140 / 147
8章.神々の黄昏編
132話.クロムの成長
しおりを挟む
『ふむ……、支配下に置いている次元の数では負けてはいないはずだったが』
自分の肩より先の右腕の全てが消え去ったことに対するメテオライトの反応は至って冷静なものであった。
なぜこの現象が起きたのかを理解できない、なぜだという疑問の答えを探しているといった感じだ。
「右腕がなくなったというのに余裕そうだな」
『そんな些細なことが大事なのか?
空間術を極めた者とは思えぬ問いであるな』
そう言った時には、消え去ったはずのメテオライトの右腕が消え去る前の姿で確かにそこにあった。
「<並列世界間での事象改変の法則>…… だったか?
過半数以上の平行世界で起こした事象はその他の次元にも影響を与える。
まさか部位欠損すらなかったことにできるとは思ってなかったよ」
『空間術を極めたなどと言うた割には、その程度も知らぬのか……
また我を失望させるなよ!!!』
メテオライトは数百という土の鋲を空中に生成して一斉にクロム目掛けて放った。虚を衝かれたクロムであったが、冷静に飛来する土の鋲を消し去ってゆく。
順調に土の鋲を消し去ってゆく中、ふいにクロムは左頬に痛みを感じた。
「ふぅ~、並列世界への事象改変力は少し俺が負けている…… ってことか」
クロムは左頬を伝え流れるものを手で拭いながら、ため息交じりにメテオライトを見る。
表情には出さないもののクロムはかなり必死に行った今回の並列世界への事象改変、それに対抗するように事象改変の上書きをしたメテオライト。
クロムの目には、メテオライトの事象改変はかなり余裕をもって行っていたように写っていた。
――単純な事象改変の争いでは完全に分が悪いな……
『極めたなど大層なことをいう割には、まだまだじゃな。
いや、これ以上を期待するのがそもそも酷であるか……
これ以上時間を与えたところでここが限界じゃろうし、ここで消え去るがよい』
メテオライトが右腕をクロムに向けて突き出すと、クロムはうっすらと黒色の泡のようなものに包まれた。
『カオス共々、消えされ』
クロムを包みこむ黒い泡は、徐々に黒さを増しながら圧縮してゆき、ついには消え去った。
『あっけないものじゃな、この程度なら前回滅ぼしておけばよかった。
さて、残りはあの街を我が自ら滅ぼすとしようか』
メテオライトは都市国家ミレストンを街ごと消し去るべく街へと歩き出した。
しかしメテオライトがミレストンにたどり着くことはなかった。
「勝手に終わらせないでもらいたいね!」
聞こえるはずのない声、そんなものが聞こえたとあれば例え創造神であっても不気味さゆえに立ち止まるしかなかった。
そして、振り返ったメテオライトが見たものはまさしくいるはずのない存在、クロムであった。
そんなあり得ない事態にメテオライトは激しく動揺した、それは時間にすれば一瞬ではあったが。
「くらえ!!」
クロムが何かを圧縮したような真っ白な球を放った。
メテオライトの一瞬の硬直の隙をつくように放たれた白い球がメテオライトの右肩に直撃すると、メテオライトの右肩が一瞬で消滅して右腕が地面に落ちた。
クロムが放った白い球の正体は、極限まで圧縮させたルームそのものであった。
作り出した異空間を極限まで圧縮した結果、全てを吸い込み消し去るブラックホールのようなものが出来上がったのである。
――ブラックホールのような白い球、何か意味があるのかね。
クロムがそんなことを考えているとき、メテオライトは初めてクロムに対して恐怖を感じていた。
クロムが何をしたのかメテオライトにはまったく想像すらできなかったためである。
なんでもできるが何かに特化しているわけではない、創造神とはそういう存在である。
それぞれに特化している何かを司る神には一部能力で劣ることはある。
今回の出来事はまさにそのパターンの出来事なのではあるが、長年全知全能として君臨してきたメテオライトにはその考えに至ることすら困難であった。
しかしそのような動揺も一瞬であった。
わからないことは不気味ではあるが、現状への対応を優先したのだった。
『面白いことをするものだな。
だが、修復してしまえば良いだけの話じゃ』
創造神の右腕が修復することは、なかった――。
自分の肩より先の右腕の全てが消え去ったことに対するメテオライトの反応は至って冷静なものであった。
なぜこの現象が起きたのかを理解できない、なぜだという疑問の答えを探しているといった感じだ。
「右腕がなくなったというのに余裕そうだな」
『そんな些細なことが大事なのか?
空間術を極めた者とは思えぬ問いであるな』
そう言った時には、消え去ったはずのメテオライトの右腕が消え去る前の姿で確かにそこにあった。
「<並列世界間での事象改変の法則>…… だったか?
