61 / 244
箱庭スローライフ編
第61話 7日目②おっさんは予定を立てる
しおりを挟む
美岬と丸太椅子に並んで座り、ハマグリの殻の湯呑みでハトムギ茶を飲みながら今日の予定を話し合う。
「今日やると決めている活動としては、まずは焼き畑だな。どこを開拓するか、場所の目星はつけてるか?」
「ん。そっすね、日当たりとか、水やりの事なんかも考えて、この拠点と洗濯場の中間ぐらいがいいかなーと思ってるっすけど」
「あの辺か?」
該当する辺りを指差すと美岬がうなずく。
「そっす。ある程度開けてる場所っすから火事にはならないと思うっすけどどうすかね?」
「あそこならちゃんと火の番をしていれば問題ないだろ。広さは?」
「とりあえず10㍍四方ぐらいから始めてみたらどうっすかね? 焼き畑はあくまでさつま芋と豆類専用にして、野菜用には腐葉土を使った別の畑をと考えてるんすけど」
「おっけ。じゃあその範囲を囲うように浅い溝──防火帯を掘っておいてそれ以上燃え広がらないようにしておいた方がいいな」
「それでいいと思うっす。それ以外で今日やることって何があるっすか?」
「そうだな……この場所の屋根作りなんかのクラフトも進めていきたいが、それに先立って材料の調達はしなきゃいかんよな。焼き畑で燃やすための落ち葉を集めに林に入る時に、使えそうな枯れ木や枯れ枝も積極的に集めておくのがいいな。クラフトに使わなくても薪には使えるし」
「ふむふむ。了解っす」
「ただ、麻紐がもうかなり少ないよな?」
元々100㍍の1玉だったが、筏と共にロストした分とかトイレ小屋などのクラフトにも色々使った結果、残りはせいぜい10㍍ぐらいまで減ってしまった。
「それはあたしも気になってたっす。昨日のトイレ小屋でかなり使っちゃったっすもんね」
「サバイバルでは何をするにも結ぶ紐は必須だからな。葛の群生地へのルートも開通したから葛を集めてきてそれから繊維をとる作業も優先的に進めていかないと手詰まりになるな」
「それは大事っすよね。葛の蔓を集めるなら、根も集めたいっすけど……」
「そうだな。だが、今日そこまでするのはたぶんオーバーワークだ。だから蔓を集める時に根元に印だけしておいて葛芋を掘るのはまた後日ってことにした方がいいと思う」
「そっすねー。蔓集めるだけならすぐ終わるっすけど、芋掘りは時間かかるっすもんね」
「それもあるが、掘った葛芋を加工するにも水の漏れない大きな容器が必要になるからな。コッヘルではさすがに小さすぎる。出来なくはないがかなり手間がかかる」
「タライとか桶みたいな?」
「ああ。とりあえず虚がある倒木を玉切りにして、中をくり貫いて、底板を木釘と松ヤニの接着剤で留めれば水の漏れない簡単な桶っぽいものは作れると思うからまずそれを作ってからかな。粘土で土器が作れるならそれでもいいが」
昨日、トイレ穴を掘っていた時に土の下が粘土層になっていたから、あれが土器に使えるならいいんだが。煮炊きに使える土鍋とか切実に欲しい。
「ふむふむ。いずれにしてもすぐには無理ってことっすね」
「そうだな。あとは、食材の乾物への加工とか、塩作りなんかもそろそろ進めていきたいところだな。この辺りは他の作業の進捗にもよるけど、自生してる豆で醤油を仕込むなら塩は早めに必要だからあまり先延ばしにはできんよな。その豆……ハマエンドウだったか? の収穫もしていかないとな」
「むぅ、まだまだやること山積みっすねぇ。あ、あたしはこの後まずは植物の世話をしなきゃっす。特に最初に仕込んだ緑豆は芽が出始めてるっすから、根が絡み合う前に仕分けして作付の準備もしたいっす。あ、それで思い出したっすけど、モヤシとか豆苗はどうするっすか?」
