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#15無防備な笑顔の代償
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サトシの無邪気な笑顔が、哲夫の胸にじわりと広がった。普段の警戒心に満ちた表情とはまるで違う、純粋な感謝の眼差し。その隙を、哲夫は見逃さなかった。サトシの頭を撫でる手が、そのまま頬を滑り落ち、顎をそっと持ち上げる。
「礼なら……体で伝えてほしいな」
哲夫の声は、酔ったサトシの耳には、普段よりも甘く、そして抗いがたい響きを帯びていた。サトシは意味が分からず、ただぼんやりと哲夫を見つめ返す。その瞳は、まだ酔いに霞んで、哲夫の言葉の真意を捉えきれていない。
哲夫はそんなサトシの腕を取り、まるで当たり前のようにサトシの部屋へと誘導した。サトシはされるがままに、哲夫についていく。部屋に着くと、哲夫は躊躇なくクローゼットを開け、数日前にサトシが身につけた、あのシリコンの胸が付いた服を取り出した。
「さ、着替えようか」
哲夫の言葉に、サトシの意識がわずかに覚醒しかけたが、酔いはまだ深く、はっきりと状況を理解できない。哲夫はまるで人形を扱うかのように、器用にサトシの服を脱がせ、代わりにあのリアルなシリコンの胸付きの服を身につけさせた。肌に触れるひんやりとした感触と、胸元の異様な膨らみ。サトシは違和感を覚えるものの、体が鉛のように重く、抵抗する気力もなかった。
哲夫は満足げにサトシの姿を見つめ、再びその腕を取った。向かう先は、もう見慣れてしまった哲夫の寝室だ。
フラフラと歩くサトシは、そのまま哲夫によってベッドへと押し倒された。柔らかいマットレスに体が沈み込む。三日前の出来事が、まるでデジャヴのように繰り返されようとしていた。薄暗い部屋の中で、サトシの胸元で不自然に主張するシリコンの感触だけが、妙に生々しく感じられた。
「礼なら……体で伝えてほしいな」
哲夫の声は、酔ったサトシの耳には、普段よりも甘く、そして抗いがたい響きを帯びていた。サトシは意味が分からず、ただぼんやりと哲夫を見つめ返す。その瞳は、まだ酔いに霞んで、哲夫の言葉の真意を捉えきれていない。
哲夫はそんなサトシの腕を取り、まるで当たり前のようにサトシの部屋へと誘導した。サトシはされるがままに、哲夫についていく。部屋に着くと、哲夫は躊躇なくクローゼットを開け、数日前にサトシが身につけた、あのシリコンの胸が付いた服を取り出した。
「さ、着替えようか」
哲夫の言葉に、サトシの意識がわずかに覚醒しかけたが、酔いはまだ深く、はっきりと状況を理解できない。哲夫はまるで人形を扱うかのように、器用にサトシの服を脱がせ、代わりにあのリアルなシリコンの胸付きの服を身につけさせた。肌に触れるひんやりとした感触と、胸元の異様な膨らみ。サトシは違和感を覚えるものの、体が鉛のように重く、抵抗する気力もなかった。
哲夫は満足げにサトシの姿を見つめ、再びその腕を取った。向かう先は、もう見慣れてしまった哲夫の寝室だ。
フラフラと歩くサトシは、そのまま哲夫によってベッドへと押し倒された。柔らかいマットレスに体が沈み込む。三日前の出来事が、まるでデジャヴのように繰り返されようとしていた。薄暗い部屋の中で、サトシの胸元で不自然に主張するシリコンの感触だけが、妙に生々しく感じられた。
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