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忍坂姫は思った。自分と雄朝津間皇子もいとこ同士で、小さい頃に2人で遊んだ事があったが、皇子的には散々な目に合っていた。
市辺皇子と阿佐津姫もいとこ同士なので、将来自分達のように、婚姻を薦められたりするかもしれない。
もし本当に将来そんな話しが出たら、この2人はどうするのだろうか。
少なくとも市辺皇子と阿佐津姫には、自分達と同じ二の舞を踏ませる事だけはさせたくないと彼女は思った。
(出来れば今のうちから仲良くはして貰いたいけど、どうもお互いの事をかなり嫌っているみたいだから、今はそっとしておいた方が良いかもしれないわね)
忍坂姫はふとそんな事を思った。この幼い姫と皇子の立場を考えると、ありえる話しだ。
それから暫くして、佐由良が使用人との話しを終えて忍坂姫達の元に戻ってきた。
彼女の感じだと、宮の使用人からの了承は得られたようだ。
「宮の人達に説明してきたわ。じゃあ早く準備をして行きましょうか」
佐由良は、阿佐津姫に先程話した小高い丘に行く事を彼女に説明した。
阿佐津姫もそれを聞いて、「わぁ、私も行きたい~」と上機嫌で言った。
「でも大王達がその間に戻って来られたりしないでしょうか?」
忍坂姫は、ふと大王達の事を心配していた。
「大王には、もしする事が無くなったらその丘に行くかもしれないと、実は昨日話しをしておいたの」
佐由良は忍坂姫にそう説明した。
それを聴いた忍坂姫は、であれば大王もそこまで心配する事はないだろうと思った。
それに宮の使用人に言付けておけば、大王達が戻ってきた時に伝えてもらえる。
(それにここからすぐ近くと言っていたから、直ぐに戻れるだろうし)
こうして忍坂姫は、佐由良とその娘の阿佐津姫と共に、この宮から少し行った所にある小高い丘に行く事にした。
【たかみのさと】と呼ばれる小高い丘は、本当に直ぐ近くにあるみたいだ。
そこに忍坂姫達は使用人の女性2人と、従者の男2人を連れて徒歩で向かう事にした。
(今日は天気も良いし、とてもぽかぽかしていて気持ちが良いわ)
忍坂姫はその場で大きく腕を伸ばして、背伸びをした。
こんな日は、むしろ皇子達とも一緒に来てみたかったなと思ったぐらいだ。
佐由良は阿佐津姫と手を繋いで歩いていた。彼女も宮の外に出られたので、とても機嫌が良さそうだ。
「ここら辺は、夫が大王に即位してから来たので、住み始めて意外と日は浅いのよね。でもとても良い所だと思ったわ」
佐由良はそう答えた。ここに来る以前は、亡き父である大雀大王の宮から南に下った所に若宮を建てて、そこで暮らしていたそうだ。
「確かにのどかでとても気持ちの良い所ですね。それに今日大王達が視察に行った場所もここから割りと近いと聞いていますし、大王からした倭国の政り事だけでなく、他国との交流においても利便性がありそうですね」
忍坂姫が佐由良達とそんな話しをしている時だった。
彼女達から少し離れた所で、自分達を見ている人間がいた。
「あの娘、見たことがあるぞ。6年前に今の大王の元にいた吉備の娘だ。それで今は大王の妃になっている」
そんな彼女達を見ていたのは嵯多彦だった。先程いた場所から離れて、瑞歯別大王の住んでいる丹比柴籬宮付近に来ていたのだ。
そんな彼と一緒に、大炯を含めた3人の同行者がついていた。
幸い、彼女らは彼らの存在には気付いてはいないようだ。
「嵯多彦、どうかしたか?」
隣にいる大炯が彼に声を掛けた。
「おい、大炯あれを見ろ。あそこを歩いてる奴の中に、女の子を連れて歩いている女がいるだろう。あの女が大王の妃だ」
嵯多彦はそう彼に説明した。彼女に会ったのは過去1回だけだが、当時と変わらず、相変わらず綺麗な容姿をした娘だと思った。
「あれが、この国の王の妃か。少しここから離れてはいるが、容姿ははっきりと見える。何とも綺麗な娘のようだな」
大炯も一緒に佐由良達を見た。どうやらどこかに向かっているみたいで、あの小さな女の子は恐らく彼女の娘だろう。
そして嵯多彦は、そんな佐由良達を見てふと思い付いた。
「今は大王も側におらず、従者も数名。であればあの妃を拐いやすいな。そうすれば大王もかなり慌てるだろうよ」
嵯多彦は思わずその場で笑いだした。大事な妃がいなくなったとすれば、あの男はどんな顔をするのだろうか。
きっとかなり動揺して、政り事どころではなくなるはずだ。
市辺皇子と阿佐津姫もいとこ同士なので、将来自分達のように、婚姻を薦められたりするかもしれない。
もし本当に将来そんな話しが出たら、この2人はどうするのだろうか。
少なくとも市辺皇子と阿佐津姫には、自分達と同じ二の舞を踏ませる事だけはさせたくないと彼女は思った。
(出来れば今のうちから仲良くはして貰いたいけど、どうもお互いの事をかなり嫌っているみたいだから、今はそっとしておいた方が良いかもしれないわね)
忍坂姫はふとそんな事を思った。この幼い姫と皇子の立場を考えると、ありえる話しだ。
それから暫くして、佐由良が使用人との話しを終えて忍坂姫達の元に戻ってきた。
彼女の感じだと、宮の使用人からの了承は得られたようだ。
「宮の人達に説明してきたわ。じゃあ早く準備をして行きましょうか」
佐由良は、阿佐津姫に先程話した小高い丘に行く事を彼女に説明した。
阿佐津姫もそれを聞いて、「わぁ、私も行きたい~」と上機嫌で言った。
「でも大王達がその間に戻って来られたりしないでしょうか?」
忍坂姫は、ふと大王達の事を心配していた。
「大王には、もしする事が無くなったらその丘に行くかもしれないと、実は昨日話しをしておいたの」
佐由良は忍坂姫にそう説明した。
それを聴いた忍坂姫は、であれば大王もそこまで心配する事はないだろうと思った。
それに宮の使用人に言付けておけば、大王達が戻ってきた時に伝えてもらえる。
(それにここからすぐ近くと言っていたから、直ぐに戻れるだろうし)
こうして忍坂姫は、佐由良とその娘の阿佐津姫と共に、この宮から少し行った所にある小高い丘に行く事にした。
【たかみのさと】と呼ばれる小高い丘は、本当に直ぐ近くにあるみたいだ。
そこに忍坂姫達は使用人の女性2人と、従者の男2人を連れて徒歩で向かう事にした。
(今日は天気も良いし、とてもぽかぽかしていて気持ちが良いわ)
忍坂姫はその場で大きく腕を伸ばして、背伸びをした。
こんな日は、むしろ皇子達とも一緒に来てみたかったなと思ったぐらいだ。
佐由良は阿佐津姫と手を繋いで歩いていた。彼女も宮の外に出られたので、とても機嫌が良さそうだ。
「ここら辺は、夫が大王に即位してから来たので、住み始めて意外と日は浅いのよね。でもとても良い所だと思ったわ」
佐由良はそう答えた。ここに来る以前は、亡き父である大雀大王の宮から南に下った所に若宮を建てて、そこで暮らしていたそうだ。
「確かにのどかでとても気持ちの良い所ですね。それに今日大王達が視察に行った場所もここから割りと近いと聞いていますし、大王からした倭国の政り事だけでなく、他国との交流においても利便性がありそうですね」
忍坂姫が佐由良達とそんな話しをしている時だった。
彼女達から少し離れた所で、自分達を見ている人間がいた。
「あの娘、見たことがあるぞ。6年前に今の大王の元にいた吉備の娘だ。それで今は大王の妃になっている」
そんな彼女達を見ていたのは嵯多彦だった。先程いた場所から離れて、瑞歯別大王の住んでいる丹比柴籬宮付近に来ていたのだ。
そんな彼と一緒に、大炯を含めた3人の同行者がついていた。
幸い、彼女らは彼らの存在には気付いてはいないようだ。
「嵯多彦、どうかしたか?」
隣にいる大炯が彼に声を掛けた。
「おい、大炯あれを見ろ。あそこを歩いてる奴の中に、女の子を連れて歩いている女がいるだろう。あの女が大王の妃だ」
嵯多彦はそう彼に説明した。彼女に会ったのは過去1回だけだが、当時と変わらず、相変わらず綺麗な容姿をした娘だと思った。
「あれが、この国の王の妃か。少しここから離れてはいるが、容姿ははっきりと見える。何とも綺麗な娘のようだな」
大炯も一緒に佐由良達を見た。どうやらどこかに向かっているみたいで、あの小さな女の子は恐らく彼女の娘だろう。
そして嵯多彦は、そんな佐由良達を見てふと思い付いた。
「今は大王も側におらず、従者も数名。であればあの妃を拐いやすいな。そうすれば大王もかなり慌てるだろうよ」
嵯多彦は思わずその場で笑いだした。大事な妃がいなくなったとすれば、あの男はどんな顔をするのだろうか。
きっとかなり動揺して、政り事どころではなくなるはずだ。
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