女神なんてお断り!~感情を封印された女神が3人のハイスペ神様兼王子に溺愛されまして

紅位碧子 kurenaiaoko

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 「ーーこれが天界樹かぁ」

 ウエイが天界樹を下から見上げている。

 圧倒的なパワーに、感嘆の声が漏れる。

 「すごいでしょ?天界樹。あと、あそこが霊脈。」

 私は天界樹の幹の側にあるいわゆるパワースポットを指差した。

 「あそこで霊力の充電が出来るよ!」

 ウエイは早速胡座をかき、霊力を取り入れている。

 ウエイと一緒に転移してきた私は久々の天界樹の回りを観察し始める。

 (何か変わりがあるかもーー)

 樹齢は推定だが何百万年と言われており、かなりの長さの幹が見るものを圧倒する。

 天界樹の幹の先には、生い茂った緑の葉がある。

 もう少ししたら一万二千年に一度の天界樹の花が咲き、実をつける。その実は貴重な霊薬になる。

 (実がなるのは結婚式の頃かなあ。またジーエンと天界樹の実について話しをしないとだ……)

 そんなことを考えていたら、ふと思いついてしまった。

 (ーー天界樹に実があるなら、魔界樹にもあるよね?)

 天界樹の実が霊薬なら、魔界樹の実も薬になるだろう。

 (もしかしたら、それを飲まされた?ジーエンが天界にはない毒と言っていたしーー)

 後からウエイに聞いてみよう、と思いながら私はリュウイの到着を待って久々に天界樹の中に入ることにした。

 「ウエイ、リュウイ。ちょっと天界樹の中に行ってくるね」

 リュウイと霊獣の到着を見ながら、久々の天界樹の中に思いを馳せる。

 私だけの空間。

 この中に入れるのは歴代の大地の女神だけ、だ。

 天界樹の入り口は女神にしか反応しない。

 アーレイが幹に手をかけると、すぐさま人が一人通れるくらいの空間が現れた。

 すかさずアーレイは足を踏み入れる。

 よく天界樹の中はどうなっているのか聞かれるが、表現するならば神秘的で、ある意味全てが無になる空間、だ。

 まるで夢の中にいるようなキラキラした光景が広がっている。

 ここに入るだけで心が満たされ、気力がみなぎってくる。

 その時だった。

 「---誰?」

 背後に気配を感じた。

 誰も入ることが出来ない空間に誰もいるはずがないという思いと、僅かながら自分以外の気を感じている自分の感覚を比べていた。

 ゆっくりと体を翻す。

 (ーー誰?)

 やはり気配はあった。

 そこには、美しい銀髪を持ち、端正な顔立ちの男性が佇んでいた。年の頃はアーレイの父親と同じくらいか?今まで見たことのない人物だった。

 あまりに優しい表情をしていて、警戒心が一気に壊される。アーレイを見つめるその表情はあまりに甘く、穏やかでいとおしい目をしていた。

 ーーあなたは誰?

 ーーなぜここに入れるの?

 アーレイの心の声に、その人物は只頷く。

 「私は君の守り神だ……」

 守り神?

 「全て君のお陰だ。ありがとう」

 感謝の言葉にも全く心あたりがなかった。

 圧倒的な静寂の中で、アーレイはただその場にいた。動けなかった。

 すると、急にアーレイを眠気が襲った。

 (何?私、どうしちゃったの?)

 瞼がゆっくりと閉じていく。

 「しばらくおやすみ。アーレイ。私の娘」

 その人物は、ゆっくりと天界樹に横たわるアーレイの頬をいとおしそうに撫でた。

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