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告白
あれからいろいろ考えて殿下の提案を受け入れ、婚姻無効申請するまで実家の公爵家に戻ることにした。
嫁ぎ先の公爵家を出て以降、アレクからは特に連絡はない。
私はダニエルとユンとシリカと穏やかで楽しい日々を過ごしていた。
「リリアナ様、シリウス殿下からまた贈り物ですよ!」
あの王宮訪問以降、殿下は度々贈り物をして下さる。
「……そのドレスだって、呼んで頂いたお茶会に着ていくものがないから送って下さったんだと思う。一応まだ公爵夫人だしね……」
「……もう、リリアナ様!鈍すぎます。全く……。シリウス殿下がお気の毒ですっ」
ぷりぷりと怒るシリカに私は首を傾げた。
「……今日は王妃と殿下とのプライベートなお茶会ですからねっ。くれぐれも粗相がないようにしてくださいねっ!」
何故か頻繁に殿下は理由をつけては王宮に呼んでくださる。
私の自殺未遂は公になっていないが、アレクと姉の顛末はアッと言うまに社交界の噂になり、私は何故かアレクを助けたのに虐げられ裏切られた悲劇のヒロインになっていた。
(……みんなが同情的過ぎて怖いくらいだし?)
おそらく殿下辺りが噂を広めて下さってる……?
また殿下に助けて頂いた。
王宮でのお茶会は、やはり三人だけのプライベート過ぎるお茶会で、私は場違いだけど何とか会話をしながら場を過ごした。
王妃様もかなり気さくで優しい方で、毎回私を気遣って下さる。
「……リリアナ嬢。お茶会の後に話があるんだ。庭園に行かないか?」
「……庭園ですか?かしこまりました」
王妃の柔らかい視線が向けられる。
「シリウス、頑張って!」
王妃が謎の声援を殿下に送っていた。
王宮の庭園はちょうど大好きな赤い薔薇が見事な花を咲かせていた。
「……殿下、初めて庭園に参りましたが見事な薔薇ですね。私、赤い薔薇が大好きなんですっ!」
「……リリアナ嬢が薔薇が好きで良かった。私も喜ぶリリアナ嬢を見ることが出来て嬉しいよ」
で、殿下……?
(そんな視線を向けらると、勘違いしそうです……)
「リリアナ嬢、今日は話があるんだ」
殿下は立ち止まり、私の瞳をじっと見つめた。
その熱を含んだ艶のある視線が、私の体を何故か熱くした。
「……殿下?」
「……以前にも話をしたが、私は……リリアナ嬢が好きだ。いや、愛してる。私の妃になってくれないか?」
(……き、妃?あ、愛してる?)
「……殿下、残念令嬢で、傷モノ令嬢な私が妃なんて……」
「……リリアナ嬢は、素敵な令嬢だ。私は昔からリリアナ嬢こそ価値ある女性だと思っていたよ?」
「……ありがとうございます。でも……婚姻無効とはいえ、やはり経歴的に王太子妃には……」
「……リリアナ嬢。いや、リリアナ?リリアナは、私のことは嫌いか?」
「……いいえ」
「……なら、問題ない。リリアナが心配しているのは外側の世界に過ぎない。リリアナの気持ちが私に向いてくれるなら、外側の世界もリリアナに味方してくれよう」
「……気持ち?」
「……互いに信頼し、大切に出来るかどうか、だ。リリアナは公爵家の人間だ。ダニエルが正式に公爵になれば私の後ろ楯にもなる。リリアナは控えめだが、優しく行動力もあり、思慮深い。きっと良い妃になると王妃も言っていたよ」
「……王妃様も?」
信じられなかった。
「……返事は婚姻無効申請が受理される頃までに聞かせて欲しい。それまでもまたデートに誘わせてもらうよ?」
私は殿下の言葉に頬を赤らめた。
嫁ぎ先の公爵家を出て以降、アレクからは特に連絡はない。
私はダニエルとユンとシリカと穏やかで楽しい日々を過ごしていた。
「リリアナ様、シリウス殿下からまた贈り物ですよ!」
あの王宮訪問以降、殿下は度々贈り物をして下さる。
「……そのドレスだって、呼んで頂いたお茶会に着ていくものがないから送って下さったんだと思う。一応まだ公爵夫人だしね……」
「……もう、リリアナ様!鈍すぎます。全く……。シリウス殿下がお気の毒ですっ」
ぷりぷりと怒るシリカに私は首を傾げた。
「……今日は王妃と殿下とのプライベートなお茶会ですからねっ。くれぐれも粗相がないようにしてくださいねっ!」
何故か頻繁に殿下は理由をつけては王宮に呼んでくださる。
私の自殺未遂は公になっていないが、アレクと姉の顛末はアッと言うまに社交界の噂になり、私は何故かアレクを助けたのに虐げられ裏切られた悲劇のヒロインになっていた。
(……みんなが同情的過ぎて怖いくらいだし?)
おそらく殿下辺りが噂を広めて下さってる……?
また殿下に助けて頂いた。
王宮でのお茶会は、やはり三人だけのプライベート過ぎるお茶会で、私は場違いだけど何とか会話をしながら場を過ごした。
王妃様もかなり気さくで優しい方で、毎回私を気遣って下さる。
「……リリアナ嬢。お茶会の後に話があるんだ。庭園に行かないか?」
「……庭園ですか?かしこまりました」
王妃の柔らかい視線が向けられる。
「シリウス、頑張って!」
王妃が謎の声援を殿下に送っていた。
王宮の庭園はちょうど大好きな赤い薔薇が見事な花を咲かせていた。
「……殿下、初めて庭園に参りましたが見事な薔薇ですね。私、赤い薔薇が大好きなんですっ!」
「……リリアナ嬢が薔薇が好きで良かった。私も喜ぶリリアナ嬢を見ることが出来て嬉しいよ」
で、殿下……?
(そんな視線を向けらると、勘違いしそうです……)
「リリアナ嬢、今日は話があるんだ」
殿下は立ち止まり、私の瞳をじっと見つめた。
その熱を含んだ艶のある視線が、私の体を何故か熱くした。
「……殿下?」
「……以前にも話をしたが、私は……リリアナ嬢が好きだ。いや、愛してる。私の妃になってくれないか?」
(……き、妃?あ、愛してる?)
「……殿下、残念令嬢で、傷モノ令嬢な私が妃なんて……」
「……リリアナ嬢は、素敵な令嬢だ。私は昔からリリアナ嬢こそ価値ある女性だと思っていたよ?」
「……ありがとうございます。でも……婚姻無効とはいえ、やはり経歴的に王太子妃には……」
「……リリアナ嬢。いや、リリアナ?リリアナは、私のことは嫌いか?」
「……いいえ」
「……なら、問題ない。リリアナが心配しているのは外側の世界に過ぎない。リリアナの気持ちが私に向いてくれるなら、外側の世界もリリアナに味方してくれよう」
「……気持ち?」
「……互いに信頼し、大切に出来るかどうか、だ。リリアナは公爵家の人間だ。ダニエルが正式に公爵になれば私の後ろ楯にもなる。リリアナは控えめだが、優しく行動力もあり、思慮深い。きっと良い妃になると王妃も言っていたよ」
「……王妃様も?」
信じられなかった。
「……返事は婚姻無効申請が受理される頃までに聞かせて欲しい。それまでもまたデートに誘わせてもらうよ?」
私は殿下の言葉に頬を赤らめた。
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