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世界の中心は可愛い君♡
♡♡♡
しおりを挟む「別れようって言われたらどうしよう…」
じわっと視界が歪む。食べていた朝食も喉を通らなかった。
学校に近付く度、足取りが重くて、嫌な音が心臓からドクドクと鳴る。教室にサッと入いれば、いつも通りの友達との挨拶、つまらない授業が始まったおかげで、少しだけ気分が落ち着いた。
けど、少し離れた場所に笹貫くんがいて、いつ僕の教室を訪ねてきても、廊下ですれ違ってもおかしくないなっておもってたのに、今日に限って笹貫くんを見ることは無かった。
下校時間になって、とぼとぼと家までの長い距離を歩いていく。
ついこの間、笹貫くんと毎日歩いて楽しいことして帰ってたのに…。
そう考えただけで涙が溢れてきた。
「やっぱり嫌われちゃったのかな…。笹貫くん…好きだよ…もう遅いかなぁ…?」
「えっっまこちゃん俺の事好きなの?!?!」
「へ?」
突然の大声に、涙が止まった。
「まこちゃん…嬉しい!!俺も愛してるよ。まこちゃん!!まこちゃん!可愛い好きだ!結婚しよ♡」
どこからか現れた、今日ずっと探していた笹貫くんが僕を腕の中に囲んでぎゅう~っと抱きしめてくれる。
笹貫くん!!笹貫くんだ!
笹貫くんがいることが嬉しくて僕も笹貫くんの背中に腕をまわして抱きついた。
「笹貫くんやだよぉ…別れたくないよ…ぼ、僕笹貫くんのこと…好き。好きだから別れたくないよ…」
今まで気付かなかった、言えなかった好きって気持ちが、ボロボロと出てきてしまって、笹貫くんに余計嫌われたらどうしようって思ったけど、僕の感情は止まらなかった。
「まこちゃん?別れるなんて絶対言わないよ。絶対別れないよ。だって俺、まこちゃんのこと大好きで愛してるから…まこちゃん、俺だけのまこちゃん!」
「笹貫くん!この間、家に行きたいって言って迷惑だったよね…?嫌われたんじゃないかって不安で」
「まこちゃんのこと嫌いになるはずないよ。そっか、家…うーんまこちゃんが家に来るとかもう新婚生活な感じがするね♡ただ、まこちゃんが俺の事嫌いにならないなら家に来ていいよ」
この間は、まこちゃんが家に来た時の妄想で埋め尽くされて、まこちゃんが俺の部屋にいたら絶対我慢できないから断ったけど…嫌な思いさせてごめんね…!
と、笹貫くんから謝られた。なんて優しいんだろう。
「ううん…笹貫くんのこと…そのす、す、…す、好きだから…あの…大丈夫。笹貫くんにされること…全部どきどきする」
「ふふ、そっか♡よかった♡俺もまこちゃんだぁいすき♡」
「お、お邪魔します…!」
「はい、どうぞ!そんなに緊張しなくていいよ」
にこにこと笑う笹貫くんの家についにお邪魔することになった。笹貫くんの家の外観はとりあえず、凄かった。美しすぎた。
「俺のこと、嫌いにならないでね、まこちゃん♡」
「うん!笹貫くんのこと好きだから大丈夫だよ!」
家に行くのに、どうして嫌われると思うんだろう?
もしかして、ちょっと散らかってるのかな?好きな人の部屋ってどんな感じなのか、みんな気にならない?なんて、完全に僕は浮かれている。
2階のつきあたりが俺の部屋だよ!と教えてもらい、笹貫くんの部屋へ階段を登って行く。
カチャリ…とドアのぶを捻り、中に入ると____
広い部屋。黒いソファ。なにやら撮影しているようなモニターとパソコン。そして、壁一面に僕の写真がびっしりと貼られていて、最近無くしたフェイスタオルやパンツが、清潔そうな大きなベッドに置いてあった。
「この写真……全部…僕?」
僕の心臓はどくりと早鐘を鳴らす。
「はぁ♡まこちゃん可愛い♡俺の部屋にいるとか、すっごい興奮する♡今日は泊まっていってね♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡愛してるよ、まこちゃん」
そう耳元で聞こえた笹貫くんの声と共に、首に衝撃を感じて、目の前が真っ暗になった。
「可愛いまこちゃんは、俺の世界の中心だよ♡」
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