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松の位のとばっちり(5)
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「はい、お待ち」
目立たない道を選んでなんとか菓子屋までたどりついた。これはれっきとした仕事なんだけれども、誰に誤解されたかわかったものではない。
「わあ、これが最中の月!」
目の前に置かれた皿を前に、夕那の機嫌はころりと直ったようだ。ぱくりと菓子にかぶりつく。
(本当に、変わらないな…)
あの時より自分はだいぶ年を重ねて、汚い荒波をかぶって世間に馴れた。なのに夕那はまるで子供だ。
(そんなんであの家の当主がつとまるのかな)
見た目はあの時の愛嬌の名残を残したまま、青年となっているのがなんだか悔しい。
「おいしいよ!撫子も食べなよ!」
もう呼び方を注意するのも面倒になり、千寿は適当に茶を入れて彼に出した。
「懐かしいなあ。よくこうやって二人でお菓子を食べたよね」
「…そうでしたっけ」
昔のことはなるべく思い出さないようにしている。そんな他愛ないことは記憶の彼方だ。
「……」
しかし、話題にこまる。普通の客ならあれこれ話をさせて持ち上げるだけだが、夕那相手だと子供すぎて話にならない。しかも一日中一緒となると…正直話すことがない。
「撫子、食べないの?ほら、あーーん」
「うっ…」
思わず顔がひきつりそうになったが、撫子はこらえた。
「旦那さま、そんな子供みたいな真似はおよしくださいませ」
「なんでえ。ぱりぱりしてて、甘くておしいいよ」
夕那のけむるような眉が八の字になっている。相変わらず睫は長く、目じりは下がり気味の甘い顔立ちだ。そこに少し青年になった影が加わっていて、黙っていれば大もてだろう…つまりさすがの千寿もそんな顔をされると、強く出れない。
(私が!大人気なくいじめているみたいになってる…)
「はい、はい。ではいただきますね」
いや、そもそも客とこんな風にいちゃつくのなんていつもの事じゃないか。何をためらっているんだろう。仕事、仕事。
「えへへ、おいしいでしょお」
笑うと大きな目がぐうっと細くなって目じりが朱をさしたようにぽっと色づく。昔より色気が出た…のかもしれない。
「旦那さまはさぞ、女にもてるでしょうね」
「…そんなことないよ」
そうだ、こんな無邪気にしているくせにこれには妻がいるんだった。
「どうしたの撫子。こわい顔」
「…なんでもありませんよ」
「撫子…昔みたいに、名前でよんでよ」
「…旦那様が、そうお望みならば」
そう言われた夕那の視線は淋しげだった。どうして昔みたいに打ち解けてくれないの…と言いたいのだろう。
「ごめんね」
淋しい瞳のまま、夕那は肩を落として言った。
「怒ってるよね。当たり前…だよね。僕、来ないほうが、よかったね」
その顔が、泣きそうに歪んだ。
「なのに…会いたかったんだ…」
夕那が本当に泣き出す前に千寿はあわててさえぎった。
「こちらこそごめんなさい。夕那様を楽しませられなくて…太夫失格ですね」
「様なんてつけないでよ…」
「ごめんなさい、わかりました、だから泣かないでって」
昔からそうだ。彼に泣かれるとかなわないから結局こっちが折れる。私は彼らのせいで苦界に身を落とした。もっと恨んででもいいし、逆に笑顔で金を搾り取って破産させてもいい。でも…
彼の目から流れ出す涙が、私の打算も流してしまう。ほだされてしまうわけは。
(まだ彼に惚れているから…か)
「ただいまもどりました…」
夕那を揚屋に送りとどけ、千寿は胡蝶屋の自分の部屋にいったん下がった。やっと一人になった千寿はぎゅっと拳を握って胸にあてた。その胸にはさまざまな感情が渦巻いていた。
なんて安い女だろう。ちょっと泣かれたくらいで流されてしまうなんて。
(いや、完全にすべて許したわけじゃないけど…)
なんだかもやもやする。胸の中が灰色だ。ちょっとの拍子でどす黒くなりそうだ。千寿はなんとかそれを抑えながら、着替えのしたくにかかった。こういう時は手を動かすのが一番だ。
「千寿さま、お帰りなさいませ!」
するとすぐにゆきとりんが駆けつけてきた。
