天冥海フロンティア

バトサラム

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エピローグ「記録注釈:発見された天冥海フロンティア・ログ」

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地球暦2307年。
外縁宙域調査船《アストリア》は、ヴァルハラ断層近傍で一つの残骸を発見した。
出力を停止した観測衛星――と思われたが、
解析の結果、それは約100年前に出航した「外縁開発団」のものと判明した。

外装には“天冥海フロンティア”の刻印。
機体内部からは、損傷した音声記録と座標データが断片的に検出された。
記録フォーマットは失われた地球語旧仕様であり、
解読には数年を要した。

再生された音声は、こう始まっていた。

『ここに記す。
我々は確かに生き、確かにこの宇宙を見た。
そして、真実はまだ沈んでいない。』

発声者の識別コードは「A.BAZIL」。
航行ログには《光の草稿_ver.0》の名が残されていた。
その座標は、現在の恒星地図には存在しない空白域を指している。
一部の研究者は、この航路を「光の墓標」と呼び、
また一部は「新しい創世記の出発点」として研究を続けている。

本調査報告書において、以下の仮説が提示された。

――“天冥海フロンティア”とは、
 失われた植民計画の名ではなく、
 真実を追放された者たちが自らに授けた、自由の記号である。

記録装置の最後のフレームには、
ひとつの光の線が残されていた。
それは、静止した宇宙の闇を貫き、今も淡く輝いている。

解析不能。
再生不能。
しかし――その光は確かに「動いていた」。

“沈む星々の果てで、人は再び、光を定義しようとしていた。”

――天冥海フロンティア・ログ再生完了。
記録、閉鎖。
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