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5P《雄朝津間皇子の婚姻》
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瑞歯別大王は自分いる宮の部屋で、考え事をしていた。
それは弟の雄朝津間皇子の婚姻についての事だった。
「さて、これをどう本人に言うべきか。いきなりそんな話しを持ちかけて、納得するだろうか……」
稚野毛皇子には、彼の娘との婚姻は了承したと既に伝えている。
そうでもしないと、弟の妃選びが中々進まないので、今回行動を起こしてみようと考えたのだ。
ただ今回は本人達の意思を尊重する為、強制的な婚姻ではない。
それなら彼にも納得させやすいと大王は考えた。
「雄朝津間は、適齢期になっても妃になるような姫の元に全く通う事が無かった。であればこちらからどこかの姫を勧めてみるのも悪くはない」
また自分が大王に即位した際に、彼を皇太子にしようと試みたが、本人から辞退されてしまった。
大王的には彼に、もっと皇子としての自覚をもって貰いたいと言う思いがあった。
そんな事を瑞歯別大王が考えていた丁度その時だった。
「兄上、俺に話ってなんでしょうか?」
1人の青年が大王の部屋の中に入ってきた。
彼は大王の弟で、今彼が色々考え込んでいた張本人である雄朝津間皇子だった。
「雄朝津間、悪いな急に呼び出して」
雄朝津間皇子は、先の大王である去来穂別大王の宮に住んでいた。ここには先の大王の息子である市辺皇子も一緒にいる。
彼は部屋の中に入って来ると、瑞歯別大王の前に来てそのまま座った。
「まぁ、この宮にはまだ来た事がなかったから丁度良かったよ」
年齢も18になり、だいぶ子供の頃の面影は無くなったと瑞歯別大王は思う。
今は表だって政り事に参加はしてないが、それ以外の、中々大王が動きずらい所で影で働いてくれている。
本来なら大王を補佐できるだけの高い能力があるのだが、何故か表だって政り事に関わる事を彼は拒んでいた。
「それでだな。実は先日俺達の叔父に当たる稚野毛皇子から連絡があった。何でも彼の娘である忍坂姫をお前の妃にしたいとの事だ」
「は!?妃に」
それを聞いてまた面倒な話しだなと、彼は思った。しかも相手は皇女で、昔一回会った事があるだけの娘だ。
しかもその時遊びに付き合わされ、散々な目に合っていた。
(確かあちらこちらを走り回られて、ワガママだし、何か言うと直ぐ泣きじゃくってたよな)
「忍坂姫って、昔かなりのお転婆娘だったあの子だよね?」
「あぁ、その彼女だ。雄朝津間、良く覚えていたな」
瑞歯別大王にしてみてもこれは意外だった。てっきりそんな娘の事なんて、覚えてないと思っていた。
(よりによって、あのお転婆娘が……)
それを聞いた雄朝津間皇子はその場で頭を抱えた。あんなお転婆娘なんて、絶対にあり得ないと。
「兄上、誠に申し訳ありませんが、その話しはお断りします」
彼には何の迷いも無かった。叔父の稚野毛皇子には悪いが、他の相手を当たってもらおう。
「まて、雄朝津間。確かに今回は婚姻の話しで向こうから来ている。
ただずっと会ってなかった2人だ、まずは会ってみて、それから決めて良いと言う話にしてある」
(そうは言っても、どうも嫌な予感しかない)
「でも、その兄上の口調からすると、もうその話しは決定事項って感じに聞こえるけど。その辺はどうなのさ?」
瑞歯別大王もだいぶ痛い所をつかれたと思った。雄朝津間皇子の言うように、まさにその通りである。
「雄朝津間、お前は鋭いな。お前の言うように、この話しは了承したと叔父上には伝えてある」
(やっぱりな……)
雄朝津間皇子はその場で大きくため息をついた。それと同時に何とも厄介な事に巻き込まれてしまったと思った。
「兄上、自分は好きな女性を妃にしてるのに、俺には勝手に押し付けてくる訳?」
「それを言われると中々痛いんだが、別にお前が他にめぼしい娘を見つけているならその娘でも構わない。
だがどうもそんな娘がいなそうなので、今回この婚姻を勧めてる訳だ。それにさっきも言ったように、これは強制的な婚姻ではない。だから会ってみて嫌なら断れば良いさ」
大王の言ってる事は間違ってはいない。皇族の皇子がいつまでも身を固めないのも問題だ。だが自分は政り事には表だって余り関わりたくない。だから婚姻にそこまでこだわっては来なかった。
今まで唯一妃にしたいと考えたのは、今の大王の妃になった彼女だけだ。
(まぁ彼女の場合、今となっては憧れの女性になってるけど)
「とにかく、俺はその婚姻に関しては、この場で断ります。叔父上にもそう伝えておいて」
そこまで言われたので、さすがに瑞歯別大王も諦めるかと彼は思った。だが大王からは意外な答えが変えって来た。
「実はだな雄朝津間。その忍坂姫には1度お前に会ってもらう為、お前のいる宮に来てもらうよう話してある。恐らく既に準備も始めてるはずだ」
それを聞いた雄朝津間皇子は余りの事に驚き、そして大王に対して叫んだ。
「な、何だって!?何でそこまで話し進めてるんだよ。冗談じゃない!!」
それは弟の雄朝津間皇子の婚姻についての事だった。
「さて、これをどう本人に言うべきか。いきなりそんな話しを持ちかけて、納得するだろうか……」
稚野毛皇子には、彼の娘との婚姻は了承したと既に伝えている。
そうでもしないと、弟の妃選びが中々進まないので、今回行動を起こしてみようと考えたのだ。
ただ今回は本人達の意思を尊重する為、強制的な婚姻ではない。
それなら彼にも納得させやすいと大王は考えた。
「雄朝津間は、適齢期になっても妃になるような姫の元に全く通う事が無かった。であればこちらからどこかの姫を勧めてみるのも悪くはない」
また自分が大王に即位した際に、彼を皇太子にしようと試みたが、本人から辞退されてしまった。
大王的には彼に、もっと皇子としての自覚をもって貰いたいと言う思いがあった。
そんな事を瑞歯別大王が考えていた丁度その時だった。
「兄上、俺に話ってなんでしょうか?」
1人の青年が大王の部屋の中に入ってきた。
彼は大王の弟で、今彼が色々考え込んでいた張本人である雄朝津間皇子だった。
「雄朝津間、悪いな急に呼び出して」
雄朝津間皇子は、先の大王である去来穂別大王の宮に住んでいた。ここには先の大王の息子である市辺皇子も一緒にいる。
彼は部屋の中に入って来ると、瑞歯別大王の前に来てそのまま座った。
「まぁ、この宮にはまだ来た事がなかったから丁度良かったよ」
年齢も18になり、だいぶ子供の頃の面影は無くなったと瑞歯別大王は思う。
今は表だって政り事に参加はしてないが、それ以外の、中々大王が動きずらい所で影で働いてくれている。
本来なら大王を補佐できるだけの高い能力があるのだが、何故か表だって政り事に関わる事を彼は拒んでいた。
「それでだな。実は先日俺達の叔父に当たる稚野毛皇子から連絡があった。何でも彼の娘である忍坂姫をお前の妃にしたいとの事だ」
「は!?妃に」
それを聞いてまた面倒な話しだなと、彼は思った。しかも相手は皇女で、昔一回会った事があるだけの娘だ。
しかもその時遊びに付き合わされ、散々な目に合っていた。
(確かあちらこちらを走り回られて、ワガママだし、何か言うと直ぐ泣きじゃくってたよな)
「忍坂姫って、昔かなりのお転婆娘だったあの子だよね?」
「あぁ、その彼女だ。雄朝津間、良く覚えていたな」
瑞歯別大王にしてみてもこれは意外だった。てっきりそんな娘の事なんて、覚えてないと思っていた。
(よりによって、あのお転婆娘が……)
それを聞いた雄朝津間皇子はその場で頭を抱えた。あんなお転婆娘なんて、絶対にあり得ないと。
「兄上、誠に申し訳ありませんが、その話しはお断りします」
彼には何の迷いも無かった。叔父の稚野毛皇子には悪いが、他の相手を当たってもらおう。
「まて、雄朝津間。確かに今回は婚姻の話しで向こうから来ている。
ただずっと会ってなかった2人だ、まずは会ってみて、それから決めて良いと言う話にしてある」
(そうは言っても、どうも嫌な予感しかない)
「でも、その兄上の口調からすると、もうその話しは決定事項って感じに聞こえるけど。その辺はどうなのさ?」
瑞歯別大王もだいぶ痛い所をつかれたと思った。雄朝津間皇子の言うように、まさにその通りである。
「雄朝津間、お前は鋭いな。お前の言うように、この話しは了承したと叔父上には伝えてある」
(やっぱりな……)
雄朝津間皇子はその場で大きくため息をついた。それと同時に何とも厄介な事に巻き込まれてしまったと思った。
「兄上、自分は好きな女性を妃にしてるのに、俺には勝手に押し付けてくる訳?」
「それを言われると中々痛いんだが、別にお前が他にめぼしい娘を見つけているならその娘でも構わない。
だがどうもそんな娘がいなそうなので、今回この婚姻を勧めてる訳だ。それにさっきも言ったように、これは強制的な婚姻ではない。だから会ってみて嫌なら断れば良いさ」
大王の言ってる事は間違ってはいない。皇族の皇子がいつまでも身を固めないのも問題だ。だが自分は政り事には表だって余り関わりたくない。だから婚姻にそこまでこだわっては来なかった。
今まで唯一妃にしたいと考えたのは、今の大王の妃になった彼女だけだ。
(まぁ彼女の場合、今となっては憧れの女性になってるけど)
「とにかく、俺はその婚姻に関しては、この場で断ります。叔父上にもそう伝えておいて」
そこまで言われたので、さすがに瑞歯別大王も諦めるかと彼は思った。だが大王からは意外な答えが変えって来た。
「実はだな雄朝津間。その忍坂姫には1度お前に会ってもらう為、お前のいる宮に来てもらうよう話してある。恐らく既に準備も始めてるはずだ」
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