8 / 66
高等部になった2
しおりを挟む
新たな学園生活といっても、結局通う学校は変わらない。エスカレーター式だから、同級生の大半は知った顔だ。
友達増えるかなってちょっと期待したが、今のところクロエくらいだ。もとから嫌われている人間が学年上がったからと好かれるかと言ったら、好かれないんだよな。
「おい、でかいんだから入り口でぼーっと突っ立ってんじゃねーよ」
「ん、ごめん」
教室の出入り口、今しがた通ってきた場所を振り返ると、クロエがクラスメイトに突かれているところだった。
赤髪のあいつは確か、地方貴族の息子とかなんとか。昔は爵位などが存在していたが、オルカンドは貴族制度を廃止して久しい。貴族なんて過去のものなのだ。
とはいえ、土地やら会社などで過去の地位が反映されているため、家柄が良いものはよほどのことが無い限り、今でも国において強い力を持っている。アーヴィンもその内の一つだ。
何が言いたいかというと、あの田舎者は偉そうにしているが、金のある一般人ということ。おそらく、彼の故郷では家の力が強いのだろう。
「とかげでも人間の言葉が理解できるんだ? 分からないのかと思っていたな」
おいやめろ、そのテンプレートな一般雑魚クラスメイトムーブ。俺の専売特許のはずだ。お前がやるな。いやいや、俺はそういうキャラは卒業したのだった。
とにかく、クロエの竜人という個性を揶揄する言葉はいただけない。ここはお前の故郷ではないので、偉そうな態度は控えるのが吉である。取り巻きの生徒たちが、一緒になってひそひそ話をしているのもよろしくないな。文句は堂々と言え。
彼らの行動は気に食わないが、クロエもクロエで少しおかしい。ひたすら無言であほ共を見るのをやめろ。何か言うか、その場から立ち去れ。そういうとこだぞ。
入学当初、クロエは世にも珍しい竜人ということで、かなり注目を浴びていた。
エルフ、ドワーフ、獣人には慣れたものだが、引きこもりの竜人族が外に出てきたのも人々の興味を引く要因だったのだろう。
入学式の後、初めて教室にやって来た際に、クロエは大勢の人間に囲まれていた。竜化ってどうなるのか、固有魔法ってなに、竜人の里ってどうやっていくの。
クラスメイトからの質問に、なんとクロエは一切返事をしなかったのだ。俺も自分の席に座りながらその様子を見ていたが、変な汗が出た。
無言無表情のクロエと、静まり返る教室。地獄か、嘆きの川にでも来たかのような冷えた空気。時が止まったような世界だったが、担任の登場でようやく解放された。
それから、クロエはクラスメイトとほぼ会話をしなくなり、このようにちくちくされるようになってしまった。恐ろしいのは、相変わらず効いていなさそうなクロエの態度だ。
ルームメイトの俺と会話してくれるのは、いったいどんな気まぐれなのだろう。
何でクラスの人間と会話をしないのかと聞いたことがあるが、話す必要性がないからという理由だった。竜人の里は、人選を間違えたのではないだろうか。
揶揄う発言をする男子せいととその取り巻きを、クロエはただぼんやり見つめている。怖い、何か言ってやらないと彼らも落としどころが分からないのではないだろう。強張った笑顔で会話を頑張っている様子に、俺まで苦しくなる。まあ、会話じゃなくて悪口なので同情はしないのだが。
数秒悩んで、俺はクロエの元へと向かう。
「クロエ」
クロエの肩を叩くと、ゆっくりとした動作でこちらを振り向いた。その顔は無だ。夜空のような美しい瞳が今は空洞のようだ。
なにそれどういう感情? 動揺しつつも、クロエの手を引いてこっちにこいと促す。すると、男子生徒は無反応のクロエから俺へとターゲットを変えたのか、口の端を吊り上げてこちらを見た。
「アーヴィンか、お前のペットもう少し言葉を教えたほうが良いんじゃないか?」
「すまない。今人間の言葉だったか? 聞き取れなかった」
嫌味には嫌味を、これは古来からある目には目を歯には歯をの応用である。
クラスメイトをペット呼ばわりする奴と話す言葉を、俺は持ち合わせていない。もっとましな台詞を選べ。
ここまで言うと喧嘩になるので、最大限気を使ってマイルドにしたというのに、目の前の男は顔を真っ赤にして唇を震わせた。
「お前、俺より魔力値低かったくせに偉そうだな? お父さんとお兄ちゃんがすごいから俺もすごいぞって? 自分は雑魚のくせに」
「魔力値……? そうなのか、きみの名前も知らないから能力も知らなかった。俺の家族を褒めてくれてありがとう、君の言う通り俺は彼らより能力の劣る人間だ。そんな俺に勝てるなんてすごいぞ、偉いぞ名も知らぬ人。そんな子供みたいな言葉、俺にはとても吐けない」
「クロ―ドだ! ふざけてるだろお前!」
「大真面目だが? きみの名前、明日にはまた忘れるから名乗らなくてよかったのに」
「ユーリ、だめ、とまれ」
クロエが俺のブレザーをくいくい引っ張って僅かに眉間に皺を寄せている。珍しい表情だ。
まあ、これ以上話しても意味は無い。クロードとやらのクロエを見下す態度が好かなかったので、少しやり返しただけだ。こういう人間は、認識されないことを嫌う。自己評価が高く、他者を下に見る傾向があるからな。経験者だから語る。
「おいまて、アーヴィン。今度魔導士初級実技テストがあるよな? お前、そこで俺より成績が悪かったらどうする?」
「どうもしないが? だって、きみのが魔力値高かったんだろ?」
日本ではこういうのをレスバっていうんだよな。いや違うか、あれと同じく無駄な時間を過ごしてしまった気がする。今後は控えよう。
まだ何か言いたげなクロードを無視して、俺はクロエと共に席に戻る。クラスメイトからの視線が刺さるが、こんなの慣れたもんだ。ヘイトを買うのは俺の特技である。
魔導士初級、そういえばそろそろそんな季節だ。
魔導士初級とは、魔法使いの第一歩だ。
中等部までは練習用触媒で魔力をセーブしつつ、基礎魔法の練習をする。初級資格を取った後は、練習用じゃなく自分に合った触媒を選び、個人に合った能力を高めていく。
風魔法が得意なら、風魔法、火なら火、それ以外にも魔法の種類はあるので何が伸びるかはその人次第だ。
実技テストは、国家魔導士を招き行うもので、これに合格することでシルヴィアでの学園生活本格スタートとなる。落ちると、地獄の補習の後必ず習得させられる。どうしても無理な場合は退学だ。
そのテストで特進行きも決まる。一年で特進クラスに行ける可能性は無いに等しい。
大体触媒や自身の魔法に慣れた頃、二年春に行われる魔導士中級のテストから特進クラスに入れる人間が増える。まあ、俺の兄は一年で入ったらしいけどな。
座学実技ともにハイレベル。初級なんて飛び越えて上級資格を取ることを、教師や先輩からお勧めされたそうな。憎たらしいことだ。
アルとクロエはおそらくだが、一年で特進に行くのだろう。ゲーム内でも最初から二人は特進寮に居て、ルームメイトだったはずだ。
となると、俺はまた友達のいない学園生活に戻るのか。
数秒考えて、それもやむなしという結論に至る。勉強はどうにかなっても、実技部分は自信がない。
「ユーリ」
「なんだ。席に戻ったらどうだ」
「もどるよ、一応お礼、ありがと」
「お前が何もしないから口を出した。お前のためじゃない」
あいつが余計なことを言うから言い返しただけだ。本当にクロエのためではないのだが、クロエは頬を緩める。微笑みというのだろうか、こいつ笑えたのか、驚いて開いた口が閉じない。
「じぶんのため?」
「あ、ああ。当然だろ」
「そっか、なら少し注意。ああいうのは反応しないのが一番」
「俺には無理だな」
「だろうね」
お前に何がわかる。むっとしたが、クロエが珍しく笑っているので、余計なことは言わないでおいた。
友達増えるかなってちょっと期待したが、今のところクロエくらいだ。もとから嫌われている人間が学年上がったからと好かれるかと言ったら、好かれないんだよな。
「おい、でかいんだから入り口でぼーっと突っ立ってんじゃねーよ」
「ん、ごめん」
教室の出入り口、今しがた通ってきた場所を振り返ると、クロエがクラスメイトに突かれているところだった。
赤髪のあいつは確か、地方貴族の息子とかなんとか。昔は爵位などが存在していたが、オルカンドは貴族制度を廃止して久しい。貴族なんて過去のものなのだ。
とはいえ、土地やら会社などで過去の地位が反映されているため、家柄が良いものはよほどのことが無い限り、今でも国において強い力を持っている。アーヴィンもその内の一つだ。
何が言いたいかというと、あの田舎者は偉そうにしているが、金のある一般人ということ。おそらく、彼の故郷では家の力が強いのだろう。
「とかげでも人間の言葉が理解できるんだ? 分からないのかと思っていたな」
おいやめろ、そのテンプレートな一般雑魚クラスメイトムーブ。俺の専売特許のはずだ。お前がやるな。いやいや、俺はそういうキャラは卒業したのだった。
とにかく、クロエの竜人という個性を揶揄する言葉はいただけない。ここはお前の故郷ではないので、偉そうな態度は控えるのが吉である。取り巻きの生徒たちが、一緒になってひそひそ話をしているのもよろしくないな。文句は堂々と言え。
彼らの行動は気に食わないが、クロエもクロエで少しおかしい。ひたすら無言であほ共を見るのをやめろ。何か言うか、その場から立ち去れ。そういうとこだぞ。
入学当初、クロエは世にも珍しい竜人ということで、かなり注目を浴びていた。
エルフ、ドワーフ、獣人には慣れたものだが、引きこもりの竜人族が外に出てきたのも人々の興味を引く要因だったのだろう。
入学式の後、初めて教室にやって来た際に、クロエは大勢の人間に囲まれていた。竜化ってどうなるのか、固有魔法ってなに、竜人の里ってどうやっていくの。
クラスメイトからの質問に、なんとクロエは一切返事をしなかったのだ。俺も自分の席に座りながらその様子を見ていたが、変な汗が出た。
無言無表情のクロエと、静まり返る教室。地獄か、嘆きの川にでも来たかのような冷えた空気。時が止まったような世界だったが、担任の登場でようやく解放された。
それから、クロエはクラスメイトとほぼ会話をしなくなり、このようにちくちくされるようになってしまった。恐ろしいのは、相変わらず効いていなさそうなクロエの態度だ。
ルームメイトの俺と会話してくれるのは、いったいどんな気まぐれなのだろう。
何でクラスの人間と会話をしないのかと聞いたことがあるが、話す必要性がないからという理由だった。竜人の里は、人選を間違えたのではないだろうか。
揶揄う発言をする男子せいととその取り巻きを、クロエはただぼんやり見つめている。怖い、何か言ってやらないと彼らも落としどころが分からないのではないだろう。強張った笑顔で会話を頑張っている様子に、俺まで苦しくなる。まあ、会話じゃなくて悪口なので同情はしないのだが。
数秒悩んで、俺はクロエの元へと向かう。
「クロエ」
クロエの肩を叩くと、ゆっくりとした動作でこちらを振り向いた。その顔は無だ。夜空のような美しい瞳が今は空洞のようだ。
なにそれどういう感情? 動揺しつつも、クロエの手を引いてこっちにこいと促す。すると、男子生徒は無反応のクロエから俺へとターゲットを変えたのか、口の端を吊り上げてこちらを見た。
「アーヴィンか、お前のペットもう少し言葉を教えたほうが良いんじゃないか?」
「すまない。今人間の言葉だったか? 聞き取れなかった」
嫌味には嫌味を、これは古来からある目には目を歯には歯をの応用である。
クラスメイトをペット呼ばわりする奴と話す言葉を、俺は持ち合わせていない。もっとましな台詞を選べ。
ここまで言うと喧嘩になるので、最大限気を使ってマイルドにしたというのに、目の前の男は顔を真っ赤にして唇を震わせた。
「お前、俺より魔力値低かったくせに偉そうだな? お父さんとお兄ちゃんがすごいから俺もすごいぞって? 自分は雑魚のくせに」
「魔力値……? そうなのか、きみの名前も知らないから能力も知らなかった。俺の家族を褒めてくれてありがとう、君の言う通り俺は彼らより能力の劣る人間だ。そんな俺に勝てるなんてすごいぞ、偉いぞ名も知らぬ人。そんな子供みたいな言葉、俺にはとても吐けない」
「クロ―ドだ! ふざけてるだろお前!」
「大真面目だが? きみの名前、明日にはまた忘れるから名乗らなくてよかったのに」
「ユーリ、だめ、とまれ」
クロエが俺のブレザーをくいくい引っ張って僅かに眉間に皺を寄せている。珍しい表情だ。
まあ、これ以上話しても意味は無い。クロードとやらのクロエを見下す態度が好かなかったので、少しやり返しただけだ。こういう人間は、認識されないことを嫌う。自己評価が高く、他者を下に見る傾向があるからな。経験者だから語る。
「おいまて、アーヴィン。今度魔導士初級実技テストがあるよな? お前、そこで俺より成績が悪かったらどうする?」
「どうもしないが? だって、きみのが魔力値高かったんだろ?」
日本ではこういうのをレスバっていうんだよな。いや違うか、あれと同じく無駄な時間を過ごしてしまった気がする。今後は控えよう。
まだ何か言いたげなクロードを無視して、俺はクロエと共に席に戻る。クラスメイトからの視線が刺さるが、こんなの慣れたもんだ。ヘイトを買うのは俺の特技である。
魔導士初級、そういえばそろそろそんな季節だ。
魔導士初級とは、魔法使いの第一歩だ。
中等部までは練習用触媒で魔力をセーブしつつ、基礎魔法の練習をする。初級資格を取った後は、練習用じゃなく自分に合った触媒を選び、個人に合った能力を高めていく。
風魔法が得意なら、風魔法、火なら火、それ以外にも魔法の種類はあるので何が伸びるかはその人次第だ。
実技テストは、国家魔導士を招き行うもので、これに合格することでシルヴィアでの学園生活本格スタートとなる。落ちると、地獄の補習の後必ず習得させられる。どうしても無理な場合は退学だ。
そのテストで特進行きも決まる。一年で特進クラスに行ける可能性は無いに等しい。
大体触媒や自身の魔法に慣れた頃、二年春に行われる魔導士中級のテストから特進クラスに入れる人間が増える。まあ、俺の兄は一年で入ったらしいけどな。
座学実技ともにハイレベル。初級なんて飛び越えて上級資格を取ることを、教師や先輩からお勧めされたそうな。憎たらしいことだ。
アルとクロエはおそらくだが、一年で特進に行くのだろう。ゲーム内でも最初から二人は特進寮に居て、ルームメイトだったはずだ。
となると、俺はまた友達のいない学園生活に戻るのか。
数秒考えて、それもやむなしという結論に至る。勉強はどうにかなっても、実技部分は自信がない。
「ユーリ」
「なんだ。席に戻ったらどうだ」
「もどるよ、一応お礼、ありがと」
「お前が何もしないから口を出した。お前のためじゃない」
あいつが余計なことを言うから言い返しただけだ。本当にクロエのためではないのだが、クロエは頬を緩める。微笑みというのだろうか、こいつ笑えたのか、驚いて開いた口が閉じない。
「じぶんのため?」
「あ、ああ。当然だろ」
「そっか、なら少し注意。ああいうのは反応しないのが一番」
「俺には無理だな」
「だろうね」
お前に何がわかる。むっとしたが、クロエが珍しく笑っているので、余計なことは言わないでおいた。
581
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる
ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。
この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。
ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる