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7 (ジーエン目線)
東の国の扉を開くと、アーレイの侍女ミルラが待ち構えていた。
「ジーエン様、こちらです!」
ミルラがジーエンを見ると足早に歩きだした。
ミルラが顔面蒼白で意識を失くしたアーレイを心配そうに見つめる。
「こちらに。アーレイ様のお部屋です」
女性の割には質素で、シンプルな内装。
少し殺風景すぎる、とミルラがいつも何かと装飾したがっていた。
「掃除が好きなのに、わざわざ掃除しにくい部屋にしたくないし」と王女らしからね理由でいつもミルラを困らせていた。
それでも、大好きなお花だけは大きめの花瓶に贅沢に飾っていた。アーレイはピンクの薔薇とかすみ草が大好きだった。
「ミルラ、ベッドを使いますね。これから傷の手当てと解毒を行ってる間に必要な物を準備してもらえますか。あと、マーリ様にも連絡を。後からウエイとリンセイ、ムーパが来るので迎えも頼みます」
ミルラが当然とばかりに頷く。
「まずは、清潔な布と、お湯、たらいの準備。着替えも用意して」
ミルラは早速準備に取り掛かるため、部屋を後にした。
ジーエンはアーレイをベッドに横たえると、両手を握りしめて祈った。
(アーレイ、緊急事態とはいえ、結婚前に君の肌を見ることを許してくれますか? 私は君に傷一つ残さないから安心してね。それじゃあ、始めるからね)
アーレイ見つめる眼差しはとことん暖かい。
ふーっと深呼吸をすると、すぐに医療用具を取り出した。
どんな時でもすぐに取り出せるように異空間に保管している。霊術で取り出すと、患部である肩のあたりの衣服を勢いよく鋏で切り裂く。白磁器のように艶のある肌が晒された。
(傷はやはりさほど深くはないですね……)
既に出血は収まり、血液が凝固を始めどす黒く皮膚にまとわりついていた。
簡単に消毒を行うと慎重にナイフを引き抜く。
ナイフの刃を観察する。
(ひとまず、怪我の治療)
ジーエンは肩の患部に向けて霊力を送る。
眩い光に包まれる。
ジーエンの治療は、霊力による治癒能力に霊術を混ぜて行う。
霊力の消耗が思った以上だったが、何とか傷の回復は行った。毒は全てを浄化するのにまだ時間がかかりそうだ。
(アーレイ、約束通り肌は元通りになったよ。安心して。結婚式での衣装も楽しみにしていますよ)
ジーエンは、宝物に触れるようにアーレイの頬にそっと手を重ねる。
「ジーエン様、先ほどの物が準備出来ております」
ミルラがベッドの脇にたらいを置く。
アーレイの顔色が少しずつ赤みを帯びてきたのを見て、安堵の表情を浮かべた。
「患部の怪我はぼぼ治っています。ただ、毒は複数の種類が混ざっているようでまだ完璧に解毒が出来ていません。とりあえず七割方は大丈夫かと」
あとは、後程北にナイフを持ち帰り、毒の鑑定を行うしかない。
「今のところ、命に別状はないから安心して下さい。アーレイは霊力が回復するまでしばらく目を覚まさないでしょう。患部を清めたら着替えさせて。私はマーリ様に会いに行ってきますね」
ジーエンはたらいで両手を洗いながら側で心配そうに見つめるミルラに伝える。
「かしこまりました。マーリ様からはジーエン様には貴賓室で待っていて欲しいと言付っております。使いの者がそこにおりますので、案内させます」
「分かりました。ありがとう。そうさせてもらいます。アーレイに何かあったら連絡して下さい」
ジーエンはそう言い残し、使いの者と部屋を出た。
「ジーエン様、こちらです!」
ミルラがジーエンを見ると足早に歩きだした。
ミルラが顔面蒼白で意識を失くしたアーレイを心配そうに見つめる。
「こちらに。アーレイ様のお部屋です」
女性の割には質素で、シンプルな内装。
少し殺風景すぎる、とミルラがいつも何かと装飾したがっていた。
「掃除が好きなのに、わざわざ掃除しにくい部屋にしたくないし」と王女らしからね理由でいつもミルラを困らせていた。
それでも、大好きなお花だけは大きめの花瓶に贅沢に飾っていた。アーレイはピンクの薔薇とかすみ草が大好きだった。
「ミルラ、ベッドを使いますね。これから傷の手当てと解毒を行ってる間に必要な物を準備してもらえますか。あと、マーリ様にも連絡を。後からウエイとリンセイ、ムーパが来るので迎えも頼みます」
ミルラが当然とばかりに頷く。
「まずは、清潔な布と、お湯、たらいの準備。着替えも用意して」
ミルラは早速準備に取り掛かるため、部屋を後にした。
ジーエンはアーレイをベッドに横たえると、両手を握りしめて祈った。
(アーレイ、緊急事態とはいえ、結婚前に君の肌を見ることを許してくれますか? 私は君に傷一つ残さないから安心してね。それじゃあ、始めるからね)
アーレイ見つめる眼差しはとことん暖かい。
ふーっと深呼吸をすると、すぐに医療用具を取り出した。
どんな時でもすぐに取り出せるように異空間に保管している。霊術で取り出すと、患部である肩のあたりの衣服を勢いよく鋏で切り裂く。白磁器のように艶のある肌が晒された。
(傷はやはりさほど深くはないですね……)
既に出血は収まり、血液が凝固を始めどす黒く皮膚にまとわりついていた。
簡単に消毒を行うと慎重にナイフを引き抜く。
ナイフの刃を観察する。
(ひとまず、怪我の治療)
ジーエンは肩の患部に向けて霊力を送る。
眩い光に包まれる。
ジーエンの治療は、霊力による治癒能力に霊術を混ぜて行う。
霊力の消耗が思った以上だったが、何とか傷の回復は行った。毒は全てを浄化するのにまだ時間がかかりそうだ。
(アーレイ、約束通り肌は元通りになったよ。安心して。結婚式での衣装も楽しみにしていますよ)
ジーエンは、宝物に触れるようにアーレイの頬にそっと手を重ねる。
「ジーエン様、先ほどの物が準備出来ております」
ミルラがベッドの脇にたらいを置く。
アーレイの顔色が少しずつ赤みを帯びてきたのを見て、安堵の表情を浮かべた。
「患部の怪我はぼぼ治っています。ただ、毒は複数の種類が混ざっているようでまだ完璧に解毒が出来ていません。とりあえず七割方は大丈夫かと」
あとは、後程北にナイフを持ち帰り、毒の鑑定を行うしかない。
「今のところ、命に別状はないから安心して下さい。アーレイは霊力が回復するまでしばらく目を覚まさないでしょう。患部を清めたら着替えさせて。私はマーリ様に会いに行ってきますね」
ジーエンはたらいで両手を洗いながら側で心配そうに見つめるミルラに伝える。
「かしこまりました。マーリ様からはジーエン様には貴賓室で待っていて欲しいと言付っております。使いの者がそこにおりますので、案内させます」
「分かりました。ありがとう。そうさせてもらいます。アーレイに何かあったら連絡して下さい」
ジーエンはそう言い残し、使いの者と部屋を出た。
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