「そういえば元々はモヤシ目的だったもんな。食べれるなら食べたいが、量に余裕はあるのか?」
「……実は、仕込み過ぎってぐらい余裕っす。筏の上で緑豆は持ってきてた分を全部仕込んじゃったっすけど、緑豆って小さい豆だから数でいうとちょっととんでもない数字になっちゃうんすよね。手のひら一掬いで数百とか。……で、1粒の豆から苗が1本成長することを考えると……」
「おっけ。みなまで言わずともよく分かった。しばらくはモヤシとか豆苗をたらふく食えるわけだな」
「そういうことっす。光を通さないエチケット袋に入れておけばモヤシになるっすし、袋の口を開けておいて上から光が入るようにしておけば光の方に芽を伸ばして豆苗になるっす。今からモヤシ用と豆苗用に分けておけば、あと3日ぐらいで食べれるぐらいまで育つっすね。それで食べきれずに育ちすぎた豆苗を作付に回すというのでどうっすかね?」
「なるほど。それでいこう。仕込みからたった1週間で収穫出来るとは緑豆モヤシは素晴らしいな」
「少しずつ順々に仕込んでおけば長く食べられたのに、とちょっと後悔してるっす」
「それは結果論だから言えることだ。漂流中はそこまで考える余裕も無かったし、それがベストだと思ってたんだから今更気にしてもしょうがない」
「そっすね。……一応、モヤシに使える大豆とか小豆なんかは全部仕込まないで少し残してあるっすけど」
「はは。そういうところはさすがだな! 豆類以外はどうだ?」
「うーん、手は尽くしたっすけどやっぱり海水にやられたトウモロコシの苗はダメだったっすね。それ以外はまだ芽も出てないからなんとも言えないっすけど、アイスプラントはいつでも地植え出来るんで時間を見つけて海浜植物ゾーンに植えてくるっす。あと個人的に力を入れたいのはひよこ豆なんすよ」
「ひよこ豆か。確か砂漠というか乾燥地帯の植物だよな」
昔、インドとか中東とかアフリカを旅していた時によく食べたな。豆というより栗みたいな味と食感だったと記憶している。
「お、その名前を知ってるとはさすが料理人。ガルバンゾはスペイン語っすね。そうなんす。ひよこ豆は痩せた土地を好む湿度に弱い豆なんで、日本の本土ではまったく商業生産されてなくて北海道で試験的に育てられてる程度なんすよ。だから湿度が低くて土地があまり肥えてなくて水捌けがいい島の土壌に合ってるんじゃないかと思うんすよね。上手くいけばアイスプラント共々、島の特産品になるかもって期待してたんす」
「なるほど。面白いな。……ははあ、美岬が持ち込んだ植物の中でやけにマイナーな種類は島の特産品候補ってことか。唐辛子もそうだな?」
「正解っす。唐辛子系は育てる土壌で辛さが変わるんで島で育てたら独自のブランド品種にならないかな、と」
「いいな。そういう取り組みは夢とロマンがあって好きだぞ。ところでひよこ豆だが、湿度に弱いってことは他の豆類とは畑は別にするのか?」
「あ、そっすね。水やりもあまりしない方がいいんで、この辺りの砂と土が混ざった地面に直接蒔いてみて様子を見守ってみようと思ってるっす」
「おっけ。じゃあ美岬はこの後、植物の世話をやってもらおうか。俺は林に入って焼き畑用の落ち葉やクラフト用の木材を集めるところから始めようと思うんだが」
「あいあい。スコップ使ってもいいっすか?」
「おう。俺はとりあえず鋸と鉈があれば十分だ。落ち葉や小枝を運ぶのに美岬のスポーツバッグを借りていいか?」
「どうぞどうぞ。使っちゃってくださいっす」
とりあえずこれからやることは決まった。俺はハマグリの湯呑みに僅かに残ったハトムギ茶を飲み干して立ち上がった。美岬も続いて立ち上がり、大きく伸びをする。