過半数以上の平行世界で起こした事象はその他の次元にも影響を与える。
まさか部位欠損すらなかったことにできるとは思ってなかったよ」
『空間術を極めたなどと言うた割には、その程度も知らぬのか……
また我を失望させるなよ!!!』
メテオライトは数百という土の鋲を空中に生成して一斉にクロム目掛けて放った。虚を衝かれたクロムであったが、冷静に飛来する土の鋲を消し去ってゆく。
順調に土の鋲を消し去ってゆく中、ふいにクロムは左頬に痛みを感じた。
「ふぅ~、並列世界への事象改変力は少し俺が負けている…… ってことか」
クロムは左頬を伝え流れるものを手で拭いながら、ため息交じりにメテオライトを見る。
表情には出さないもののクロムはかなり必死に行った今回の並列世界への事象改変、それに対抗するように事象改変の上書きをしたメテオライト。
クロムの目には、メテオライトの事象改変はかなり余裕をもって行っていたように写っていた。
――単純な事象改変の争いでは完全に分が悪いな……
『極めたなど大層なことをいう割には、まだまだじゃな。
いや、これ以上を期待するのがそもそも酷であるか……
これ以上時間を与えたところでここが限界じゃろうし、ここで消え去るがよい』
メテオライトが右腕をクロムに向けて突き出すと、クロムはうっすらと黒色の泡のようなものに包まれた。
『カオス共々、消えされ』
クロムを包みこむ黒い泡は、徐々に黒さを増しながら圧縮してゆき、ついには消え去った。
『あっけないものじゃな、この程度なら前回滅ぼしておけばよかった。
さて、残りはあの街を我が自ら滅ぼすとしようか』
メテオライトは都市国家ミレストンを街ごと消し去るべく街へと歩き出した。
しかしメテオライトがミレストンにたどり着くことはなかった。
「勝手に終わらせないでもらいたいね!」
聞こえるはずのない声、そんなものが聞こえたとあれば例え創造神であっても不気味さゆえに立ち止まるしかなかった。
そして、振り返ったメテオライトが見たものはまさしくいるはずのない存在、クロムであった。
そんなあり得ない事態にメテオライトは激しく動揺した、それは時間にすれば一瞬ではあったが。
「くらえ!!」
クロムが何かを圧縮したような真っ白な球を放った。
メテオライトの一瞬の硬直の隙をつくように放たれた白い球がメテオライトの右肩に直撃すると、メテオライトの右肩が一瞬で消滅して右腕が地面に落ちた。
クロムが放った白い球の正体は、極限まで圧縮させたルームそのものであった。
作り出した異空間を極限まで圧縮した結果、全てを吸い込み消し去るブラックホールのようなものが出来上がったのである。
――ブラックホールのような白い球、何か意味があるのかね。
クロムがそんなことを考えているとき、メテオライトは初めてクロムに対して恐怖を感じていた。
クロムが何をしたのかメテオライトにはまったく想像すらできなかったためである。
なんでもできるが何かに特化しているわけではない、創造神とはそういう存在である。
それぞれに特化している何かを司る神には一部能力で劣ることはある。
今回の出来事はまさにそのパターンの出来事なのではあるが、長年全知全能として君臨してきたメテオライトにはその考えに至ることすら困難であった。
しかしそのような動揺も一瞬であった。
わからないことは不気味ではあるが、現状への対応を優先したのだった。
『面白いことをするものだな。
だが、修復してしまえば良いだけの話じゃ』
創造神の右腕が修復することは、なかった――。
30
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します
三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。
身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。
そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと!
これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。
※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。
前世は不遇な人生でしたが、転生した今世もどうやら不遇のようです。
八神 凪
ファンタジー
久我和人、35歳。
彼は凶悪事件に巻き込まれた家族の復讐のために10年の月日をそれだけに費やし、目標が達成されるが同時に命を失うこととなる。
しかし、その生きざまに興味を持った別の世界の神が和人の魂を拾い上げて告げる。
――君を僕の世界に送りたい。そしてその生きざまで僕を楽しませてくれないか、と。
その他色々な取引を経て、和人は二度目の生を異世界で受けることになるのだが……
【完結】異世界召喚されたのはこの俺で間違いない?
苔原りゐ
ファンタジー
アデルは平凡で退屈な人生を送っていたが、ある日、突然異世界に召喚される。だがその世界で彼を待ち受けていたのは、期待された「勇者」ではなく、無能と蔑まれる「薄汚いエルフの末裔」としての扱いだった。城から追い出された彼は、優しさと強さを持つ女性エリザと、その娘リリに出会い、二人に拾われ新しい生活を始める。
町や森では不気味な霧や異形の怪物が出現し、人々は奴らに怯える。アデルは「影の王」と呼ばれる存在と接触し、その力に巻き込まれながらも、戦う決意を固める。
戦闘の中でアデルは能力を覚醒させるが、その力は彼自身の命を削る危険なものだった。影の王が放つ怪物や試練に立ち向かう中で、アデルはその力の正体や、自身の真実を求める旅に出ることになる。
俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる