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キドナ編 〜さらなる考察とバシリオの救出〜
214.おっさん、しばしの別れを経験する
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謁見の間に入るのは、王都に到着した後の謁見式、貴族達への紹介の時の2回だけで、今日が3度目だ。
長方形の大広間の最奥、緩やかで幅広い3段ほどの階段を上がった先に、ステージのような場所がある。
そのステージ中央に立派で豪華な装飾の施された王座がある。本来であれば、その右隣に王妃の椅子もあるのだろうが、並んでいるのは、王座より少しだけ装飾の抑えられた椅子で、王太子であるサイファー、その妻であるダリアの席になる。逆の左隣にはディーとユリアの椅子が並べられていた。
式によって椅子の有無も変わり、王座だけの時、王族全員分の椅子が用意されている時、王と王太子夫妻のみの時などがあるらしい。
今回は椅子の他に、階段の手前の絨毯の上に教壇に似た大きさの豪華な演台が置かれていた。
貴族達は中央の朱色の絨毯を挟んで左右に、上座から貴族の序列に従って並ぶ。
ロイのエスコートで、貴族達の視線を集めながら朱色の絨毯の端を進んだ。
端を歩くのは、今日は主役ではないからだ。
議会場でも感じたチクチクとした視線を感じながら、ロイの右肘に左手を添えて少しだけ俯き加減に歩き、謁見の間でも最も上座に近い公爵家の位置で止まった。
「ショーヘイ君、今日も可愛いですね」
ニコニコと優しく微笑むギルバートが俺に声をかけた。
「…本当はカッコよくありたいです」
可愛いと言わないでくれと、言葉の裏に隠しながら答え、俺もギルバートに微笑みかけた。
ギルバートには約10日ぶりに会った。
定例議会中は忙しくしていたのだろう。気のせいかもしれないが、いつもよりもほんの少しだけ疲れが出ているように見えた。
「色々と大変でしたね」
ギルバートが俺を促し、ロイからエスコート役をバトンタッチすると、その隣に並ばせる。
ロイは本当はギルバートに渡したくないと思いつつ、口をへの字に結んでギルバートの後ろに下がり並んだ。
俺の立ち位置は公爵家と同等で、ロイは聖女の護衛という役割に合わせて、ギルバートの息子という立ち位置なんだろうと察した。
ロイが素直にランドール家の位置に立ったことにギルバートは嬉しそうに笑うと、ロイも照れくさそうに小さく笑い返す。
その後、少し遅れてロマも到着し、同じく俺とギルバートのそばに立つ。
「ショーへー、あまり無理はしないでおくれよ」
顔を見るなり心配を含んだ笑顔を向けられる。
式が始まるまで、俺はロマと先ほど議会で決まった聖女の役割について話した。
魔獣化治療の研究チームにロマも加わると聞き、今までよりもたくさんロマに会えるし、魔法について教わることが出来ると喜んだ。
午後5時、鐘の音と共に進行を務める執事が王族の入場を告げる。
謁見室の扉が開き、レイブンを先頭にサイファー、ダリア、ディーゼル、ユリアが入場し、左右にいた貴族が通過する王族に頭を下げた。当然俺もそれに倣う。
王族が上座まで進み、それぞれが着席すると、執事が丸められた文書を上下に開き、読み上げる。
「これより、アラン・サンドラーク第2王子殿下、キース殿の婚約の儀を執り行います」
聞き取りやすい大きな良い声で執事が言うと、ファンファーレのような音が響き渡った。
謁見の間の大扉が左右にいた執事達の手で大きく開けられると、そのドアの向こう側にアランとキースの姿が見えた。
アランは真っ白で軍服のような礼服に真っ赤なマントを身につけている。
隣に立つキースは、この国の男性が身につける民族衣装だが、真っ白で、足元まである長いローブがドレスのように見えた。白地に金銀の刺繍があしらわれた衣装はとても美しく、肩からマントのように羽織っている半透明のベールがウエディングドレスのトレーンのように長く後ろに伸びている。
細身でスタイルの良いキースにとても似合っていて、うっとりと魅入ってしまった。
「綺麗だなぁ…」
思わずそう呟いた。
2人がゆっくりと朱色の絨毯の中央を進む。
アランの右肘に左手を添えたキースは、少し俯き加減で足元を見て、伏せ目がちな憂いのある表情に、周囲の貴族達がキースの美しさにボーッとする。
時間をかけて進み、演台の手前で立ち止まると、2人同時に王に向かって跪く。
それを確認すると、レイブンが立ち上がり、階段を降りて演台の前に立った。
「アラン・サンドラーク。キース。面をあげよ」
跪き床を見ていた2人が顔を上げる。
「こちらへ」
レイブンに促され、2人が立ち上がると、演台の前に並んで立つ。
「アラン・サンドラーク。
キースを伴侶とし、いついかなる時でも愛し、生涯共に生きることを誓うか」
「誓います」
「キース。
アラン・サンドラークを伴侶とし、いついかなる時でも愛し、生涯共に生きることを誓うか」
「誓います」
レイブンの問いかけに、2人がはっきりと答える。
「アラン、キース」
レイブンが笑顔で2人を呼ぶ。
「お前達が出会って20年近くになるか。
ようやっとこの日を迎えることが出来て、ワシは嬉しいぞ。
アラン。ずっと一途にキースを想い続け、ようやっと手に入れたんだ。絶対に離すなよ」
「父上…」
アランが全く予定になかったレイブンの言葉に慌てつつも、照れくさそうに微笑む。
「キース。よくぞ息子に応えてくれた。お前のその献身的な姿には尊敬を禁じ得ない。
どうかアランをよろしく頼む」
「レイブン様…」
レイブンも、2人が長年に渡って関係を拗らせていたことをよく知っている。アランに対して尽くす姿は、愛があってこそのものだと理解していた。
「敬い、支えあい、幾久しく共に人生を歩まんことを願う。
宣誓書にサインを」
レイブンが言うと、礼服の執事がサッと冊子を手渡すと、レイブンはそれを開き演台に置いた。
続いて、執事が真っ白い羽付きのペンをアランに渡すと、その冊子にサラサラと自分の名前を署名し、続けてキースも同じように書き入れた。
書き終えた宣誓書をレイブンが手に取って確認する。
「確認した。
サンドラーク公国国王レイブン・サンドラークの名の下に宣言する。
ここに集うた者達を証人とし、アラン・サンドラークとキースの婚約を承認する。
誓いのキスを」
大きな明瞭な声で高らかに宣言する。
アランとキースが向かい合い、アランがキースの腕に手をかける。
「キース、愛している」
「私もです。愛しております」
見つめ合い、どちらかともなく顔を寄せると、唇を重ねるだけの優しく甘いキスする。
パチパチと拍手が鳴った途端、一気に拍手の音が爆発した。
「アラン様!おめでとうございます!」
「末長くお幸せに!」
貴族達の中から祝福の声が飛ぶ。
アランとキースが手を繋ぎ、左右の貴族達に深々と頭を下げた。
その顔は本当に嬉しそうで、幸せそうだった。
「ショーヘイ君」
ギルバートがそっと俺の肩を抱いて、ポンポンと慰めてくれる。
実を言うと俺はさっきから感極まって、涙が止まらなかった。
アランとキースの表情と、2人の互いを思い合う魔力をひしひしと感じて感動に包まれていた。
「ショーへーは泣き虫だねぇ」
隣のロマも泣き笑いの表情で俺の背を叩いて慰めてくれる。
キースに出会ってまだ3ヶ月も経っていない。なのに、俺にとってキースはかけがえのない、とても大きな存在になっていた。
ロイとディーに感じている愛とは違う、別の愛情をキースに抱いている。どんなものと聞かれれば、家族に向ける愛情に近いと答えるだろうが、それだけではなく、もっと大きなものを感じていた。
そんなキースが愛するアランと結ばれる姿を見て感動しないわけがない。
嬉し過ぎて涙が止まらなかった。
アランとキースは一度退室する。
来た時と同様にゆっくりと朱色の絨毯を進み、来た道を戻って行く。
全員がそんな2人を見送り、大扉の向こうに消えるまで、拍手が鳴り止まなかった。
「大丈夫か」
俺の後ろからロイがハンカチを差し出してくる。
持ってきた2枚のハンカチは、強く握りしめたせいでグシャグシャになっていた。
「ありがと」
そのハンカチを受け取って溢れる涙を拭う。
「泣きすぎだろw」
ロイがおかしそうに笑いながらも、俺の頭をよしよしと撫でた。
「聖女様はお優しいですなぁ」
ギルバートの隣にいたアルベルト公爵も笑顔で話しかけてくる。
「嬉しくて…」
べそべそと涙を溢しながら、照れくさそうにそれに答える。
「キースが専属になってくれて、本当に私は助けられました。
彼がいたから私は…」
言いかけてまた涙が溢れてハンカチで目元を覆う。
「確かにキース君は有能で素晴らしい。アラン様に相応しいと私も思いますよ」
アルベルトがニコニコと好好爺の表情でキースを褒め、俺はその言葉も嬉しくてうんうんと頷いた。
「是非とも聖女様も相応しいお相手を見つけてください」
その言葉に俺は現実に引き戻され、アルベルト公爵家次男のディーンに求婚されていることを思い出してしまった。
はははと乾いた笑いを漏らし、その場を取り繕う。
ロイもギルバートも、アルベルトの言葉に苦笑いを浮かべていた。
拍手が止み、今し方の婚約式の余韻も冷めやらぬ中、執事達がすばやく演台を片付ける。
そして進行役が再び声を張った。
「続いて叙爵式を執り行います。
ジュリア・イグリット様、ご入場」
先ほどとは違うファンファーレが鳴り、大扉が開く。そのドアの向こうに、ジュリアとグレイが立った。
その2人の姿を見て、謁見の間にざわつきが広がる。
そのざわつきの理由が、ジュリアの姿と、隣でエスコートするグレイの姿のせいなのだろうと思った。
数ヶ月前、ジュリアがイグリット領主邸で父親に謁見した時、彼女は自警団の礼服姿だった。だが、今の彼女はクリーム色のドレスに身を包んだ、紛れもなく社交界のレディそのものだ。
緑色の肌にドレスと同じクリーム色の長い髪を上品にアップにまとめ、その引き締まった凹凸のある体は誰が見ても色っぽく、魅力的だった。
そんなジュリアをエスコートするグレイは、獣士団の濃紺の騎士服だが、式典用の豪華なもので、白いマントをはためかせて歩く姿は精悍で、覇気に包まれている。
先ほどよりざわめきは抑えられたが、耳を澄ませば、なぜ一介の騎士がエスコートしているのか、という声が聞こえてきた。
今並んでいる貴族達の中には、イグリット領主邸での出来事を目撃している者もいる。元ベネット派の貴族達は、乱闘騒ぎに巻き込まれ、その後逃げるように姿を消した。
オールストン男爵、ロペス男爵、ベッカー子爵、ヨハンソン子爵は、間違いなくあの場にいた人物だ。
元々ジュリアではなく、その兄デニスを支持していたその貴族達が今どんな顔をしているのだろうと、嫌味な笑みを浮かべながら見渡すが、当該の人物と顔が一致せず表情を見ることは叶わなかった。
王座の前に辿り着くと跪く。
ジュリアが中央に、グレイは一歩下がって、その斜め後ろに膝をついた。
レイブンが再び立ち上がると、王座の前でジュリアを見下ろした。
「アーノルド・イグリットによる横領及び不正により、かの者より伯爵位を剥奪し、これを暴いたジュリア・イグリットの功績を讃え、伯爵位を賦与するものとする」
「誠に恐悦至極に存じます」
「新しく若い伯爵の誕生に余は嬉しく思う。
今後も領民のため、国のために尽くしてくれることを願うぞ」
「はい。私の忠義は領民とサンドラーク公国に捧げる所存です」
レイブンがニコリと笑い、後ろにいるサイファーに合図すると、サイファーが執事から勲章のような宝飾品を受け取って階段を降りジュリアに近付く。
「ジュリア・イグリット伯爵。これを」
「謹んで拝領いたします」
ジュリアが恭しく頭を下げたまま両手でその飾りを受け取ると、ゆっくりと手を下げつつ顔を上げた。
「どうぞお立ちください」
サイファーがジュリアとグレイに告げると、グレイがサッとジュリアをエスコートして立ち上がらせる。
同時に素早く近づいた執事が、ビロード生地が敷かれた箱を差し出し、その中へ飾りを置いた。
「今日は良き日だ。
息子の婚約に、若き伯爵の誕生。なんと喜ばしきことか」
レイブンが大きな声で笑顔で言うと、拍手が起こった。
数十秒拍手が続き、レイブンがスッと手を上げた。
「ここでもう一つ宣言しておこう。
皆も不思議に思うたかもしれんが、ここにいる獣士団第2部隊隊長グレイは、ジュリアと結婚の約束をしておる」
レイブンの言葉に、貴族達の間からどよめきが起こった。
「ジュリアが爵位を得たことで、各々子息子女をと考えているだろうが、ゆめゆめ私利私欲のために2人の間を裂こうと思うな」
レイブンがニヤリと不敵に笑い、左右に並ぶ貴族達に圧をかけた。
魔鉱石鉱山を所有するイグリットは、領地の中でもその価値は非常に高い。それを継いだ独身のジュリアは格好の的である。
すでにジュリアへの求婚も始まっており、見合いの申し込みは国内のみならず、他国からも殺到していた。