「んんー……ふぅ。よし、じゃあ今日も頑張っていきましょー!」
「今日やると決めている活動としては、まずは焼き畑だな。どこを開拓するか、場所の目星はつけてるか?」
「ん。そっすね、日当たりとか、水やりの事なんかも考えて、この拠点と洗濯場の中間ぐらいがいいかなーと思ってるっすけど」
「あの辺か?」
該当する辺りを指差すと美岬がうなずく。
「そっす。ある程度開けてる場所っすから火事にはならないと思うっすけどどうすかね?」
「あそこならちゃんと火の番をしていれば問題ないだろ。広さは?」
「とりあえず10㍍四方ぐらいから始めてみたらどうっすかね? 焼き畑はあくまでさつま芋と豆類専用にして、野菜用には腐葉土を使った別の畑をと考えてるんすけど」
「おっけ。じゃあその範囲を囲うように浅い溝──防火帯を掘っておいてそれ以上燃え広がらないようにしておいた方がいいな」
「それでいいと思うっす。それ以外で今日やることって何があるっすか?」
「そうだな……この場所の屋根作りなんかのクラフトも進めていきたいが、それに先立って材料の調達はしなきゃいかんよな。焼き畑で燃やすための落ち葉を集めに林に入る時に、使えそうな枯れ木や枯れ枝も積極的に集めておくのがいいな。クラフトに使わなくても薪には使えるし」
「ふむふむ。了解っす」
「ただ、麻紐がもうかなり少ないよな?」
元々100㍍の1玉だったが、筏と共にロストした分とかトイレ小屋などのクラフトにも色々使った結果、残りはせいぜい10㍍ぐらいまで減ってしまった。
「それはあたしも気になってたっす。昨日のトイレ小屋でかなり使っちゃったっすもんね」
「サバイバルでは何をするにも結ぶ紐は必須だからな。葛の群生地へのルートも開通したから葛を集めてきてそれから繊維をとる作業も優先的に進めていかないと手詰まりになるな」
「それは大事っすよね。葛の蔓を集めるなら、根も集めたいっすけど……」
「そうだな。だが、今日そこまでするのはたぶんオーバーワークだ。だから蔓を集める時に根元に印だけしておいて葛芋を掘るのはまた後日ってことにした方がいいと思う」
「そっすねー。蔓集めるだけならすぐ終わるっすけど、芋掘りは時間かかるっすもんね」
「それもあるが、掘った葛芋を加工するにも水の漏れない大きな容器が必要になるからな。コッヘルではさすがに小さすぎる。出来なくはないがかなり手間がかかる」
「タライとか桶みたいな?」
「ああ。とりあえず虚がある倒木を玉切りにして、中をくり貫いて、底板を木釘と松ヤニの接着剤で留めれば水の漏れない簡単な桶っぽいものは作れると思うからまずそれを作ってからかな。粘土で土器が作れるならそれでもいいが」
昨日、トイレ穴を掘っていた時に土の下が粘土層になっていたから、あれが土器に使えるならいいんだが。煮炊きに使える土鍋とか切実に欲しい。
「ふむふむ。いずれにしてもすぐには無理ってことっすね」
「そうだな。あとは、食材の乾物への加工とか、塩作りなんかもそろそろ進めていきたいところだな。この辺りは他の作業の進捗にもよるけど、自生してる豆で醤油を仕込むなら塩は早めに必要だからあまり先延ばしにはできんよな。その豆……ハマエンドウだったか? の収穫もしていかないとな」
「むぅ、まだまだやること山積みっすねぇ。あ、あたしはこの後まずは植物の世話をしなきゃっす。特に最初に仕込んだ緑豆は芽が出始めてるっすから、根が絡み合う前に仕分けして作付の準備もしたいっす。あ、それで思い出したっすけど、モヤシとか豆苗はどうするっすか?」
「そういえば元々はモヤシ目的だったもんな。食べれるなら食べたいが、量に余裕はあるのか?」
