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大空を求めて(5)
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先ほどの事件の衝撃が大きすぎて、布団に入ったもののすぐ眠れそうになかった。
(師匠とまた会える・・・・ここを、出られる・・・・・)
それは大それた望みすぎて、すなおに喜ぶのは少し怖かった。
だが、頭の中でめまぐるしくさまざまな事柄が浮かんでは消えた。まずお金をあるだけ数えなければ。ゆきやりんも、私がいなくなったあと困らないよう一通り衣装などそろえてやらなければいけない。なんにしてもたくさんお金がないと話にならない。気前のいい客を手紙を書いて呼ぼう・・・・
そこまで考えて千寿ははっとした。
(菊染にも、お礼言わなくちゃ)
そして、あまり私のために負担しないでいいといわなければ。
(菊染も梓も、自分の生活があるのだから・・・・)
ちゃんと話そう。
そこまで考えて、やっと千寿はまぶたを閉じた。
そのあくる日。梓は灯紫の部屋に呼ばれた。
彼女が梓ひとりに用があることなどめったにない。業務連絡はいつも松風がしてくるからだ。
(もしかして、俺たちのたくらみがばれた・・・とか?)
梓は一瞬肝を冷やしたが、梓らしく腹をくくった。千寿と梓の2通の手紙以外確たる証拠はないし、2つとも2人がしっかり隠している。ばれるはずがない。もしばれたとしても、命がけでシラを切りとおしてやる。今まで数々の客をだましてきた俺だ。できない演技はない。ここ一番で腹が痛まないよう、梓はしっかり着物の帯を締めなおした。
「灯紫さん、呼んだか?」
「ああ、来たね。まあそこに座りな」
座った梓に、灯紫は茶を出した。伏目がちで、なんだかいつもより・・・しおらしい。なんだか妙だ。
「・・・まあ飲みなさい。毒なんてはいってないよ」
「はあ・・・」
「今日呼んだのはね、アンタのこの先の身の振り方のことさ」
「はい?」
予想外の話題に、梓は怪訝な顔をして聞き返した。
「お前、ずっとここにいたいかい?それともいずれは出て行く気なのかい?」
「え、いきなり何ですか、そんなまじめな話。何かウラでもあるんですか?」
警戒する梓に、灯紫はうなずいた。
「そうだね、先にこっちの腹を明かさないとね。ただまあ、楽しい話じゃないんでね。つい口が重くなっちまってさ」
梓は身構えた。どうも妙だ。たくらみがばれたわけではなさそうだが、一体・・・?
「数日前・・・あんたの母親の使いがきてね」
母の?梓は耳を疑った。
灯紫は重い口を開いた。
「あんたのおっかさん、亡くなったそうだよ」
「・・・・おふくろが・・・・」
梓が低くつぶやいた。突然のことに、頭が働かない。
「ああ、そこでおっかさんからこれを預かった。受け取りな」
灯紫は一枚の紙を差し出した。それは為替だった。母の名と、50両という金額が記されている。
「こんな大金・・・どうして俺に」
「あんたのおっかさん・・・水芽はね。あんたを残して出て行ったのがずっと心残りだったのさ」
それは、うそだ。梓は反論した。
「そんなわけがない。俺はおふくろに手紙を出したけど返事は帰ってこなかった。俺ともう関わりたくないんだって、そう理解したよ」
そう言う梓のこぶしが、膝のうえで震えている。
「そうか・・・なんて手紙だしたんだい?」
「・・・おふくろがどのくらい松風に借金したか、知りたくてきいたんだ。それを返さないことには、俺も自由になれねえから」
「・・・・・。」
灯紫は何もいえなかった。それは、水芽も答えようがなかっただろう。なぜなら彼女は松風に借金などしていないのだから。
水芽は、梓の手紙を無視したのではない。考えに考えて、できる限りの力で梓を救おうと死ぬ直前に返事を出したのだ。
それが灯紫が細工箱に隠した手紙と、梓の持っている為替だ。
「・・・・その手紙の返事が、この為替じゃないのかい?水芽は死ぬ前、お前のことだけが気がかりだったんだよ。何とかまっとうな人生を送って欲しいとこれをわたしに預けたのさ。お前に渡してくれってね」
「・・・・まっとうな人生って・・・あんたに言われたくないね」
梓が履き捨てるように言った。が、灯紫はぴしゃりと言い返した。
「悲しいのはわかるけど、私にあたるのはおやめ。私はあんたに大事な遺言を伝えただけだよ。・・・・で、今後どうするんだい」
「・・・・俺はずっと、ここから出たいと思っていた。だから・・・」
そうだ、50両。これがあれば千寿も助けられる。梓はふいに目の前が明るくなった気がした。
「うん、出て行くわ、俺」
素直にそう口に出た。
「・・・あんたは見世にはなんの借金もない。ただ雇っているだけの関係さ。引き止める理由もないから、私としてはいつでも行ってかまわないよ」
灯紫はそう言った。
「・・・えらく気前がいいな。俺を手放してもいいのかよ、胡蝶屋は・・・。でもまあ、ありがてえな」
「私も鬼じゃないんでね・・・それに、あんたがいなくなったとこでどうってことないサ」
憎まれ口をききつつ、ニヤリと笑う灯紫に梓は気になっていたことを聞いた。
「・・・俺のおふくろと、知り合いだったのか?」
少しの間があり、明かりは口を開いた。
「まあね・・・・。そう深いつきあいでもなかったけど。赤子のあんたに会ったことも、あったよ」
さすがに梓も驚いた。
「あんたがどう思ってるかはわからないけど・・・水芽は、アンタの事大事にしてたんだよ。それを知ってるから、ちょっとお節介させてもらったよ」
「うわー・・・・ちょっと・・・感想は保留で」
嬉しくないといえば嘘になる。が、どうであろうと彼女が梓を捨てて出て行った事実はずっと梓の中から消えることはない。そうおもうと複雑な気持ちだ。
・・・そしてずっと情を挟まない仕事仲間だった彼女とこんな話をするのはなんとも居心地が悪い。
「じゃあ俺、近日中に出て行くよ。ま、それまでもう一稼ぎさせてもらうけど」
「・・・わかった。でも一つ言っておくよ」
「なんだよ?」
「・・・アンタが出て行くとなると、松風はゴネるだろうから。ギリギリまで周りには言うんじゃないよ」
あの手紙を見る限り、松風は相当梓に執着がある・・・何か起こってしまってからでは遅い。そう思った灯紫は梓に言い含めた。
「できれば松風にはわからないように出ていっておくれ。そしたら、その後私があんたに代わって話つけといてやるから」
梓は怪訝そうに言った。
「いいのかよ?そんな面倒なこと頼んじまって」
梓からしたら、それは願ってもないことだ。菊染も千寿も一緒に出て行くのだから、面倒は起きない方がいい。
「大丈夫・・・でもくれぐれも、彼にばれないように」
「ああ、わかった・・・・ありがとな」
梓は笑顔を見せてそういった。その顔にたしかに水芽の面影があるのを、灯紫は新鮮な思いで認めた。
「いいってことよ。・・・・・じゃないと、水芽もうかばれない」
辞した彼の背を見送って、彼女はそうつぶやいた。
(師匠とまた会える・・・・ここを、出られる・・・・・)
それは大それた望みすぎて、すなおに喜ぶのは少し怖かった。
だが、頭の中でめまぐるしくさまざまな事柄が浮かんでは消えた。まずお金をあるだけ数えなければ。ゆきやりんも、私がいなくなったあと困らないよう一通り衣装などそろえてやらなければいけない。なんにしてもたくさんお金がないと話にならない。気前のいい客を手紙を書いて呼ぼう・・・・
そこまで考えて千寿ははっとした。
(菊染にも、お礼言わなくちゃ)
そして、あまり私のために負担しないでいいといわなければ。
(菊染も梓も、自分の生活があるのだから・・・・)
ちゃんと話そう。
そこまで考えて、やっと千寿はまぶたを閉じた。
そのあくる日。梓は灯紫の部屋に呼ばれた。
彼女が梓ひとりに用があることなどめったにない。業務連絡はいつも松風がしてくるからだ。
(もしかして、俺たちのたくらみがばれた・・・とか?)
梓は一瞬肝を冷やしたが、梓らしく腹をくくった。千寿と梓の2通の手紙以外確たる証拠はないし、2つとも2人がしっかり隠している。ばれるはずがない。もしばれたとしても、命がけでシラを切りとおしてやる。今まで数々の客をだましてきた俺だ。できない演技はない。ここ一番で腹が痛まないよう、梓はしっかり着物の帯を締めなおした。
「灯紫さん、呼んだか?」
「ああ、来たね。まあそこに座りな」
座った梓に、灯紫は茶を出した。伏目がちで、なんだかいつもより・・・しおらしい。なんだか妙だ。
「・・・まあ飲みなさい。毒なんてはいってないよ」
「はあ・・・」
「今日呼んだのはね、アンタのこの先の身の振り方のことさ」
「はい?」
予想外の話題に、梓は怪訝な顔をして聞き返した。
「お前、ずっとここにいたいかい?それともいずれは出て行く気なのかい?」
「え、いきなり何ですか、そんなまじめな話。何かウラでもあるんですか?」
警戒する梓に、灯紫はうなずいた。
「そうだね、先にこっちの腹を明かさないとね。ただまあ、楽しい話じゃないんでね。つい口が重くなっちまってさ」
梓は身構えた。どうも妙だ。たくらみがばれたわけではなさそうだが、一体・・・?
