鬼を飼う、贄を喰う。

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第五幕 鬼と贄

弐拾伍*

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※十八禁性描写の回になります。苦手な方は読み飛ばして下さい。






 牡丹は腰を鎮め、無意識に一番良い場所へと押し当てる。

「ああっ……はぁん」

 快楽を求めるように、ぐりぐりと腰を擦り当て、ただ喘ぐ。

『おいおい、自分だけ善がるのかよ』

 鬼は愉悦混じりの声でぼやくも、目はニタニタと笑っていた。変わらず傍観したままでいるようだ。いや、空いた手はしっかりと牡丹の身体を舐めまわすように蠢いているのだが。それでも目はしっかりと牡丹を捕らえて、後は何もしていない。
 だが今はそれでも構わなかった。ある意味で自慰行為にも等しかったが、忘我に至った牡丹は今、快楽を貪るのに忙しい。

「だって……気持ち良い……」

 息も絶え絶え、喘ぐように牡丹は答える。腰は揺れ、自ら快楽を生み出すことに羞恥心はない。ひと月ぶりの快楽だからか。それとも、鬼の本性が見え隠れしているこの時だからか。それとも、これが最後だからなのか。
 牡丹はひたすらに腰を動かし続け、そうして――。
 
「あああぁん……はあ……」
『化生の竿で果てるなんぞ、イカれてんなぁ』
「あ、だって……」

 反論しようとする牡丹を尻目に、鬼の手が牡丹の腰を掴んだ。一度、持ち上げて浮かせたかと思えば、一気に最奥まで貫く。

「あぁっ!!」 
『で、その色男にも腰振って誘ったのかよ』

 達したばかりの牡丹の膣は難無く鬼の激しい律動を快楽として受け入れた。

「んああっ、気持ち、良い」
『変態に育っちまったなぁ。なあ、こんだけ好きものの身体で、人間なんかで満足できたのか?』
「ひゃっ、あ、あぁっ」
『おい、喘いでないで答えろよ』

 荒くれのような物言い。一際激しく最奥を突かれ、その上、ぐりぐりと亀頭を押し付けられる。牡丹が自ら動いた時よりも、激しく、強く。

「ああああぁっ!!!だっ、め、それっ、むりっ」
『言う割に締めつけてんだよ』
「だって、」
『だってもクソもねぇだろうが』

 そのまま律動は続くかと思った。
 しかし鬼がそう言って、牡丹は膣から鬼の男根がずるりと抜けてしまう。なんとも虚しい心地。しかし、同時に身体を布団の上へと転がされる。しかも、うつ伏せに。獣のような姿勢の上、臀部だけを高く持ち上げられる形。そこへ――

「あぁん」

 牡丹が反応するよりも前に、鬼の男根は再び牡丹の中へと入り込んだ。腰を掴まれて中を掻き混ぜるようにゆっくりと挿入される。先程の激しい律動とは違い、鬼の腰はゆっくりと動いた。しかし、抽挿というよりは、奥を虐め抜くようにゴリゴリと擦られる。

「あっ、ああぁ、んっ、やぁ」
『で、どんな色男だったよ。俺の竿よりも良かったか? あぁ、それともお相手とやらは人間じゃなかったのか?』
「違うのっ……ひゃあぁ」

 鬼は気に食わない答えには一層強く突いた。その度に牡丹の腰は跳ねる。
 
『何が違うんだ? それともなにか、その男と逃げようとでも思ってたのか』
「だから、ちがっ」
『まあ、なんでも良いか』

 ずん――と殊更激しく。鬼は中を穿った。

「あああぁんっ!!!!」
『お前ばっか気持ち良くなって狡いよなぁ』

 深く。深く。それ以上先へは進めない一点ばかりを攻められる。

「あっ、あっ、んつ、」

 繰り返す律動は激しい。牡丹は自由のきかない姿勢でも尚、布団に顔を擦り付けるような姿勢でも、喘ぎ続けるだけだ。

『牡丹……』

 熱い息。荒い呼吸。激しくもありながら、牡丹に快楽を与え続ける情交。どれだけ荒々しい言葉を吐いたところで、牡丹を撫でまわす手つきも、腰を掴む手も、何もかもが牡丹を愛でているように思えて、牡丹の高揚感は昂るばかり。そして高揚感は全て、快楽へと交じりあってしまう。
 他の男などいない。誰ともしていない。一人でだってするはずがない。
 牡丹には、羅刹鬼――可畏だけなのだ。

「あ、可畏……可畏……」

 牡丹はうわ言のように、鬼の名前を繰り返す。そうすると、殊更鬼の律動は激しくなった。

「あぁっ、あ、」
『はあ、たまんねぇ』

 そして、深く抉るように穿ったかと思えば、鬼は大奥へと熱を放った。

『ああぁっ!!』

 牡丹もまた、何度目かもわからぬ絶頂を迎えた。ずるりと鬼の男根が引き抜かれ、牡丹はその場に力無く横たえる。上気したままの余韻に浸って、しかし目線だけは鬼を追っていた。
 鬼は、牡丹を見下ろす。未だ荒い息を吐いて、赤い瞳は炯々と欲望を宿したまま。その欲望を宿したままの大きな身体が、牡丹に覆い被さった。

 牡丹の拘束は解かれた。解放された手は、縛られいたことなど忘れて、すぐ様に可畏を求める。可畏が欲しいと強請るように顔に手を伸ばし、口付けて、可畏の熱を更に呼び起こすようにねっとりと舌を動かした。
 これとて可畏が仕込んだものだ。淫らで、欲望に忠実。鬼が求める姿を牡丹が受け入れ続けた結果でもある。

 その晩、牡丹は可畏と何度と身体を重ねた。何度と可畏を求めた。
 掌の感触を確かめ合うように指を絡ませ、余すことなく身体を密着させ熱を奪い合う。口付けを飽きることなく何度と交わしては、吐息すら甘く感じた。
 熱い。二人の熱で、寒さは溶けて消えてしまったのだろうか。
 中を穿たれる度に、さらに熱は増す。貪欲なままに欲情して、快楽を貪って、時間を惜しむように何度と続けた。

 ――もっと、もっと、もっと。
 ――私だけを求める、可畏。
 ――これが、最後だから。私を食べるその瞬間まで。
 ――どうか、私のものでいて。
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