「ああ、ちょうどよかった。着替えの手伝いをたのんでいい?この間の濃い紫の帯をお願い。あと白い櫛を二つ」
「はいっ!」
おりんは元気に返事をし、箪笥のほうへとすっとんでいった。
「…ねえさま、お客さまはどうでした?…なにかあるお人なんでしょ」
と、そのすきにゆきが心配そうな表情で問いかけてきた。
(なんでゆきがそんな事を?さては、梓が…)
と思いながらも千寿は冷静に返した。
「大丈夫大丈夫、いつもの客相手だよ」
「もう!はぐらかそうとしたって無駄ですよ!ぼくにはわかるんですから!」
いつにないゆきの気迫に、めずらしく千寿はたじたじとなった。
「な、なにがわかるって…?」
「姉さん、なんだかいつもと違います。今日だってへんです。あのお客がきてから…」
梓がいらんことをゆきに耳打ちしたわけではない。千寿の様子から、ゆきは何かを感じ取っていたらしかった。千寿は申し訳なく思った。
「…昨日から、心配かけたね。ごめん」
「姉さん、体だって、まだ本調子じゃないはず…」
ゆきの大きな目が、心配そうにうるんでいる。
「体はもう平気だよ。万全ってわけじゃないけどさ。しっかりやるよ、今夜はね」
さあ、今夜は失敗できないぞ。千寿は帯を締めながら気合を入れた。
「ああ千寿、ちょうどよかった」
すっかり支度を終えて大階段を下りる千寿に、松風が声をかけた。
「今夜逢坂様もいらしています。今のお客様は居続け三日目ですから、先に逢坂様のところへ行くように」
「あ…はい、わかりました」
おかしいな。千寿は首をかしげた。彼が今日来ているとは初耳だ。彼はいつも来るときは手紙に書いて先に知らせてくれるんだけれど。
(もしかして…)
イヤな予感が頭をよぎった。
「純さま…!水くさいじゃないですか、いきなり来られるなんて」
「…来たら悪いか」
「もう、そんなんじゃありませんったら。わかっていれば、いつもどおり良いお部屋にご案内いたしましたのに」
千寿はわざとらしくむうと膨れてみせた。
いつもなら広い座敷に案内するのだが、今日はそちらに夕那がいる。今夜は揚屋自体が混んでいるらしく、衝立で隣と仕切っているだけの割り床だ。
千寿のぶりっこにも、純四郎はちっとも反応しない。
(この不機嫌は…もしや)
「純さま、今日はどうなさったんですか。もしかして…」
「もしかして?」
聞き返す純四朗に、千寿はこわごわ切り出した。
「何かお聞きになりました…?」
「聞くもなにも。お前をむざむざ手放したアホウが、家をほったらかして遊びにきているというではないか」
むっつりと純四郎が言った。
「もう、そんなこと誰から。お耳が早いんですから…」
思わせぶりに言いながらも、千寿は内心とまどっていた。
(どうお怒りをしずめようかな…)
遊女の仕事は本当に、あっちでキゲンとり、こっちでキゲンとりだ。私のキゲンを取ってくれるのは…
(お金かな)
千寿は内心で苦く笑った。
「…お怒りですか?」
「当たり前だ。今すぐそいつを殴りに行きたいくらいだ」
「まあ、そんな物騒なこと…」
彼の腕をそっと押さえる。顔は泣き笑いの表情を作っているが、内心は…少し、心ゆるんだ。彼は唯一、損得抜きに千寿のために怒ってくれる男なのだ。千寿自身でさえ怒れないことにも。
「ありがとうございます…」
千寿は純四郎の腕の中に身を投じた。
「どうした、今日はいやに素直だな」
彼の腕はたくましい。体も大きい。彼に抱きしめられていると外界がまったく見えなくなる。この感覚は嫌いじゃない。
「何もかも忘れたい気持ちなんです、純さま…」
彼は体抜きで、私の事を好きでいてくれる。体を売る私なのに。その好意につけこんでいるのだが、それでも彼の言葉に温かさを感じてしまうのは変わりない。だが感じるたびに、チクリを罪悪感が胸を刺す。
「早く、私のこと忘れてください…」
ずるりと重たい帯が解かれる。次の客も待っているのだから本当は帯を解かずにことを済ませたいのだが、彼なら仕方ない。
(これぐらいは、ご奉仕しなくちゃね…)
熱い唇が、首筋に押し当てられた。それを心地よいと感じる位の回数、純四郎とは体を重ねている。今夜の彼は、いつもより力強い。その力に身を任せ流されるのも悪くない。
