13 / 61
予行演習
しおりを挟む
朝食を笑顔だけで乗りきり、その後は家令と共に雑務をこなす日々。
(……白い結婚な私だから、みんなにいじめられると思ってたんだけど違うみたいね……)
良くも悪くもごく普通の対応をされる私。
きっと未来の王太子妃の妹だからだろう、と察する。
夕食までは自由な時間があるため、飛び降りの練習をしながら、計画に必要なとある薬を手配することにした。
そのため家令には外出したい旨を伝え、馬車の手配だけお願いした。どこに行くのかも聞かれず、私は二人を連れて街に繰り出した。
目指したのは、薬屋だった。
以前、その薬の存在を知り、気になっていろいろ調べていたがすっかり記憶から抜け落ちてしまっていた。
その薬は、仮死状態のまま意識だけ覚醒することが出来る薬。
偽装飛び降りをした後に、1ヶ月意識不明になる予定で、その間に私の周囲で交わされる会話は私の知るところになる。
(……王太子殿下には図々しくも手紙を送って影をつけてもらわなくては……!きっとあの二人ならボロが出るはずだから……)
自ら罪を告白させたかった。
(……まあ、そのための飛び降りは少しの代償…!!)
あまり酷くない傷になることを祈るのみ。
実家である公爵家
両親に、姉。
アレク。
私の存在なんて空気よりも軽くて、何をしてもいいと思っている人たち。
アレク、姉、王太子殿下宛に遺書を書いた。
(……何だか楽しくなってきた!私の人生賭けた大勝負!女優になりきって頑張るっ!)
(……白い結婚な私だから、みんなにいじめられると思ってたんだけど違うみたいね……)
良くも悪くもごく普通の対応をされる私。
きっと未来の王太子妃の妹だからだろう、と察する。
夕食までは自由な時間があるため、飛び降りの練習をしながら、計画に必要なとある薬を手配することにした。
そのため家令には外出したい旨を伝え、馬車の手配だけお願いした。どこに行くのかも聞かれず、私は二人を連れて街に繰り出した。
目指したのは、薬屋だった。
以前、その薬の存在を知り、気になっていろいろ調べていたがすっかり記憶から抜け落ちてしまっていた。
その薬は、仮死状態のまま意識だけ覚醒することが出来る薬。
偽装飛び降りをした後に、1ヶ月意識不明になる予定で、その間に私の周囲で交わされる会話は私の知るところになる。
(……王太子殿下には図々しくも手紙を送って影をつけてもらわなくては……!きっとあの二人ならボロが出るはずだから……)
自ら罪を告白させたかった。
(……まあ、そのための飛び降りは少しの代償…!!)
あまり酷くない傷になることを祈るのみ。
実家である公爵家
両親に、姉。
アレク。
私の存在なんて空気よりも軽くて、何をしてもいいと思っている人たち。
アレク、姉、王太子殿下宛に遺書を書いた。
(……何だか楽しくなってきた!私の人生賭けた大勝負!女優になりきって頑張るっ!)
112
あなたにおすすめの小説
あなたの言うことが、すべて正しかったです
Mag_Mel
恋愛
「私に愛されるなどと勘違いしないでもらいたい。なにせ君は……そうだな。在庫処分間近の見切り品、というやつなのだから」
名ばかりの政略結婚の初夜、リディアは夫ナーシェン・トラヴィスにそう言い放たれた。しかも彼が愛しているのは、まだ十一歳の少女。彼女が成人する五年後には離縁するつもりだと、当然のように言い放たれる。
絶望と屈辱の中、病に倒れたことをきっかけにリディアは目を覚ます。放漫経営で傾いたトラヴィス商会の惨状を知り、持ち前の商才で立て直しに挑んだのだ。執事長ベネディクトの力を借りた彼女はやがて商会を支える柱となる。
そして、運命の五年後。
リディアに離縁を突きつけられたナーシェンは――かつて自らが吐いた「見切り品」という言葉に相応しい、哀れな姿となっていた。
*小説家になろうでも投稿中です
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
【完結】私を裏切った最愛の婚約者の幸せを願って身を引く事にしました。
Rohdea
恋愛
和平の為に、長年争いを繰り返していた国の王子と愛のない政略結婚する事になった王女シャロン。
休戦中とはいえ、かつて敵国同士だった王子と王女。
てっきり酷い扱いを受けるとばかり思っていたのに婚約者となった王子、エミリオは予想とは違いシャロンを温かく迎えてくれた。
互いを大切に想いどんどん仲を深めていく二人。
仲睦まじい二人の様子に誰もがこのまま、平和が訪れると信じていた。
しかし、そんなシャロンに待っていたのは祖国の裏切りと、愛する婚約者、エミリオの裏切りだった───
※初投稿作『私を裏切った前世の婚約者と再会しました。』
の、主人公達の前世の物語となります。
こちらの話の中で語られていた二人の前世を掘り下げた話となります。
❋注意❋ 二人の迎える結末に変更はありません。ご了承ください。
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる