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#13沈黙の三日間
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あれから、もう三日が経った。
サトシは哲夫とまともに口を利いていなかった。いや、口を利けない、というのが正確だろう。あの夕暮れの寝室での出来事を思い出すたびに、胸が締め付けられるような羞恥が込み上げる。哲夫の熱い視線と、耳元で囁かれた言葉、そして哲夫の指の中で果ててしまったあの瞬間が、脳裏に焼き付いて離れない。
そして何より、あの時に自分が感じてしまった快感が、サトシを混乱させていた。普段の自慰行為とは比べ物にならないほど深く、甘美だったあの感覚。特に、シリコンの胸を身につけていたことが、まるで本当の男女の営みであるかのような錯覚を引き起こし、その快感を増幅させた。男である哲夫に抱かれ、偽りの胸で感じたあの悦び。その事実に、サトシは激しい抵抗感を覚えていた。
哲夫にまたあの行為をされるかもしれない。そう思うと、サトシは哲夫の視線が怖い。だから、この三日間、できる限り哲夫を避けていた。食事の時間もずらし、リビングで顔を合わせないように気を使い、哲夫が部屋にいる時はなるべく自室に籠った。
部屋のドア一枚隔てた向こうに哲夫がいると思うと、心臓がどきどきと音を立てる。哲夫が何か言いたげな視線を向けてくるのを感じるが、サトシは目を合わせず、ひたすら沈黙を貫いた。このまま、何事もなかったかのように時間が過ぎてくれれば、とサトシは願っていた。しかし、哲夫がそんな簡単に引き下がるはずがないことも、心のどこかで分かっていた。
サトシは哲夫とまともに口を利いていなかった。いや、口を利けない、というのが正確だろう。あの夕暮れの寝室での出来事を思い出すたびに、胸が締め付けられるような羞恥が込み上げる。哲夫の熱い視線と、耳元で囁かれた言葉、そして哲夫の指の中で果ててしまったあの瞬間が、脳裏に焼き付いて離れない。
そして何より、あの時に自分が感じてしまった快感が、サトシを混乱させていた。普段の自慰行為とは比べ物にならないほど深く、甘美だったあの感覚。特に、シリコンの胸を身につけていたことが、まるで本当の男女の営みであるかのような錯覚を引き起こし、その快感を増幅させた。男である哲夫に抱かれ、偽りの胸で感じたあの悦び。その事実に、サトシは激しい抵抗感を覚えていた。
哲夫にまたあの行為をされるかもしれない。そう思うと、サトシは哲夫の視線が怖い。だから、この三日間、できる限り哲夫を避けていた。食事の時間もずらし、リビングで顔を合わせないように気を使い、哲夫が部屋にいる時はなるべく自室に籠った。
部屋のドア一枚隔てた向こうに哲夫がいると思うと、心臓がどきどきと音を立てる。哲夫が何か言いたげな視線を向けてくるのを感じるが、サトシは目を合わせず、ひたすら沈黙を貫いた。このまま、何事もなかったかのように時間が過ぎてくれれば、とサトシは願っていた。しかし、哲夫がそんな簡単に引き下がるはずがないことも、心のどこかで分かっていた。
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