だからね?
 しかも複数の可能性が残っているよ?
 そしてその理論が正しいとした場合、きみの<ルーム>やこの次元牢はなぜ他の次元に存在していないのか?』

「そんなもんここで実際に試してみるしかないだろ」

 そういいながら何かの準備を始めるクロム。
クロムのその言動を見たカオスは愉快そうな笑い声をクロムの脳内に響かせるのであった。
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