巨大魔物討滅作戦

広畝 K

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第十一章:異常

57話

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 老狩人が恥を承知で尋ねると、冒険者の男たちは魔物の基本的な習性について説明を行った。
 魔物の習性については仕事の情報としてではなく、民間にも幅広く伝えられるべきであると、彼らはそう思っていたからでもある。

 どんな魔物も身体の大きさに関わらず、周囲の動物に襲い掛かる特徴を有しているのが基本的な習性だという。
 凶暴極まりない生物であるが、そんな魔物も敵対者によって予想以上のダメージを受けると、不意を打って逃げ出すこともあるらしい。

「そして一度逃げ出した魔物は、逃げ癖がついていることが多いのです。
 人間に傷をつけられたのなら、人間に対して恐怖感を持つケースも確認されています。
 もっとも、より凶悪になるというケースもありますが、こちらは比較的少ない印象ですね」

「今回の魔物については、どういう影響があるんでしょう?」

「そこまでは分からんが、厄介には違いない。
 熊をも一撃で倒せるような奴が相手を選ぶようになってみろ。面倒なことになるのが目に見えてるだろ? 
 例えば、俺たちのような冒険者から逃げて、あんたたちのような一般市民だけを襲う……。
 そんな悪知恵をつけられでもしたら、やりにくいことこの上ない」

「確かに、そうなると厄介ですな……」

「しかし、今のところは問題ないでしょう。
 村は上級冒険者のパーティがきっちりと警護しているでしょうし、魔物が山から逃げ出したという状況にもなってはいませんから」

 第三部隊に連絡を取っているペリーニを、現在地を確認しているリーダーのバランを横目に見て、シャルルはそう締めくくった。

 話を終えてしばらく、老狩人によって冒険者たちに茶が振る舞われ、小屋内の雰囲気が緊張の呪縛から一時的に解放された頃のことである。
 通信機が信号を受信し、甲高い鳴き声のような音を発したのだ。

「どちらからだ?」

「第二部隊からの通信です」

「よし、繋いでくれ」

 男たちは耳元に受信機を、口元に送信機を配しながら、椅子へと座って地図を睨む。
 第二部隊の現在地は、熊の死体があった第一地点からそれほど離れてはいないようであった。

『こちら二部。応答されたし』

「こちら一部。状況を伝えられたし」

『二部了解。討伐目標を確認した。これより交戦に入る』

「一部了解。健闘を祈る」
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