「……実は、仕込み過ぎってぐらい余裕っす。筏の上で緑豆は持ってきてた分を全部仕込んじゃったっすけど、緑豆って小さい豆だから数でいうとちょっととんでもない数字になっちゃうんすよね。手のひら一掬いで数百とか。……で、1粒の豆から苗が1本成長することを考えると……」
「おっけ。みなまで言わずともよく分かった。しばらくはモヤシとか豆苗をたらふく食えるわけだな」
「そういうことっす。光を通さないエチケット袋に入れておけばモヤシになるっすし、袋の口を開けておいて上から光が入るようにしておけば光の方に芽を伸ばして豆苗になるっす。今からモヤシ用と豆苗用に分けておけば、あと3日ぐらいで食べれるぐらいまで育つっすね。それで食べきれずに育ちすぎた豆苗を作付に回すというのでどうっすかね?」
「なるほど。それでいこう。仕込みからたった1週間で収穫出来るとは緑豆モヤシは素晴らしいな」
「少しずつ順々に仕込んでおけば長く食べられたのに、とちょっと後悔してるっす」
「それは結果論だから言えることだ。漂流中はそこまで考える余裕も無かったし、それがベストだと思ってたんだから今更気にしてもしょうがない」
「そっすね。……一応、モヤシに使える大豆とか小豆なんかは全部仕込まないで少し残してあるっすけど」
「はは。そういうところはさすがだな! 豆類以外はどうだ?」
「うーん、手は尽くしたっすけどやっぱり海水にやられたトウモロコシの苗はダメだったっすね。それ以外はまだ芽も出てないからなんとも言えないっすけど、アイスプラントはいつでも地植え出来るんで時間を見つけて海浜植物ゾーンに植えてくるっす。あと個人的に力を入れたいのはひよこ豆なんすよ」
「ひよこ豆か。確か砂漠というか乾燥地帯の植物だよな」
昔、インドとか中東とかアフリカを旅していた時によく食べたな。豆というより栗みたいな味と食感だったと記憶している。
「お、その名前を知ってるとはさすが料理人。ガルバンゾはスペイン語っすね。そうなんす。ひよこ豆は痩せた土地を好む湿度に弱い豆なんで、日本の本土ではまったく商業生産されてなくて北海道で試験的に育てられてる程度なんすよ。だから湿度が低くて土地があまり肥えてなくて水捌けがいい島の土壌に合ってるんじゃないかと思うんすよね。上手くいけばアイスプラント共々、島の特産品になるかもって期待してたんす」
「なるほど。面白いな。……ははあ、美岬が持ち込んだ植物の中でやけにマイナーな種類は島の特産品候補ってことか。唐辛子もそうだな?」
「正解っす。唐辛子系は育てる土壌で辛さが変わるんで島で育てたら独自のブランド品種にならないかな、と」
「いいな。そういう取り組みは夢とロマンがあって好きだぞ。ところでひよこ豆だが、湿度に弱いってことは他の豆類とは畑は別にするのか?」
「あ、そっすね。水やりもあまりしない方がいいんで、この辺りの砂と土が混ざった地面に直接蒔いてみて様子を見守ってみようと思ってるっす」
「おっけ。じゃあ美岬はこの後、植物の世話をやってもらおうか。俺は林に入って焼き畑用の落ち葉やクラフト用の木材を集めるところから始めようと思うんだが」
「あいあい。スコップ使ってもいいっすか?」
「おう。俺はとりあえず鋸と鉈があれば十分だ。落ち葉や小枝を運ぶのに美岬のスポーツバッグを借りていいか?」
「どうぞどうぞ。使っちゃってくださいっす」
とりあえずこれからやることは決まった。俺はハマグリの湯呑みに僅かに残ったハトムギ茶を飲み干して立ち上がった。美岬も続いて立ち上がり、大きく伸びをする。
「んんー……ふぅ。よし、じゃあ今日も頑張っていきましょー!」
127
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる