4 / 51
湊の話
心配
しおりを挟む今日はライブの練習があった
ダンスも歌も、段取りからいろいろ忙しかった
バタバタとしてるうちに時間も過ぎていき、夢のことなんて本当に忘れてた
夢のことより竜也が気になった
ダンスがいつもよりきれが悪い気がする
どうしたんだろう……
最近、主演ドラマに多く出るようになってる竜也は忙しい、疲れてるのかもしれない
竜也はアクロバットもするからな……
そんな状態で練習を続けてたら怪我するかもしれない
振り付けの先生に相談をしたら今日の練習は終わりになった
他のメンバーが帰って行き、シャワーから上がって着替えて出てくれば、脱衣場の椅子に座ってた竜也がこっちに来た
なんだか怒ってるように見えた
「竜也?どうし…「どうしたじゃない!なんで練習終わらせた!」
怒ってるようでなく、怒っていた
「なんでって……竜也の様子がいつもと違ってたから……疲れてるのかもって……」
「だからって練習終わらせることないだろ!俺が中途半端なのが嫌いなの知ってるだろ!」
知ってる、知らないわけがない、いつも歌にもダンスにも演技にも真剣に向き合って、中途半端な事したくないって頑張ってるの一番分かってる、竜也の……好きな人の性格だもん、分かってる、でも……
「でも!練習続けて怪我したら意味ないだろ!それこそ竜也の嫌いな中途半端になるよ!」
僕も引きたくなかった、怪我の仕方によっては今後に影響する、危ないことになったらどうなるかなんて分からない、練習で怪我していろんなことを諦めないといけなくなる、そんなことさせたくなかった
「っ……怪我するかしないかなんて自分でわかる……自分で調整出来る!」
「出来るわけないだろ!一度始めると納得するまで練習しないと気が済まないんだから!調子が悪い時に無理に練習して何かあったらどうするだよ!」
こんな言い合いしたこと無かった、今まで竜也が集中して周りが見えなくなると、やんわり気づかせるようにしていた
それでもダメな時もあったけど、ここまで声を上げてぶつかることなんてなかった
「自分の事は自分が一番分かってる!」
「分かってない!今日はいつもと違って動きが悪かった!そのままアクロバットの練習したら怪我に繋がる!何かあってからじゃ……遅いんだよ!」
「っ……なんで、泣いてるんだよ……」
気がついたら涙が止まらなくなっていた
怪我なんかして欲しくない、好きな人に痛い思いさせたくない、守りたくて必死だった
「泣いてない……呆れてるんだよ……分かってるって言う割に竜也が自分のことちゃんと見えてないから……」
そう言い服の袖で涙を拭った
涙をいくら拭っても止まらなかった
辛くなってきた僕は脱衣場に竜也を残して脱衣場を走って後にした
★☆★
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ふつつかものですが鬼上司に溺愛されてます
松本尚生
BL
「お早うございます!」
「何だ、その斬新な髪型は!」
翔太の席の向こうから鋭い声が飛んできた。係長の西川行人だ。
慌てん坊でうっかりミスの多い「俺」は、今日も時間ギリギリに職場に滑り込むと、寝グセが跳ねているのを鬼上司に厳しく叱責されてーー。新人営業をビシビシしごき倒す係長は、ひと足先に事務所を出ると、俺の部屋で飯を作って俺の帰りを待っている。鬼上司に甘々に溺愛される日々。「俺」は幸せになれるのか!?
俺―翔太と、鬼上司―ユキさんと、彼らを取り巻くクセの強い面々。斜陽企業の生き残りを賭けて駆け回る、「俺」たちの働きぶりにも注目してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる