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これはただ事ではないと判断すべき、だ。
「これは、先ほど3人にはすでに話をしたのだけれど。以前、女神の武器は何か?という話をしたのを覚えている?その時に、お告げが出る頃には分かるから、と話をしたでしょう。今日はその『感情』の話をしたいの。」
「……感情、ですか」
つい最近、思い出話として思い出してはいたが、それほど重要なこととしての認識はなかった。
だが、お母様の感じからすると相当重要なことなのだろう。
「そう。天界に存在する神仙の中で、唯一『感情』を操ることが出来るのが大地の女神なの。これはきっと、戦う武器を持たない代わりに持たせてもらった武器、なんでしょうね。この大地の女神の『感情』の術はね、いろいろあるのだけど。例えば、目の前の人が今どんな感情を抱いているのか?喜怒哀楽が分かるわ。あと、その人が自分に対してどういう感情を抱いているかも分かる。だから、誰が誰を好きとか、嫌いとか。憎んでいるとかも分かるわよ。間者とかもすごく分かりやすいの。だから、私の目の届く範囲では間者はいないはずよ。特に、いわゆる運命で結ばれる相手というのは、特別な感情表現が出ていて、何ていうのか金色の糸がお互いを繋いでいるの。それが女神には見えるの。だから、あの三人があなたをどう思っているかもずっと知っていたわ」
ーーな、な、なんとそういうこと?!
(でも、私にはその感情は全く見えないし、分からないし。まだ修行が足りないということ?)
「あ、あのお母様、私にはまったく感情は見えないのですが・・」
お母様は笑みを浮かべながら優雅に紅茶のカップに手をかけた。
「私とヨハンが話し合って、あなたが小さいころに感情封印の儀を行ったから今は見えないし、感じないし、相手の感情をコントロールすることも出来ないわ」
私はちょうど飲みかけていた紅茶を思わず吹き出しそうになってしまった。
「感情封印?!でも、一応私にも喜怒哀楽はありますが・・」
「ごめんなさいね。今まで黙っていて。この感情の術というのか能力が本当に恐ろしくて。見えたり、感じたりするとずっと振り回されてしまうの。私もね、この能力のおかげで本当に大変だったから。だから、その能力の一部であるいわゆる色恋沙汰に関わる部分の感情を封印させてもらったのと、相手の感情が見える、可視化能力を封印させてもらったわ。だから、あなたは今は感情が見えないし、あとは誰にでも平等に愛情を持って接することが出来たの。だってわたくしの娘でしょう?懸想してくる人がわんさか出てくると思っていたし、これで随分と色恋
沙汰のトラブルは回避されてきたと思うわ。私が見えただけでも10人以上いるわよ、あなたのことが好きな人」
10人以上?
全く気が付きませんでしたっ!
私、そんなにモテモテだったの?!
ええーっと。突然思いもよらぬことを言われると頭が真っ白になる、というのは本当で。
ここでこの『感情』の能力の話が出てきて、でも全然実感がない自分がいてどう反応していいのかも分からなくなっていた。
「でもお告げも出たし、そろそろ恋愛解禁にしないと、ね?おまけに、これからしばらく戦争が起こるわ。だからその能力を思う存分に使えるようにしておかないと、と思って。感情開放の儀をしたいのだけどいいかしら?」
いいかしら?と聞かれ、これまた否、とも言えない状況に私はただ小さく頷くしかなかった。
「儀式はすぐに終わるわ。あと、わたくしがずっと修行していたのを知っているでしょう?なぜ修行していたかと言えば、この感情可視化能力をどうしても切り替え出来るようにしたくてずっと修行していたの。見たい時に見る、見たくない時は見えないようにしないと、本当に大変で。だから、解放の儀をした後にもしその切り替えを習得したいのなら、遠慮なく言ってね」
私はまだその感情が見えることも良く理解していないので、とりあえずはまずはそれに慣れなくては……。
「はい、分かりました。お母様、では儀式をお願いします」
隣で兄上が女神って何だかやっぱりすげぇな、と小声でつぶやいているのをよそに、お母様に促されて別室に行くことになった。
