7 / 61
結婚式と初夜
翌日の結婚式は盛大に行われた。
アレクは文句なしに格好良かった!
(……一人で見惚れてしまった…!!)
姉も王太子殿下と参列してくれ、両親はとても得意気な顔をしていた。
(……はぁ、疲れた)
結婚式後の披露宴でもひたすら微笑むアレクはずっと招待客と談笑していた。
一方私は精神的にも、肉体的にも限界を感じた頃にシリカが『御召しかえのお時間です』と迎えに来てくれた。
(……ありがとう!シリカ!)
窮屈な衣装を脱ぐと湯船に浸かりのんびりと初夜の準備を始めた。
(……今日からアレクの妻に…!)
嬉しくて。
恥ずかしくて……。
湯船の中で一人悶える私。
背中の傷はまだ残っている。
けど、アレクなら受け入れてくれるはず……。
私は期待に胸を膨らませ、シリカが用意した夜着に着替え、初めて夫婦の寝室に足を踏み入れた。
30分程待っただろうか?
湯浴みを済ませ、夜着に着替えたアレクが部屋を訪れた。
私は緊張しすぎてアレクの顔を見ることが出来なかった。
「……待たせたね、リリアナ。少し話をしたいのだけれどいいかな?」
私はゆっくりと頷いた。
「……リリアナ。今日から君は私の書類上の妻になった。だから、世間的には良い夫婦を演じたいと思っているよ。君を妻にしたのは命の恩人の頼みだったからね……」
「……はぁ」
正直、あの事件の書類に我が公爵家との間でどんな話になったか聞いていなかった。今のアレクの話から推測するに、アレクを庇って傷モノになった私が両親に泣きついてアレクの婚約者になったーーと言うことなのだろう。
「……それに、私には愛する女性がいる。ベッドを共にしたいのはその女性だけなんだ。済まない」
「……は?」
ーーそれは、愛人がいます。白い結婚でお願いします、と言うこと?
「……済まない」
「……つまりは、愛人がいて、身体の関係も既にあり私はお飾りのお情け妻になる、と?」
「……そうなるな。が、愛人ではない。愛する人だ」
「……なぜ今頃その話を?」
「ミリアーヌから、可哀想な妹の面倒を見てほしいと言われたからね」
ーー姉に言われたから?
ーー可哀想な妹?
私はだんだんと腹が立ってきた。
「子供はどうするのですか?その愛する人が産むのですか?」
「いや、それはないよ。愛する人には婚約者がいるし、結ばれることはないからね。養子でも探すつもりだから安心して」
……養子?
……安心?
意味が全然分からなかった。
分かったのは、私はここでも無価値で必要とされていない人間であることだけだった。
(……何で結婚しちゃったんだろう?)
涙すら流れなかった。
アレクは文句なしに格好良かった!
(……一人で見惚れてしまった…!!)
姉も王太子殿下と参列してくれ、両親はとても得意気な顔をしていた。
(……はぁ、疲れた)
結婚式後の披露宴でもひたすら微笑むアレクはずっと招待客と談笑していた。
一方私は精神的にも、肉体的にも限界を感じた頃にシリカが『御召しかえのお時間です』と迎えに来てくれた。
(……ありがとう!シリカ!)
窮屈な衣装を脱ぐと湯船に浸かりのんびりと初夜の準備を始めた。
(……今日からアレクの妻に…!)
嬉しくて。
恥ずかしくて……。
湯船の中で一人悶える私。
背中の傷はまだ残っている。
けど、アレクなら受け入れてくれるはず……。
私は期待に胸を膨らませ、シリカが用意した夜着に着替え、初めて夫婦の寝室に足を踏み入れた。
30分程待っただろうか?
湯浴みを済ませ、夜着に着替えたアレクが部屋を訪れた。
私は緊張しすぎてアレクの顔を見ることが出来なかった。
「……待たせたね、リリアナ。少し話をしたいのだけれどいいかな?」
私はゆっくりと頷いた。
「……リリアナ。今日から君は私の書類上の妻になった。だから、世間的には良い夫婦を演じたいと思っているよ。君を妻にしたのは命の恩人の頼みだったからね……」
「……はぁ」
正直、あの事件の書類に我が公爵家との間でどんな話になったか聞いていなかった。今のアレクの話から推測するに、アレクを庇って傷モノになった私が両親に泣きついてアレクの婚約者になったーーと言うことなのだろう。
「……それに、私には愛する女性がいる。ベッドを共にしたいのはその女性だけなんだ。済まない」
「……は?」
ーーそれは、愛人がいます。白い結婚でお願いします、と言うこと?
「……済まない」
「……つまりは、愛人がいて、身体の関係も既にあり私はお飾りのお情け妻になる、と?」
「……そうなるな。が、愛人ではない。愛する人だ」
「……なぜ今頃その話を?」
「ミリアーヌから、可哀想な妹の面倒を見てほしいと言われたからね」
ーー姉に言われたから?
ーー可哀想な妹?
私はだんだんと腹が立ってきた。
「子供はどうするのですか?その愛する人が産むのですか?」
「いや、それはないよ。愛する人には婚約者がいるし、結ばれることはないからね。養子でも探すつもりだから安心して」
……養子?
……安心?
意味が全然分からなかった。
分かったのは、私はここでも無価値で必要とされていない人間であることだけだった。
(……何で結婚しちゃったんだろう?)
涙すら流れなかった。
あなたにおすすめの小説
死ぬまでに叶えたい十の願い
木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」
三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。
離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する——
二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
その結婚は、白紙にしましょう
香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。
彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。
念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。
浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」
身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。
けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。
「分かりました。その提案を、受け入れ──」
全然受け入れられませんけど!?
形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。
武骨で不器用な王国騎士団長。
二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。