レイブンがグレイという存在を明らかにしたことで、まずジュリアを、イグリットを手に入れることは困難になる。
ジュリア自身も元近衞騎士という強さがあり、子息子女のひ弱な体で、力づくで手に入れることもまず不可能だった。
グレイがジュリアに寄り添い、ジュリアもグレイの腕に手を添えると、2人で見つめ合い、微笑みあった。
俺はそんな2人を見て、表情筋が緩みっぱなしになる。
貴族という階級社会で王からの言葉によって、これで誰も2人に手出しは出来ない、と心の中でレイブンの忠告に賛辞を送った。
つつがなく二つの式典が終了し、ジュリアとグレイも深々と王族に頭を下げた後、来た時と同じように謁見の間を後にした。
続いてしばらくした後に、王族が退室し、さらに参加していた貴族達も、口々に挨拶を交わしながら帰って行った。
俺たちも最後の方で謁見の間を出て、次は王家との夕食会に参加するために王城から王宮へ向かった。
その途中、王城のエントランス付近の廊下で、ジュリアとグレイが近衞騎士に囲まれているのを見た。
ジュリアの元同僚達が、駆けつけてお祝いの言葉を言っているのが聞こえてきた。
元直属の上司であるシドニーが、ジュリアと抱きしめ合って泣いているのを見て、胸がジーンと熱くなった。
王宮の食堂で、夕食会が行われる。
王族に加えて俺やロイ、グレイとジュリアも呼ばれていた。
キースは当然アランの隣に座り、執事ではなく、今後は王族の1人としてその席に座ることになる。
夕食は美味しくて、会話も弾み、とても楽しかった。
かしこまった形式だが、家族という温もりに包まれて、何倍も食事が美味しく感じた。
たくさん笑って、笑いすぎてまた涙を浮かべ、目元をハンカチで拭う。今日一日で4枚のハンカチを使ってしまった。
午後9時。
転移魔法陣の広間に関係者が集まる。
グレイは式典用からいつもの騎士服に着替えジュリアとしばしの別れを惜しんでいた。
ロイ、ダニエル、デクスターは平民と同じ平服に着替えており、ロイにはないが、クルス家の兄弟は腰から長剣を下げていた。その足元には旅用の鞄が置かれている。
広間には転移魔法陣を操作する魔導士の姿はなく、代わりにディーがパネルの前に立って操作していた。
今ここに、俺たちの関係を知らない者はいない。
先ほどから鼓動が早い。
ギュッと胸元を右手で握りしめて、下ろされた左手も硬く結ばれていた。
行かないでくれ。
そう叫びたいのを必死に堪える。
ロイをじっと見つめ、つい口走ってしまいそうになる言葉を出さないために奥歯を噛み締める。
「ショーヘイさん…」
辛そうにしている翔平を見兼ねて、アランのそばにいたキースが歩み寄ると、そっと背中を押した。
そんなキースを見て、涙がこぼれそうになるのを堪えると、押されるまま、魔法陣の中に立つロイへ近付いた。
「ショーへー、行ってくる」
ロイがニカッといつもの笑顔を向けてきた。
俺もそんないつもの笑顔に応えようとしたが、無理やり笑顔を作った瞬間、ポロッと涙が落ちた。
「ロイ…」
ロイの手がそっとその涙を掬い取った。
「大丈夫だ。バシリオを助けて、すぐに帰ってくる」
俺の両頬に手を添えて微笑みながらロイが優しく説き伏せるように言った。
「うん…」
小さく頷くと鼻を啜り、笑顔をロイに向けた。
「待ってる。気をつけてな」
「ああ。愛してる」
ロイとゆっくりとキスをかわす。
唇から愛をたっぷり含んだ魔力が流れ込み、体がじわっと温かくなった。
「行ってらっしゃい…」
硬く抱きしめ合うと、小さく呟いた。
「行ってきます」
ロイが満面の笑顔を浮かべ、俺たちはゆっくりと互いを離した。
少しづつ静かに後退り、魔法陣の外側へ出る。
キースが俺を慰めるように肩に触れて寄り添ってくれた。
グレイもまたジュリアと名残惜しそうに手を離した。
「転移魔法陣、起動します」
ディーが静かに言った。
魔法陣が光り輝き、真っ直ぐ天井に向かって光の柱が立ち上がった。
そして、その数秒後、中にいた4人の姿が霞のように消えて行った。
ロイの笑顔が消え、俺は両手で顔を覆い泣いた。
転移魔法が消えると、ディーが急いで俺に近付いて、力強く抱きしめてくれる。
そんなディーにしがみつき、声を殺しながら泣いてしまった。
大丈夫、絶対に帰ってくる。
そう確信しているが、会いたい時に会えないという状況が胸を締め付けて涙を流させる。
胸にぽっかりと穴が空いたような、何かを失ったような虚無感とその穴を埋めるように不安が押し寄せる。
無事に帰ってきてくれ。
ディーにしがみつき、ひたすらそれだけを願った。
長方形の大広間の最奥、緩やかで幅広い3段ほどの階段を上がった先に、ステージのような場所がある。
そのステージ中央に立派で豪華な装飾の施された王座がある。本来であれば、その右隣に王妃の椅子もあるのだろうが、並んでいるのは、王座より少しだけ装飾の抑えられた椅子で、王太子であるサイファー、その妻であるダリアの席になる。逆の左隣にはディーとユリアの椅子が並べられていた。
式によって椅子の有無も変わり、王座だけの時、王族全員分の椅子が用意されている時、王と王太子夫妻のみの時などがあるらしい。
今回は椅子の他に、階段の手前の絨毯の上に教壇に似た大きさの豪華な演台が置かれていた。
貴族達は中央の朱色の絨毯を挟んで左右に、上座から貴族の序列に従って並ぶ。
ロイのエスコートで、貴族達の視線を集めながら朱色の絨毯の端を進んだ。
端を歩くのは、今日は主役ではないからだ。
議会場でも感じたチクチクとした視線を感じながら、ロイの右肘に左手を添えて少しだけ俯き加減に歩き、謁見の間でも最も上座に近い公爵家の位置で止まった。
「ショーヘイ君、今日も可愛いですね」
ニコニコと優しく微笑むギルバートが俺に声をかけた。
「…本当はカッコよくありたいです」
可愛いと言わないでくれと、言葉の裏に隠しながら答え、俺もギルバートに微笑みかけた。
ギルバートには約10日ぶりに会った。
定例議会中は忙しくしていたのだろう。気のせいかもしれないが、いつもよりもほんの少しだけ疲れが出ているように見えた。
「色々と大変でしたね」
ギルバートが俺を促し、ロイからエスコート役をバトンタッチすると、その隣に並ばせる。
ロイは本当はギルバートに渡したくないと思いつつ、口をへの字に結んでギルバートの後ろに下がり並んだ。
俺の立ち位置は公爵家と同等で、ロイは聖女の護衛という役割に合わせて、ギルバートの息子という立ち位置なんだろうと察した。
ロイが素直にランドール家の位置に立ったことにギルバートは嬉しそうに笑うと、ロイも照れくさそうに小さく笑い返す。
その後、少し遅れてロマも到着し、同じく俺とギルバートのそばに立つ。
「ショーへー、あまり無理はしないでおくれよ」
顔を見るなり心配を含んだ笑顔を向けられる。
式が始まるまで、俺はロマと先ほど議会で決まった聖女の役割について話した。
魔獣化治療の研究チームにロマも加わると聞き、今までよりもたくさんロマに会えるし、魔法について教わることが出来ると喜んだ。
午後5時、鐘の音と共に進行を務める執事が王族の入場を告げる。
謁見室の扉が開き、レイブンを先頭にサイファー、ダリア、ディーゼル、ユリアが入場し、左右にいた貴族が通過する王族に頭を下げた。当然俺もそれに倣う。
王族が上座まで進み、それぞれが着席すると、執事が丸められた文書を上下に開き、読み上げる。
「これより、アラン・サンドラーク第2王子殿下、キース殿の婚約の儀を執り行います」
聞き取りやすい大きな良い声で執事が言うと、ファンファーレのような音が響き渡った。
謁見の間の大扉が左右にいた執事達の手で大きく開けられると、そのドアの向こう側にアランとキースの姿が見えた。
アランは真っ白で軍服のような礼服に真っ赤なマントを身につけている。
隣に立つキースは、この国の男性が身につける民族衣装だが、真っ白で、足元まである長いローブがドレスのように見えた。白地に金銀の刺繍があしらわれた衣装はとても美しく、肩からマントのように羽織っている半透明のベールがウエディングドレスのトレーンのように長く後ろに伸びている。
細身でスタイルの良いキースにとても似合っていて、うっとりと魅入ってしまった。
「綺麗だなぁ…」
思わずそう呟いた。
2人がゆっくりと朱色の絨毯の中央を進む。
アランの右肘に左手を添えたキースは、少し俯き加減で足元を見て、伏せ目がちな憂いのある表情に、周囲の貴族達がキースの美しさにボーッとする。
時間をかけて進み、演台の手前で立ち止まると、2人同時に王に向かって跪く。
それを確認すると、レイブンが立ち上がり、階段を降りて演台の前に立った。
「アラン・サンドラーク。キース。面をあげよ」
跪き床を見ていた2人が顔を上げる。
