女神なんてお断り!~感情を封印された女神が3人のハイスペ神様兼王子に溺愛されまして

紅位碧子 kurenaiaoko

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何だか胸騒ぎしかしない。

 たぶん、予感ではなく、正解だろう。たぶん。

 (ふぃぃ――――)

 アーレイは、両親の私室の前でこれから起こるであろうことを少し推測していた。

 正直なところ、母親であるマーリは、母親だけれどもいつも女神で、だからこそいつもその発想と行動が斜め上をいく。

 今回の夫三人事件(もう、私の中では事件認定!)も、周りの反応を見る限りは、知らないのは自分だけ、という感じがしている。

 (きっとお母様のことだから、『あら?言ってなかったかしら?うふふっ』とかケロっと言って、本当は意図的に隠してる、とか何だろうけどっ)

 母親のことは大抵お見通し、なのである。

 (それに、さっきの三人の様子からしても、まーだ何か隠してる気がするし!)

 いざ、対面前に覚悟を決めるしかない。

 複雑な感情をもて余しながら、扉をノックしようとしたその時だった。

 肩をぽんと叩かれ、不意打ちをくらう。

 「よ、久しぶりだな。俺も呼ばれた」

 「え?兄様『も』呼ばれたの?」

 久しぶりの姿が私の瞳の奥で大きくなった。

 兄であり、現在東の国で王太子を務めるライナスが茶目っ気たっぷりな表情を浮かべている。

 ライナスは二年前に結婚し、既に男子も誕生している。いつも何を考えているのか良くわかない飄々としたイメージを与える長身の美青年だが、母親譲りなのかしたたかな策士な一面も持ち合わせている。次期国王として申し分ない、というのが世間の評判だ。

 (な、何だか嬉しそうな?違う、違う!何か含みのある感じ?)

 「お告げ、出たんだって?旦那が三人かぁ……」

 ニヤリと笑いながら、いろいろ聞かせろ、と言わんばかりに肘で小突いてくる。

 「もー!その話題?」

 「いま、天界じゃあその話題で持ちきり」

 「何それ!もうみんな知ってるの?」

 (あー、本当に何だかもう!恥ずかしいったら)

 「そんなに照れんなよ。母上の時は五人だったらしいからな」

 思わぬところから、思わぬ話が飛び込んできて、アーレイは一瞬意味が良く分からなかった。

 「ご、ごにん??」

 お前、知らなかったの?と言わんばかりの口振りにアーレイが全力で首を左右に振る。

 扉の前で会話していたのが聞こえたのだろう。侍女が絶妙なタイミングで扉を開け、二人に中へと促す。

 アーレイはもうあれこれ考えても仕方ないと諦め、直接母に聞く決心を改めてした。

 侍女に案内されたその先には、思いがけず国王である父親ヨハンの姿も有った。

 二人は、よくお茶をするテーブルに隣り合わせで座っていた。紅茶の湯気がうっすら見える。

 二人は両親と向かい合う形で着席した。

 「アーレイ、ちょうど様子を見に行こうと思って、ヨハンと話をしていたの。いろいろ話もあるし、ライナスにも重大な話があるし。だから、一緒に話を聞いてもらえないかしら?」

 このお母様のお願い、はいつもお願いではなく、命令に近いことも兄妹は十二分過ぎるほど知っている。沈黙しながらも、お母様は肯定、と受けとったのか話を続けた。

 「アーレイは見たところ、大分回復したようで良かった。ジーエンのおかげだな。解毒も彼がいればも問題ないと思うが、念のため要心するんだよ」

 いつ見ても優しい笑顔に癒される。

 国王であり、父親であるヨハンは本当に家族思いの素敵な人物なのだ。

 (いつもお母様に振り回されて可哀想だけどっ)

 「お父様、もちろんです」

 何かあればもちろんジーエンに相談するつもりだし、ジーエン以外に相談できる人も少ない。

 お父様はホッとした表情を浮かべ、お母様に視線を投げかた。この夫婦の力関係は言わずもがな、である。

 「あの、お母様。縁者石のお告げのことなのですが……」

 私は恐る恐る切り出してみた。

 「天界から霊伝書も届いたわ。まず、アーレイちゃん、本当におめでとう!わたくし、本当に嬉しいの。あなたをあんなに愛してくれる三人と結ばれることに感謝しかないわ。気になるのは、なぜ夫が三人かということよね?」

 私は素直にこくんと頷く。

 その裏では、あの三人私のこと好きだったの?!なぜそれをお母様が知ってるの?!と疑問が次々に湧いてくる。

 「わたくしのお告げはね、夫は五人だったわ。五人よ?でも、今は夫がヨハン一人でしょ?不思議に思うと思うわ。この話はライナスも初めてかしら?」

 兄様が初めて詳細は伺います、と伝えるとお母様が話はじめた。

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