「数日前・・・あんたの母親の使いがきてね」
母の?梓は耳を疑った。
灯紫は重い口を開いた。
「あんたのおっかさん、亡くなったそうだよ」
「・・・・おふくろが・・・・」
梓が低くつぶやいた。突然のことに、頭が働かない。
「ああ、そこでおっかさんからこれを預かった。受け取りな」
灯紫は一枚の紙を差し出した。それは為替だった。母の名と、50両という金額が記されている。
「こんな大金・・・どうして俺に」
「あんたのおっかさん・・・水芽はね。あんたを残して出て行ったのがずっと心残りだったのさ」
それは、うそだ。梓は反論した。
「そんなわけがない。俺はおふくろに手紙を出したけど返事は帰ってこなかった。俺ともう関わりたくないんだって、そう理解したよ」
そう言う梓のこぶしが、膝のうえで震えている。
「そうか・・・なんて手紙だしたんだい?」
「・・・おふくろがどのくらい松風に借金したか、知りたくてきいたんだ。それを返さないことには、俺も自由になれねえから」
「・・・・・。」
灯紫は何もいえなかった。それは、水芽も答えようがなかっただろう。なぜなら彼女は松風に借金などしていないのだから。
水芽は、梓の手紙を無視したのではない。考えに考えて、できる限りの力で梓を救おうと死ぬ直前に返事を出したのだ。
それが灯紫が細工箱に隠した手紙と、梓の持っている為替だ。
「・・・・その手紙の返事が、この為替じゃないのかい?水芽は死ぬ前、お前のことだけが気がかりだったんだよ。何とかまっとうな人生を送って欲しいとこれをわたしに預けたのさ。お前に渡してくれってね」
「・・・・まっとうな人生って・・・あんたに言われたくないね」
梓が履き捨てるように言った。が、灯紫はぴしゃりと言い返した。
「悲しいのはわかるけど、私にあたるのはおやめ。私はあんたに大事な遺言を伝えただけだよ。・・・・で、今後どうするんだい」
「・・・・俺はずっと、ここから出たいと思っていた。だから・・・」
そうだ、50両。これがあれば千寿も助けられる。梓はふいに目の前が明るくなった気がした。
「うん、出て行くわ、俺」
素直にそう口に出た。
「・・・あんたは見世にはなんの借金もない。ただ雇っているだけの関係さ。引き止める理由もないから、私としてはいつでも行ってかまわないよ」
灯紫はそう言った。
「・・・えらく気前がいいな。俺を手放してもいいのかよ、胡蝶屋は・・・。でもまあ、ありがてえな」
「私も鬼じゃないんでね・・・それに、あんたがいなくなったとこでどうってことないサ」
憎まれ口をききつつ、ニヤリと笑う灯紫に梓は気になっていたことを聞いた。
「・・・俺のおふくろと、知り合いだったのか?」
少しの間があり、明かりは口を開いた。
「まあね・・・・。そう深いつきあいでもなかったけど。赤子のあんたに会ったことも、あったよ」
さすがに梓も驚いた。
「あんたがどう思ってるかはわからないけど・・・水芽は、アンタの事大事にしてたんだよ。それを知ってるから、ちょっとお節介させてもらったよ」
「うわー・・・・ちょっと・・・感想は保留で」
嬉しくないといえば嘘になる。が、どうであろうと彼女が梓を捨てて出て行った事実はずっと梓の中から消えることはない。そうおもうと複雑な気持ちだ。
・・・そしてずっと情を挟まない仕事仲間だった彼女とこんな話をするのはなんとも居心地が悪い。
「じゃあ俺、近日中に出て行くよ。ま、それまでもう一稼ぎさせてもらうけど」
「・・・わかった。でも一つ言っておくよ」
「なんだよ?」
「・・・アンタが出て行くとなると、松風はゴネるだろうから。ギリギリまで周りには言うんじゃないよ」
あの手紙を見る限り、松風は相当梓に執着がある・・・何か起こってしまってからでは遅い。そう思った灯紫は梓に言い含めた。
「できれば松風にはわからないように出ていっておくれ。そしたら、その後私があんたに代わって話つけといてやるから」
梓は怪訝そうに言った。
「いいのかよ?そんな面倒なこと頼んじまって」
梓からしたら、それは願ってもないことだ。菊染も千寿も一緒に出て行くのだから、面倒は起きない方がいい。
「大丈夫・・・でもくれぐれも、彼にばれないように」
「ああ、わかった・・・・ありがとな」
梓は笑顔を見せてそういった。その顔にたしかに水芽の面影があるのを、灯紫は新鮮な思いで認めた。
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