「こちらへ」
レイブンに促され、2人が立ち上がると、演台の前に並んで立つ。
「アラン・サンドラーク。
キースを伴侶とし、いついかなる時でも愛し、生涯共に生きることを誓うか」
「誓います」
「キース。
アラン・サンドラークを伴侶とし、いついかなる時でも愛し、生涯共に生きることを誓うか」
「誓います」
レイブンの問いかけに、2人がはっきりと答える。
「アラン、キース」
レイブンが笑顔で2人を呼ぶ。
「お前達が出会って20年近くになるか。
ようやっとこの日を迎えることが出来て、ワシは嬉しいぞ。
アラン。ずっと一途にキースを想い続け、ようやっと手に入れたんだ。絶対に離すなよ」
「父上…」
アランが全く予定になかったレイブンの言葉に慌てつつも、照れくさそうに微笑む。
「キース。よくぞ息子に応えてくれた。お前のその献身的な姿には尊敬を禁じ得ない。
どうかアランをよろしく頼む」
「レイブン様…」
レイブンも、2人が長年に渡って関係を拗らせていたことをよく知っている。アランに対して尽くす姿は、愛があってこそのものだと理解していた。
「敬い、支えあい、幾久しく共に人生を歩まんことを願う。
宣誓書にサインを」
レイブンが言うと、礼服の執事がサッと冊子を手渡すと、レイブンはそれを開き演台に置いた。
続いて、執事が真っ白い羽付きのペンをアランに渡すと、その冊子にサラサラと自分の名前を署名し、続けてキースも同じように書き入れた。
書き終えた宣誓書をレイブンが手に取って確認する。
「確認した。
サンドラーク公国国王レイブン・サンドラークの名の下に宣言する。
ここに集うた者達を証人とし、アラン・サンドラークとキースの婚約を承認する。
誓いのキスを」
大きな明瞭な声で高らかに宣言する。
アランとキースが向かい合い、アランがキースの腕に手をかける。
「キース、愛している」
「私もです。愛しております」
見つめ合い、どちらかともなく顔を寄せると、唇を重ねるだけの優しく甘いキスする。
パチパチと拍手が鳴った途端、一気に拍手の音が爆発した。
「アラン様!おめでとうございます!」
「末長くお幸せに!」
貴族達の中から祝福の声が飛ぶ。
アランとキースが手を繋ぎ、左右の貴族達に深々と頭を下げた。
その顔は本当に嬉しそうで、幸せそうだった。
「ショーヘイ君」
ギルバートがそっと俺の肩を抱いて、ポンポンと慰めてくれる。
実を言うと俺はさっきから感極まって、涙が止まらなかった。
アランとキースの表情と、2人の互いを思い合う魔力をひしひしと感じて感動に包まれていた。
「ショーへーは泣き虫だねぇ」
隣のロマも泣き笑いの表情で俺の背を叩いて慰めてくれる。
キースに出会ってまだ3ヶ月も経っていない。なのに、俺にとってキースはかけがえのない、とても大きな存在になっていた。
ロイとディーに感じている愛とは違う、別の愛情をキースに抱いている。どんなものと聞かれれば、家族に向ける愛情に近いと答えるだろうが、それだけではなく、もっと大きなものを感じていた。
そんなキースが愛するアランと結ばれる姿を見て感動しないわけがない。
嬉し過ぎて涙が止まらなかった。
アランとキースは一度退室する。
来た時と同様にゆっくりと朱色の絨毯を進み、来た道を戻って行く。
全員がそんな2人を見送り、大扉の向こうに消えるまで、拍手が鳴り止まなかった。
「大丈夫か」
俺の後ろからロイがハンカチを差し出してくる。
持ってきた2枚のハンカチは、強く握りしめたせいでグシャグシャになっていた。
「ありがと」
そのハンカチを受け取って溢れる涙を拭う。
「泣きすぎだろw」
ロイがおかしそうに笑いながらも、俺の頭をよしよしと撫でた。
「聖女様はお優しいですなぁ」
ギルバートの隣にいたアルベルト公爵も笑顔で話しかけてくる。
「嬉しくて…」
べそべそと涙を溢しながら、照れくさそうにそれに答える。
「キースが専属になってくれて、本当に私は助けられました。
彼がいたから私は…」
言いかけてまた涙が溢れてハンカチで目元を覆う。
「確かにキース君は有能で素晴らしい。アラン様に相応しいと私も思いますよ」
アルベルトがニコニコと好好爺の表情でキースを褒め、俺はその言葉も嬉しくてうんうんと頷いた。
「是非とも聖女様も相応しいお相手を見つけてください」
その言葉に俺は現実に引き戻され、アルベルト公爵家次男のディーンに求婚されていることを思い出してしまった。
はははと乾いた笑いを漏らし、その場を取り繕う。
ロイもギルバートも、アルベルトの言葉に苦笑いを浮かべていた。
拍手が止み、今し方の婚約式の余韻も冷めやらぬ中、執事達がすばやく演台を片付ける。
そして進行役が再び声を張った。
「続いて叙爵式を執り行います。
ジュリア・イグリット様、ご入場」
先ほどとは違うファンファーレが鳴り、大扉が開く。そのドアの向こうに、ジュリアとグレイが立った。
その2人の姿を見て、謁見の間にざわつきが広がる。
そのざわつきの理由が、ジュリアの姿と、隣でエスコートするグレイの姿のせいなのだろうと思った。
数ヶ月前、ジュリアがイグリット領主邸で父親に謁見した時、彼女は自警団の礼服姿だった。だが、今の彼女はクリーム色のドレスに身を包んだ、紛れもなく社交界のレディそのものだ。
緑色の肌にドレスと同じクリーム色の長い髪を上品にアップにまとめ、その引き締まった凹凸のある体は誰が見ても色っぽく、魅力的だった。
そんなジュリアをエスコートするグレイは、獣士団の濃紺の騎士服だが、式典用の豪華なもので、白いマントをはためかせて歩く姿は精悍で、覇気に包まれている。
先ほどよりざわめきは抑えられたが、耳を澄ませば、なぜ一介の騎士がエスコートしているのか、という声が聞こえてきた。
今並んでいる貴族達の中には、イグリット領主邸での出来事を目撃している者もいる。元ベネット派の貴族達は、乱闘騒ぎに巻き込まれ、その後逃げるように姿を消した。
オールストン男爵、ロペス男爵、ベッカー子爵、ヨハンソン子爵は、間違いなくあの場にいた人物だ。
元々ジュリアではなく、その兄デニスを支持していたその貴族達が今どんな顔をしているのだろうと、嫌味な笑みを浮かべながら見渡すが、当該の人物と顔が一致せず表情を見ることは叶わなかった。
王座の前に辿り着くと跪く。
ジュリアが中央に、グレイは一歩下がって、その斜め後ろに膝をついた。
レイブンが再び立ち上がると、王座の前でジュリアを見下ろした。
「アーノルド・イグリットによる横領及び不正により、かの者より伯爵位を剥奪し、これを暴いたジュリア・イグリットの功績を讃え、伯爵位を賦与するものとする」
「誠に恐悦至極に存じます」
「新しく若い伯爵の誕生に余は嬉しく思う。
今後も領民のため、国のために尽くしてくれることを願うぞ」
「はい。私の忠義は領民とサンドラーク公国に捧げる所存です」
レイブンがニコリと笑い、後ろにいるサイファーに合図すると、サイファーが執事から勲章のような宝飾品を受け取って階段を降りジュリアに近付く。
「ジュリア・イグリット伯爵。これを」
「謹んで拝領いたします」
ジュリアが恭しく頭を下げたまま両手でその飾りを受け取ると、ゆっくりと手を下げつつ顔を上げた。
「どうぞお立ちください」
サイファーがジュリアとグレイに告げると、グレイがサッとジュリアをエスコートして立ち上がらせる。
同時に素早く近づいた執事が、ビロード生地が敷かれた箱を差し出し、その中へ飾りを置いた。
「今日は良き日だ。
息子の婚約に、若き伯爵の誕生。なんと喜ばしきことか」
レイブンが大きな声で笑顔で言うと、拍手が起こった。
数十秒拍手が続き、レイブンがスッと手を上げた。
「ここでもう一つ宣言しておこう。
皆も不思議に思うたかもしれんが、ここにいる獣士団第2部隊隊長グレイは、ジュリアと結婚の約束をしておる」
レイブンの言葉に、貴族達の間からどよめきが起こった。
「ジュリアが爵位を得たことで、各々子息子女をと考えているだろうが、ゆめゆめ私利私欲のために2人の間を裂こうと思うな」
レイブンがニヤリと不敵に笑い、左右に並ぶ貴族達に圧をかけた。
魔鉱石鉱山を所有するイグリットは、領地の中でもその価値は非常に高い。それを継いだ独身のジュリアは格好の的である。
すでにジュリアへの求婚も始まっており、見合いの申し込みは国内のみならず、他国からも殺到していた。
レイブンがグレイという存在を明らかにしたことで、まずジュリアを、イグリットを手に入れることは困難になる。
ジュリア自身も元近衞騎士という強さがあり、子息子女のひ弱な体で、力づくで手に入れることもまず不可能だった。
グレイがジュリアに寄り添い、ジュリアもグレイの腕に手を添えると、2人で見つめ合い、微笑みあった。
俺はそんな2人を見て、表情筋が緩みっぱなしになる。
貴族という階級社会で王からの言葉によって、これで誰も2人に手出しは出来ない、と心の中でレイブンの忠告に賛辞を送った。
つつがなく二つの式典が終了し、ジュリアとグレイも深々と王族に頭を下げた後、来た時と同じように謁見の間を後にした。
続いてしばらくした後に、王族が退室し、さらに参加していた貴族達も、口々に挨拶を交わしながら帰って行った。
俺たちも最後の方で謁見の間を出て、次は王家との夕食会に参加するために王城から王宮へ向かった。
その途中、王城のエントランス付近の廊下で、ジュリアとグレイが近衞騎士に囲まれているのを見た。
ジュリアの元同僚達が、駆けつけてお祝いの言葉を言っているのが聞こえてきた。
元直属の上司であるシドニーが、ジュリアと抱きしめ合って泣いているのを見て、胸がジーンと熱くなった。
王宮の食堂で、夕食会が行われる。
王族に加えて俺やロイ、グレイとジュリアも呼ばれていた。
キースは当然アランの隣に座り、執事ではなく、今後は王族の1人としてその席に座ることになる。
夕食は美味しくて、会話も弾み、とても楽しかった。
かしこまった形式だが、家族という温もりに包まれて、何倍も食事が美味しく感じた。
たくさん笑って、笑いすぎてまた涙を浮かべ、目元をハンカチで拭う。今日一日で4枚のハンカチを使ってしまった。
午後9時。
転移魔法陣の広間に関係者が集まる。
グレイは式典用からいつもの騎士服に着替えジュリアとしばしの別れを惜しんでいた。
ロイ、ダニエル、デクスターは平民と同じ平服に着替えており、ロイにはないが、クルス家の兄弟は腰から長剣を下げていた。その足元には旅用の鞄が置かれている。
広間には転移魔法陣を操作する魔導士の姿はなく、代わりにディーがパネルの前に立って操作していた。
今ここに、俺たちの関係を知らない者はいない。
先ほどから鼓動が早い。
ギュッと胸元を右手で握りしめて、下ろされた左手も硬く結ばれていた。
行かないでくれ。
そう叫びたいのを必死に堪える。
ロイをじっと見つめ、つい口走ってしまいそうになる言葉を出さないために奥歯を噛み締める。
「ショーヘイさん…」
辛そうにしている翔平を見兼ねて、アランのそばにいたキースが歩み寄ると、そっと背中を押した。
そんなキースを見て、涙がこぼれそうになるのを堪えると、押されるまま、魔法陣の中に立つロイへ近付いた。
「ショーへー、行ってくる」
ロイがニカッといつもの笑顔を向けてきた。
俺もそんないつもの笑顔に応えようとしたが、無理やり笑顔を作った瞬間、ポロッと涙が落ちた。
「ロイ…」
ロイの手がそっとその涙を掬い取った。
「大丈夫だ。バシリオを助けて、すぐに帰ってくる」
俺の両頬に手を添えて微笑みながらロイが優しく説き伏せるように言った。
「うん…」
小さく頷くと鼻を啜り、笑顔をロイに向けた。
「待ってる。気をつけてな」
「ああ。愛してる」
ロイとゆっくりとキスをかわす。
唇から愛をたっぷり含んだ魔力が流れ込み、体がじわっと温かくなった。
「行ってらっしゃい…」
硬く抱きしめ合うと、小さく呟いた。
「行ってきます」
ロイが満面の笑顔を浮かべ、俺たちはゆっくりと互いを離した。
少しづつ静かに後退り、魔法陣の外側へ出る。
キースが俺を慰めるように肩に触れて寄り添ってくれた。
グレイもまたジュリアと名残惜しそうに手を離した。
「転移魔法陣、起動します」
ディーが静かに言った。
魔法陣が光り輝き、真っ直ぐ天井に向かって光の柱が立ち上がった。
そして、その数秒後、中にいた4人の姿が霞のように消えて行った。
ロイの笑顔が消え、俺は両手で顔を覆い泣いた。
転移魔法が消えると、ディーが急いで俺に近付いて、力強く抱きしめてくれる。
そんなディーにしがみつき、声を殺しながら泣いてしまった。
大丈夫、絶対に帰ってくる。
そう確信しているが、会いたい時に会えないという状況が胸を締め付けて涙を流させる。
胸にぽっかりと穴が空いたような、何かを失ったような虚無感とその穴を埋めるように不安が押し寄せる。
無事に帰ってきてくれ。
ディーにしがみつき、ひたすらそれだけを願った。
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