【本編完結】残念令嬢が初恋の人と結婚したら愛人がいたので死んで復讐してみたいと思います

紅位碧子 kurenaiaoko

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番外編2

(シリウスと結婚して、もう10年……)

残念令嬢から何と王妃にまで登りつめ、現在は2男1女の母親としても多忙を極める。

長男のアンドリューは見た目も性格もシリウスにそっくりな10歳。王太子としての自覚も目覚め、最近メキメキと力をつけてきていた。

片や次男のマーキュリアスは3歳になったばかり。やんちゃんで好奇心旺盛でいつも侍従を困らせているらしい。

長女のラビリンスは、まだ7歳ながらもかなりしっかりした性格で、アンドリューとマーキュリアスを従えているようだ。

(本当に恵まれた10年だったなぁ……)

公務と育児の合間に、シリカの淹れた紅茶を嗜みながら残念令嬢時代を少し思い出していた。

シリウスの治世で国も安定し、私は国母としても盤石だ。
残念令嬢が、安寧の国母になった。

しかし最近、私の身辺が妙によそよそしいのだ。

シリカも、ユンもそしてよく王太子教育の合間に顔を出していたアンドリューも、弟のカイザー公爵を継いだダニエルもよそよそしい。

もっと言うなら、王宮全体の目がよそよそしい。

(……何だか腫れ物に触る感じ?)

「……ねぇ、シリカ?何か私にことがあるんじゃない?」

昔と変わらず仕えてくれるシリカことなんてそのちょっとした表情や仕草ですぐに何を考えているかなど分かってしまう。

シリカの淹れた紅茶には少し渋みがあったのだ。

「……紅茶の味がいつもと違うし。考えごとしてたんでしょう?」

図星とばかりにシリカが少しだけ後退りした。

「最近、シリカもユンも、アンドリューもそうそう。ダニエルだって何だかおかしいんだから。皆で何を私に隠しているの?」 

「……リリアナ様、決して隠しているわけでは……」

「なら何なの?」

「……あ、えっとぉ……」

いきなり私が問い詰めると思っていなかったからだろう。
あきらなか動揺が見てとれた。

「別に、その……隠している訳ではなくて……そのぉ……」

しどろもどろなシリカに私は思わず笑いがこみ上げる。

「シリカ?あなたの忠誠心はダイヤモンドよりも固いことを知ってるつもりよ。皆が良かれと思って私に隠しているんでしょう?ありがとう。でも、私は大丈夫よ?」

「……リリアナ様っ……」

「え?シリカ?泣くほどのこと?」

目に薄っすら涙を浮かべたシリカは、こくりと頷いた。

「ねぇ、シリカ?もしかして。皆で隠しているのはのことではないわよね?」

私の言葉にシリカがポカンと口を開けたまま動かなかった。
 

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