千寿は考えるのをやめて、ただ身をまかせた。
目立たない道を選んでなんとか菓子屋までたどりついた。これはれっきとした仕事なんだけれども、誰に誤解されたかわかったものではない。
「わあ、これが最中の月!」
目の前に置かれた皿を前に、夕那の機嫌はころりと直ったようだ。ぱくりと菓子にかぶりつく。
(本当に、変わらないな…)
あの時より自分はだいぶ年を重ねて、汚い荒波をかぶって世間に馴れた。なのに夕那はまるで子供だ。
(そんなんであの家の当主がつとまるのかな)
見た目はあの時の愛嬌の名残を残したまま、青年となっているのがなんだか悔しい。
「おいしいよ!撫子も食べなよ!」
もう呼び方を注意するのも面倒になり、千寿は適当に茶を入れて彼に出した。
「懐かしいなあ。よくこうやって二人でお菓子を食べたよね」
「…そうでしたっけ」
昔のことはなるべく思い出さないようにしている。そんな他愛ないことは記憶の彼方だ。
「……」
しかし、話題にこまる。普通の客ならあれこれ話をさせて持ち上げるだけだが、夕那相手だと子供すぎて話にならない。しかも一日中一緒となると…正直話すことがない。
「撫子、食べないの?ほら、あーーん」
「うっ…」
思わず顔がひきつりそうになったが、撫子はこらえた。
「旦那さま、そんな子供みたいな真似はおよしくださいませ」
「なんでえ。ぱりぱりしてて、甘くておしいいよ」
夕那のけむるような眉が八の字になっている。相変わらず睫は長く、目じりは下がり気味の甘い顔立ちだ。そこに少し青年になった影が加わっていて、黙っていれば大もてだろう…つまりさすがの千寿もそんな顔をされると、強く出れない。
(私が!大人気なくいじめているみたいになってる…)
「はい、はい。ではいただきますね」
いや、そもそも客とこんな風にいちゃつくのなんていつもの事じゃないか。何をためらっているんだろう。仕事、仕事。
「えへへ、おいしいでしょお」
笑うと大きな目がぐうっと細くなって目じりが朱をさしたようにぽっと色づく。昔より色気が出た…のかもしれない。
「旦那さまはさぞ、女にもてるでしょうね」
「…そんなことないよ」
そうだ、こんな無邪気にしているくせにこれには妻がいるんだった。
「どうしたの撫子。こわい顔」
「…なんでもありませんよ」
「撫子…昔みたいに、名前でよんでよ」
「…旦那様が、そうお望みならば」
そう言われた夕那の視線は淋しげだった。どうして昔みたいに打ち解けてくれないの…と言いたいのだろう。
「ごめんね」
淋しい瞳のまま、夕那は肩を落として言った。
「怒ってるよね。当たり前…だよね。僕、来ないほうが、よかったね」
その顔が、泣きそうに歪んだ。
「なのに…会いたかったんだ…」
夕那が本当に泣き出す前に千寿はあわててさえぎった。
「こちらこそごめんなさい。夕那様を楽しませられなくて…太夫失格ですね」
「様なんてつけないでよ…」
「ごめんなさい、わかりました、だから泣かないでって」
昔からそうだ。彼に泣かれるとかなわないから結局こっちが折れる。私は彼らのせいで苦界に身を落とした。もっと恨んででもいいし、逆に笑顔で金を搾り取って破産させてもいい。でも…
彼の目から流れ出す涙が、私の打算も流してしまう。ほだされてしまうわけは。
(まだ彼に惚れているから…か)
「ただいまもどりました…」
夕那を揚屋に送りとどけ、千寿は胡蝶屋の自分の部屋にいったん下がった。やっと一人になった千寿はぎゅっと拳を握って胸にあてた。その胸にはさまざまな感情が渦巻いていた。
なんて安い女だろう。ちょっと泣かれたくらいで流されてしまうなんて。
(いや、完全にすべて許したわけじゃないけど…)
なんだかもやもやする。胸の中が灰色だ。ちょっとの拍子でどす黒くなりそうだ。千寿はなんとかそれを抑えながら、着替えのしたくにかかった。こういう時は手を動かすのが一番だ。
「千寿さま、お帰りなさいませ!」
するとすぐにゆきとりんが駆けつけてきた。
「ああ、ちょうどよかった。着替えの手伝いをたのんでいい?この間の濃い紫の帯をお願い。あと白い櫛を二つ」
「はいっ!」
おりんは元気に返事をし、箪笥のほうへとすっとんでいった。
「…ねえさま、お客さまはどうでした?…なにかあるお人なんでしょ」
と、そのすきにゆきが心配そうな表情で問いかけてきた。
(なんでゆきがそんな事を?さては、梓が…)
と思いながらも千寿は冷静に返した。
「大丈夫大丈夫、いつもの客相手だよ」
「もう!はぐらかそうとしたって無駄ですよ!ぼくにはわかるんですから!」
いつにないゆきの気迫に、めずらしく千寿はたじたじとなった。
「な、なにがわかるって…?」
「姉さん、なんだかいつもと違います。今日だってへんです。あのお客がきてから…」
梓がいらんことをゆきに耳打ちしたわけではない。千寿の様子から、ゆきは何かを感じ取っていたらしかった。千寿は申し訳なく思った。
「…昨日から、心配かけたね。ごめん」
「姉さん、体だって、まだ本調子じゃないはず…」
ゆきの大きな目が、心配そうにうるんでいる。
「体はもう平気だよ。万全ってわけじゃないけどさ。しっかりやるよ、今夜はね」
さあ、今夜は失敗できないぞ。千寿は帯を締めながら気合を入れた。
「ああ千寿、ちょうどよかった」
すっかり支度を終えて大階段を下りる千寿に、松風が声をかけた。
「今夜逢坂様もいらしています。今のお客様は居続け三日目ですから、先に逢坂様のところへ行くように」
「あ…はい、わかりました」
おかしいな。千寿は首をかしげた。彼が今日来ているとは初耳だ。彼はいつも来るときは手紙に書いて先に知らせてくれるんだけれど。
(もしかして…)
イヤな予感が頭をよぎった。
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「…来たら悪いか」
「もう、そんなんじゃありませんったら。わかっていれば、いつもどおり良いお部屋にご案内いたしましたのに」
千寿はわざとらしくむうと膨れてみせた。
いつもなら広い座敷に案内するのだが、今日はそちらに夕那がいる。今夜は揚屋自体が混んでいるらしく、衝立で隣と仕切っているだけの割り床だ。
千寿のぶりっこにも、純四郎はちっとも反応しない。
(この不機嫌は…もしや)
「純さま、今日はどうなさったんですか。もしかして…」
「もしかして?」
聞き返す純四朗に、千寿はこわごわ切り出した。
「何かお聞きになりました…?」
「聞くもなにも。お前をむざむざ手放したアホウが、家をほったらかして遊びにきているというではないか」
むっつりと純四郎が言った。
「もう、そんなこと誰から。お耳が早いんですから…」
思わせぶりに言いながらも、千寿は内心とまどっていた。
(どうお怒りをしずめようかな…)
遊女の仕事は本当に、あっちでキゲンとり、こっちでキゲンとりだ。私のキゲンを取ってくれるのは…
(お金かな)
千寿は内心で苦く笑った。
「…お怒りですか?」
「当たり前だ。今すぐそいつを殴りに行きたいくらいだ」
「まあ、そんな物騒なこと…」
彼の腕をそっと押さえる。顔は泣き笑いの表情を作っているが、内心は…少し、心ゆるんだ。彼は唯一、損得抜きに千寿のために怒ってくれる男なのだ。千寿自身でさえ怒れないことにも。
「ありがとうございます…」
千寿は純四郎の腕の中に身を投じた。
「どうした、今日はいやに素直だな」
彼の腕はたくましい。体も大きい。彼に抱きしめられていると外界がまったく見えなくなる。この感覚は嫌いじゃない。
「何もかも忘れたい気持ちなんです、純さま…」
彼は体抜きで、私の事を好きでいてくれる。体を売る私なのに。その好意につけこんでいるのだが、それでも彼の言葉に温かさを感じてしまうのは変わりない。だが感じるたびに、チクリを罪悪感が胸を刺す。
「早く、私のこと忘れてください…」
ずるりと重たい帯が解かれる。次の客も待っているのだから本当は帯を解かずにことを済ませたいのだが、彼なら仕方ない。
(これぐらいは、ご奉仕しなくちゃね…)
熱い唇が、首筋に押し当てられた。それを心地よいと感じる位の回数、純四郎とは体を重ねている。今夜の彼は、いつもより力強い。その力に身を任せ流されるのも悪くない。
千寿は考えるのをやめて、ただ身をまかせた。
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