「これは、先ほど3人にはすでに話をしたのだけれど。以前、女神の武器は何か?という話をしたのを覚えている?その時に、お告げが出る頃には分かるから、と話をしたでしょう。今日はその『感情』の話をしたいの。」
「……感情、ですか」
つい最近、思い出話として思い出してはいたが、それほど重要なこととしての認識はなかった。
だが、お母様の感じからすると相当重要なことなのだろう。
「そう。天界に存在する神仙の中で、唯一『感情』を操ることが出来るのが大地の女神なの。これはきっと、戦う武器を持たない代わりに持たせてもらった武器、なんでしょうね。この大地の女神の『感情』の術はね、いろいろあるのだけど。例えば、目の前の人が今どんな感情を抱いているのか?喜怒哀楽が分かるわ。あと、その人が自分に対してどういう感情を抱いているかも分かる。だから、誰が誰を好きとか、嫌いとか。憎んでいるとかも分かるわよ。間者とかもすごく分かりやすいの。だから、私の目の届く範囲では間者はいないはずよ。特に、いわゆる運命で結ばれる相手というのは、特別な感情表現が出ていて、何ていうのか金色の糸がお互いを繋いでいるの。それが女神には見えるの。だから、あの三人があなたをどう思っているかもずっと知っていたわ」
ーーな、な、なんとそういうこと?!
(でも、私にはその感情は全く見えないし、分からないし。まだ修行が足りないということ?)
「あ、あのお母様、私にはまったく感情は見えないのですが・・」
お母様は笑みを浮かべながら優雅に紅茶のカップに手をかけた。
「私とヨハンが話し合って、あなたが小さいころに感情封印の儀を行ったから今は見えないし、感じないし、相手の感情をコントロールすることも出来ないわ」
私はちょうど飲みかけていた紅茶を思わず吹き出しそうになってしまった。
「感情封印?!でも、一応私にも喜怒哀楽はありますが・・」
「ごめんなさいね。今まで黙っていて。この感情の術というのか能力が本当に恐ろしくて。見えたり、感じたりするとずっと振り回されてしまうの。私もね、この能力のおかげで本当に大変だったから。だから、その能力の一部であるいわゆる色恋沙汰に関わる部分の感情を封印させてもらったのと、相手の感情が見える、可視化能力を封印させてもらったわ。だから、あなたは今は感情が見えないし、あとは誰にでも平等に愛情を持って接することが出来たの。だってわたくしの娘でしょう?懸想してくる人がわんさか出てくると思っていたし、これで随分と色恋
沙汰のトラブルは回避されてきたと思うわ。私が見えただけでも10人以上いるわよ、あなたのことが好きな人」
10人以上?
全く気が付きませんでしたっ!
私、そんなにモテモテだったの?!
ええーっと。突然思いもよらぬことを言われると頭が真っ白になる、というのは本当で。
ここでこの『感情』の能力の話が出てきて、でも全然実感がない自分がいてどう反応していいのかも分からなくなっていた。
「でもお告げも出たし、そろそろ恋愛解禁にしないと、ね?おまけに、これからしばらく戦争が起こるわ。だからその能力を思う存分に使えるようにしておかないと、と思って。感情開放の儀をしたいのだけどいいかしら?」
いいかしら?と聞かれ、これまた否、とも言えない状況に私はただ小さく頷くしかなかった。
「儀式はすぐに終わるわ。あと、わたくしがずっと修行していたのを知っているでしょう?なぜ修行していたかと言えば、この感情可視化能力をどうしても切り替え出来るようにしたくてずっと修行していたの。見たい時に見る、見たくない時は見えないようにしないと、本当に大変で。だから、解放の儀をした後にもしその切り替えを習得したいのなら、遠慮なく言ってね」
私はまだその感情が見えることも良く理解していないので、とりあえずはまずはそれに慣れなくては……。
「はい、分かりました。お母様、では儀式をお願いします」
隣で兄上が女神って何だかやっぱりすげぇな、と小声でつぶやいているのをよそに、お母様に促されて別室に行くことになった。
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